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【更新】帰ってきた三馬鹿「グランドツアー」1-1感想

いよいよ「グランドツアー」公開!

ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの三人が、誰一人欠けることなく新番組で集結した!

今日公開されたのはイギリス、アメリカ、ドイツ、日本のみ。どこでどんな力が働いたのかはわからないが、ともかくアマゾンJPには本日公開のために尽力してくれたことにお礼を言いたい。

もしこれを読んでいる人の中にまだ番組を見ていない人がいるのなら、黙ってここを去り、じっくり鑑賞してきてほしい。

これは見る価値がある番組だ。この番組を見るためだけに Amazon Prime に入るだけの価値がある番組だ。そして長年のファンにとっては、待つ価値のある番組だった。

車好きの人はもちろん、何か面白いものを探しているすべての大人と子供に、この番組は薦められる。

繰り返す。まだ見ていないのなら、今すぐ見るべきだ。WATCH. THIS. NOW.

やり方は簡単。ここから Amazon Prime に入会し、

ここから視聴する。

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こちらの記事もあわせてどうぞ。

ssayu.hatenablog.com

以下はネタバレ感想。

 

 

また会えてうれしい

感想を書く前にわたしの立場をはっきりさせておこう。

わたしは「トップギア」時代からの三人のファンだ。

そして、車には詳しくない。少なくとも車を見てすぐに車種を当てるような芸当はできない。何しろ「トップギア」を見るまで、わたしの知っていた自動車用語といえば「ハンドル」と「タイヤ」くらいだったのだ。

それが今や「V8エンジン」と聞けば血沸き肉踊り、ポルシェの Doppelkupplungsgetriebe だって何も見ずに書けるくらいまでになった。街中で車とすれ違えば車種をチェックし、珍しい車と出会えばガン見してしまう。海外でダチアと出会ったら「Good News!」と脳内で叫ぶし、フェラーリエンジンの高音域を官能的だとすら感じるようになった。

何よりも車に対してこんなにも愛情と情熱をもって接する人がたくさんいることを知り、わたしもその一部を受け取ることができた。

そう、情熱である。わたしが三人からもらった最大のものはそれだ。好きなものに対する情熱。それを言葉で表現するということ。わたしはそれを彼らから教わった。このブログもわたしにとって、まさにその表現の場所の一つだ。

わたしが「トップギア」を知ったのは2008年のことだった。あれからもう8年。三人もわたしも、それだけ年を重ねた。でも今の彼らだからこそできることがあり、今のわたしだからこそできることもある。

一年半という期間を経て、再び彼らと会えたことがわたしにはとてもうれしい。今の彼らがどんな表情で何を語るのか。何を「面白い」と思い、どんなふうに表現するのか。それをまた感じられることがこんなにもうれしい。

以上からわかるように、わたしははっきり言って信者オブ信者である。三人が楽しそうに車を運転しているだけで幸せを感じるレベルの。

なので客観的かつ冷静な感想などというものはまったく期待してはいけない。ここはわたしという三人の大ファンが、冷静さを失って喜びを叫ぶ場所である。

 

開始2分半でもう泣いて、3分で笑った

旧「トップギア」の終わりを知る人なら、このオープニングは胸にきたのではないだろうか。

雨のロンドン。ビッグ・ベンの鐘が聞こえる。BBCから出てくるジェレミー・クラークソン。その表情は、ロンドンの天気と同じくらい晴れない。ブラックキャブに乗れば、ジェレミーの番組降板を伝えるラジオの声が聞こえてくる。

彼が向かったのは、ヒースロー空港のターミナル5番。向かう先はロサンゼルス。飛び立つブリティッシュエアウェイの機体。

たどり着いたトム・ブラッドレー空港で、ジェレミーはレンタカーを借りる。ブルーにホワイトのストライプの入った、マスタングロケット。空港を出ると、空はきれいに晴れていた。

背後から来る二台の車に気がついて、ジェレミーは笑顔になる。ジェームズが、リチャードが、ジェレミーの車に追いついて、窓ガラスごしにジェレミーを見つめている。二人に笑顔で手を振って、ジェレミーはさらにアクセルを踏み込む。

カリフォルニアの砂漠の中を、三台の車が走っていく。ひょっとしたら見慣れきった光景かもしれない。でも十数年間あたりまえだった光景を、この1年半は見ることができなかった。

三人の行く先を、アメリカ西海岸の明るい陽射しが照らす。ロンドンにはない風景。ロンドンにはなかったものを見にいこう。新しいものを。変わらないメンバーで。

いつのまにか、三人はたくさんの仲間たちに囲まれていた。スーパーカーもいればバギーもいる。これはジェレミーの夢なのか? いや、違う。だってバイクがいるじゃないか。

三人を迎えるたくさんの客と、大きなテント。いつものように燃えているバン。大きな拍手と歌声に包まれて、三人はカリフォルニアの大地に降り立った――

 

無理。もう泣いた。

ひとつのセリフもなく、風景と音楽と三人の表情だけで、この1年半を振り返り、前に進む決意と希望が表現されたオープニングだった。

待っててよかった。

 

【オープニング曲について追記】

「グランドツアー オープニング曲」で検索してくる方が多いので、追記しておこう。

「I Can See Clearly Now」という曲で、ジョニー・ナッシュ作曲。非常にたくさんのカバーが存在するようなので、詳しくはWikipediaをどうぞ。番組で使われたのはホットハウス・フラワーズによるカバー。

I Can See Clearly Now - Wikipedia

 

ついでに、 予告編で使われている曲もかなり好きだ。

www.youtube.com

こちらはKONGOSの「Come with me Now」という曲。プライムミュージックで無料視聴可能。

www.youtube.com

 

あふれるライブ感

新番組の一話目ということで、三人は観客の前で互いを紹介し合った。この流れは「トップギアライブ」式である(わたしが見に行ったのは「クラークソン、ハモンド&メイライブ」だったが、やはりこんな感じで互いを紹介し合っていた)。そんな人がこの文を読んでいるとは思えないが、ともかくこの番組で初めて三人を知った人も安心の展開だ。

このときの三人の輝くような笑顔が! この場に立てたことを本当に喜んでいることが伝わってきて!! また泣いた!!!!!

