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なぜ面白いのか

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タイラーに再会できる日が待ち遠しい「lifeline..」感想

今日はいつもと趣向を変えてアプリゲーム「lifeline..」について。

Lifeline...

Lifeline...

  • 3 Minute Games, LLC
  • ゲーム
  • ¥120

 

play.google.com

 

各種アプリランキングで上位になっていた作品なので、プレイヤーでなくても知っている人は多いかもしれない。

今回はネタバレ無し。考察はまた次回以降に!

 

こんな人におすすめ

  • 洋画、海外ドラマ、洋書(特にアメリカが舞台のもの)のノリが好きな人
  • apple watchを持っている人

   ※わたしは持っていないのだが、apple watchで遊ぶと臨場感が増すとか

  • 映画「オデッセイ」が気に入った人

 

こんな人は注意

  • ホラー展開が苦手な人
  • ネズミが生理的に無理な人
  • 短気な人

 

わたしが触れたきっかけ

トップギアファンの友達に「このアプリ面白そう」と紹介された。

アプリ紹介文に興味をひかれ、また安価だったのでやってみることにした。

 

なぜ面白いのか

ストーリーについてはアプリ紹介ページで紹介されているため(またネタバレを防ぐため)省略する。

 

初めて体験するリアル感

このゲームを遊んだ人が口をそろえて指摘するのが、今まで味わったことのない「リアル感」があるという点だ。

ここでいう「リアル感」とは何か。

「リアルなグラフィック」とか「ベテラン声優の醸し出す臨場感」とかではない。

「リアルな時間感覚」である。

 

ゲームの中で実際にかかる時間の分、プレイヤーは待たされる

主人公タイラーが「○○するよ」と言えば、○○が完了するだけの時間が消費されるまで(またはタイラーが飽きてプレイヤーに連絡してくるまで)テキストは表示されない。

要はゲームのテキストが数分~数時間感覚で表示されるというだけのことだ。

これだけ見ても何が面白いのかよくわからないかもしれない。

課金しなければプレイ時間が限られるソーシャルゲームのようなものなのかと、わたしも最初は思った。

だがまったく違った。

 

タイラーが「また連絡するよ」と言ってから数時間、プレイヤーにはプレイヤーの生活がある。仕事や授業をすませ、一休みして端末を開くとタイラーからの連絡が届いている。まるで友達から来た連絡のように。

そのときの「タイラー、生きてた、よかった!」とわきあがる感情はほかでは味わえない。

この感覚を文章で伝えるのには限界があるから、疑う人は実際にやってみてほしい。

とにかくこの「待つ」ことで生まれる臨場感(思い切って「生活感」と言ってしまってもいいかもしれない)わたしにとっては初めての感覚だった。

逆に短気な人にとってはじれったいばかりのシステムかもしれず、このあたりは十分に自己分析してから臨んでほしい。

 

ゲームにおいて「リアル感」を演出するのに、必ずしも潤沢な予算は必要ないのだと思わされた。

ゲームの媒体とシステム、シナリオがマッチしたとき、こんなにも新しい経験ができるのかと。

タイラーとのおしゃべりはすぐにわたしの生活の一部になり、彼が疲れていれば心配になるし、彼が死んでしまうと(バッドエンド豊富である)言いようのない罪悪感と喪失感を味わうことになる。

 

そしてクリア後、もうタイラーから連絡が来ないのだと思うとひどく寂しくなるのだ。

上記のわたしの友達は、この状態を「タイラーロス」と呼んだ。

まさにそれである。

 

タイラーはちょっとひねくれたアメリカ人のギークで、皮肉やジョークが好きで、アメコミや映画の知識も豊富だ。また自分が「理系男子」であることを誇ってもいる。

(実際、かなり「ワトニー」に近いキャラ造形)

だから洋画や海外ドラマのノリが好きな人は、すぐにタイラーが好きになるだろう。

慣れてない人が始めると、最初は戸惑うかもしれない。

 

このゲームのシナリオはSFではあるが、サスペンスホラー風の味付けになっている。

基本的にホラーが苦手なわたしが問題なくクリアできたので(アプリを買った時点ではホラー味だということはわからなかった)、それほど怖いというわけではない。

わたしがいちばん恐怖を感じたのは二日目の朝

タイラーがどんな危険にさらされているのかまったくわからない状態のとき。

次第に輪郭が明確になってくるにつれ、逆に恐怖は薄れていった。

 

翻訳の妙

個人的に、このゲームの日本語ローカライズ担当者には最大の賛辞を贈りたい。

タイラーというキャラクターは本来性別不詳なのだが、日本語の口語表現にはどうしても男性口調、女性口調が存在する。

日本語版のタイラーは男性口調(そしてプレイヤーは女性口調)で訳されている。

性別不詳という設定を犠牲にしてでも、この口調でのキャラづけは大成功だったと思う。

彼(わたしにとってタイラーは「彼」だ)の軽妙な語り口は、ゲームの魅力を最大限に引き出してくれている。

原文と比較するとかなり思い切った意訳になっていることもあるが、それもむしろこの訳でよかったと思わせるものが多い。

女性プレイヤーにとっては乙女ゲー気分で遊べる仕様になっているかもしれない。

 

おまけ的な遊び方

このアプリはゲームの中に言語選択モードが存在する。

そのためプレイ中にいつでも言語の変更ができるのだ。

選択できる言語は英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、日本語、中国語。

これらの外国語を勉強中の人には、このアプリはいきいきとした「現代会話例文集」になる。

日本語版を何周か遊んでしまえば、大体の台詞は覚えられる。

その状態で外国語モードにするとほぼ内容がわかるだろう。

意味がわからなければすぐに日本語モードに戻り、この台詞だったか! と納得できる。

また日本語モードで遊びながら「この言い回しは○○語ではどうなってるんだろう?」と思ったときもすぐに確認できる。

お菓子の商品名や芸能人の名前など、ローカライズにあたってその地域でピンとくる名前に変更されている部分もあるので、そういった変更点を探しながら遊ぶのも楽しいだろう。

 

 

続編について

「lifeline..」シリーズは「lifeline 2」「lifeline silent night」と続いている。

このうち直接の続編は「lifeline silent night」で、タイラーの物語の続きを知ることができる。

「lifeline 2」は主人公はアリカという少女でタイラーとは別人だが、あちこちに前作とのつながりを思わせる場面がある。

今後もシリーズは展開していくようなので、一通り追っておくと楽しみが増えるかもしれない。

 

なお明日、日本時間の3月23日の早朝4時~6時に、twitterのlifeline公式アカウントが第二回 #TalkToTaylor を実施するらしい。

タイラーに質問がある人は(もし起きることができたら)参加するべし。

かなり丁寧にユーモアを交えつつ答えてくれるので、読んでいるだけでも楽しい。

第一回の模様はこちらからどうぞ。

togetter.com