【前回までのあらすじ】
ビスケットを食べた犯人を追うジェームズ。しかし必死の追跡もむなしく、犯人は爆発してしまった。
It's May Day, my day. May the force of May be with you.
— James May (@MrJamesMay) 2016年5月1日
五月になった。
「トップギア」ファンにとって、五月とはジェームズ・メイの月だ。
今年もファンはさまざまな形でジェームズを応援する企画を始めている。
このブログでもささやかながらジェームズ・メイ応援企画をやってみようと思う。
名付けて、独断と偏見で選ぶ ジェームズ・メイベストエピソード集である。ここではジェームズ単独での企画はあえてはずし、ジェレミーやリチャードとのやりとりの中でいかにもジェームズらしい言動が見られるものをチョイスした。全部見ればジェームズファンになること請け合いである。
ではいってみよう。
5位 世界最高のドライビングロードを求めて(10-1)
世界最高のドライビングロードを探し、三人がアルプス周辺のあちこちを走り回る企画。
このときジェームズはアストン・マーティンV8ヴァンテージN24というレーシングカー仕様の車を買ってしまったため、乗り心地はいまいちなうえにラジオもエアコンもなかった。
発車前にさまざまなスイッチを押して悦に入る様子は実にいつものジェームズ。
しかし実際に走ってみると、それが長時間のドライブには向かないことを本人も認めないわけにはいかなかった。
ジェレミーとリチャードには「いい車だ」と言い張りながら、車の中で一人になると暑さと乗り心地の悪さにぶつぶつ言いだすのである。
見どころはラスト、全部脱いでしまうところ。
ジェームズは割とパンツは見せる人なのだが、上も脱いで体を覆うのはシートベルトだけという状態は珍しい。
だんだんジェレミーとリチャードの前でも意地をはれなくなっていくジェームズを、どうぞご堪能あれ。
4位 シロッコCM作り(13-7)
ジェレミーとジェームズがフォルクスワーゲン・シロッコのCMを作る企画。
「シロッコソング」が聞けるという点だけでも、ジェームズの代表作と言っていいだろう。
眼鏡ジェームズが初めて登場する回でもあり、広告マンになりきるジェームズは必見である。
(訂正:眼鏡ジェームズの初登場は11-5「グロッサーとコーニッシュ」回だった!)
「最も大事なのは製品の真実を語ることだ」とフォルクスワーゲンの社員に言われ、
「でも『大量虐殺50周年を記念した車だ』とは言わない」と即答するあたりはさすが。
シロッコソング全曲版はこちらからどうぞ。
ちなみにこの回のニュースコーナーではこんなやりとりがあった。
(`゚Д゚) <ジェームズにポルノ撮影は無理だ
J`・ω・) <良いポルノを撮る自信ならある
(`゚Д゚) <どうせ筋書きはこうだ。ネグリジェ姿の女性の家にボイラーの修理人が来て、修理して帰る
実はこのときジェレミーに言われた内容のポルノ映画を、ジェームズは自分の番組で撮影している。
興味のある人は「James May’s Man Lab」1-3を見るべし。
3位 アルバニアンマフィアのために(16-3)
マフィアに脅されて始まったこの企画もジェームズの良さが光っている。
ジェームズはロールスロイスに本当に似合う紳士だし、アルバニアに捨てられていたMiG戦闘機を見て目を輝かせトークが止まらなくなるシーンは、ジェームズファンならにこにこと見守りたくなるに違いない。
ストッキングをかぶって銀行強盗する姿もここでしか拝めない。
最終的に警察に追われ、捕まるくらいならと潔く「ベントレー」とともに谷底に落ちていく姿には多くのファンが涙した。
しかしこの企画で最も注目すべきなのはベントレー・ミュルザンヌだろう。ベントレーが急遽撮影協力を拒否したため、番組は代車を用意しなければならなかった(それがザスタバ・ユーゴだったことは指摘してはいけない。どう見てもベントレーそっくりなのだから)。
これを見ていた当時、まだわたしにはベントレーという車についての知識がなく(何しろ「トップギア」を見始めた当初、わたしの知っていた車用語は「ハンドル」と「タイヤ」くらいのものだったのである)そんなところにこの企画で「ベントレー」を連呼されたせいで、わたしの中に「ベントレー=ろくに走らないオンボロ車」というイメージが刷り込まれてしまった。風評被害も甚だしい。撮影拒否の代償は大きかった。
「ベントレー」がもう少し優秀な車だったら、ジェームズも生きてイギリスに帰ることができたろうに。
2位 17歳の車選び(13-2)
免許をとったばかりの17歳の若者(イギリスでは17歳から免許をとれる)、無謀な運転を心配する親、そもそも若者に車を売りたくない保険会社、全員が満足する車とは?
企画開始当初は非常に実用的なレビューになると思われたが……。
「私はジェームズ・メイ……じゃなくてアダム・スミスです」
「私はもう(ペニスを)切った」
に始まり、メイ言が飛び出しまくる回である。
爆音ステレオでバッハを聴く姿はファンの心に焼き付いて離れない。
さらにその爆音ステレオがいたずらされ、なんだかやかましい音楽を延々と聞かされる羽目になり、ついに夜のテストであんなことになってしまうのである(この夜のテストは何度見ても笑ってしまう)。
小ネタでいっぱいの「トップギア」オフィスもすみずみまで見てほしい。
1位 共産主義車(12-6)
共産主義国はまともな車を作ったか? というテーマで、ジェレミーとジェームズがロシアや旧東ドイツなどの車を振り返る企画。
ジェームズ・メイのペダンティシズムがこの上なく発揮された回。
1970年代風?の演出もあり、車好きのみならず共産趣味者が見ても楽しめるのではないだろうか。
わたしはこの企画を見て(車に関する知識はまったくないのに)「トップギア」にはまったという経緯があり、これを一位にするのは明らかにひいきなのだが、これはわたしのランキングなのだからいいのである。
「モスクビッチはAK47と同じ工場で生産されていたが、殺傷能力はこの車の方が上だ」
「ジェレミーの車にはレブカウンターがついてるな。腐った資本主義の豚め」
「ライトにワイパーが!? 野心的じゃないか」
「リアサスペンションがコイルだと? エリート主義だな」
畳みかけるようなジェームズの台詞が楽しい。
そのほかにもジェームズがロシア訛りっぽい英語を話したり死んでしまったりするので細部まで見逃せない。
この回はジェレミーが風邪で喉の調子が悪かったり、後半の企画でニーダム氏のリクエストによりフォード・フィエスタをあらゆる面から検証したり、ゲストがロンドン市長ボリス・ジョンソンだったりと、ジェームズ以外にも見どころが多い。
【おまけ】
Man Lab のテーマ(ジェームズ本人作曲)を弾くジェームズ。背景は Man Lab 撮影現場だろうか?