そしてはじけるジェレミーの下ネタ! これはファミリー番組だからね!! 「トップギア」で英語を学んだような人間は、"pleasure" という単語がエロい意味でしか認識できなくなるからよい子は真似しちゃだめだよ!!

 

このほかでも、全体的に一話目はライブを思わせる演出や間のとり方が多かった。「トップギア」時代も観客を入れてやっていたが、あれよりもずっとライブよりだった。

旧「トップギア」打ち切り後、予定されていた「トップギアライブ」が「CHMライブ」と名前を変えて、予定されていた分だけは行われることが発表されたとき、わたしはひょっとして三人がそろうのはもう最後かもしれないと思い、チケットをすぐに予約した。あの頃はまだ全然先が見えなくて不安だった。でもライブは本当に楽しくて、まだ名前のなかった「新番組」情報もチラ見せしてくれて、行ってよかったと思えた。三人の方も、世界各地でのライブで培った経験が今に活きているのだろうと思う。

 

「一般向け」と「車オタク向け」

こんなペースで書いていては一向に終わらないので先へ行こう。

番組公開前、エグゼクティブプロデューサーのアンディ・ウィルマンはこんなふうに述べていた。

最初の2回の内容に関してはかなり吟味しており、あえてディープな内容にしている。最初、エピソード1は幅広い層に訴求する内容にしようとしたのだが、自分たちの力を信じてみることにした。

海外自動車試乗レポート : コラム: 「The Grand Tour」 By Andy Wilman

 

要するにあえて「車オタク」向けに作った第1話だったわけだ。わたしはどんなディープな内容になるのか、はたしてわたしのようなにわか野郎についていける話なのかとどきどきしていたが、第1話の企画はかなり「いつものトップギア」的だった。というかトップギア」でやり残した企画を第一話に持ってきていた

覚えているだろうか。三人での「トップギア」最後のシリーズとなったS22の5話で、マクラーレンP1、ポルシェ918スパイダー、そしてラ・フェラーリをそろえたにもかかわらず、メーカーからの許可がおりなくて速さを比べることができなかった。

そのときジェレミーはこう言った。

(`゚Д゚) <今回は無理だったがあきらめないぞ。ぜひ実現させようじゃないか

彼らは「グランドツアー」を、この企画の実現から始めたのだ。なんというかっこよさ。

これを実現させるための交渉と段取りがどれだけ大変だったのか、わたしには想像もできない。だがたくさんの人が、番組製作チームだけではなくマクラーレン、ポルシェ、フェラーリの人たちまでが、「グランドツアー」で三人の希望を実現させるために力を尽くしたのだろうということはわかる。これを書くためにさっき「トップギア」22-5を見直したわけだが、ジェレミーが「実現させよう」と言ったあとの「かもーん!」が力強くて、この収録から今日までにかかった時間を思ってまた泣けてきた。

 

ところでわたしはこの企画に対して、特に「車オタク」向けだとは思わなかった。こんな夢の対決が実現するなら誰だって興味津々だろ! と考えて、ふと気がついた。「トップギア」を見る前の自分なら興味を示さなかったかもしれない。というかこの車がそろうことの意味なんて絶対に理解できなかった。

何しろ「ハンドル」と「タイヤ」くらいしか知らなかった視聴者だ。「トップギア」を知って最初に見まくったのは、激安シリーズだった。ポンコツ車が壊れたり、三人が道に迷ったりするのが面白くて見ていたのだ。それからロードトリップを見た。行ったことのない世界を見て、三人の繰り広げるドラマに笑っているうちに、だんだん番組そのものにひかれていった。そして番組のすみずみを食い入るように見るようになった。三人の言っていることを理解したくて、用語も少しずつ覚えた。そして「グランドツアー」の第1話の面白さがわかるくらいにまで、車に関する世界観を広げることができた。いつのまにかわたしは「幅広い層」の側ではなくなっていたのだ。

こんなファンばかりではないことはわたしにもわかる。「トップギア」は取り立てて車に興味のない、かつてのわたしのような人にとっても「面白い」番組で、だからこそここまでファンを増やしたのだ。彼らもそれはわかっているはず。

でもあえて、第1話は「車オタク」と、それからわたしのような「従来のファン」のために作られていた。これはきっと彼らの意思表示なのだろう。1年半待ったファンのために第1話を捧げること。これからも自分たちは「CAR SHOW」を作り続けること。自分たちの「CAR SHOW」が面白いと自信をもっていること。それが本当に頼もしい。

 

ゲストとか

さて「グランドツアー」にゲストコーナーがあるのかどうか、わたしは知らなかった。

それだけに、ジェレミーが「ジェレミー・レナー」の名前を呼んだときは信じられない気持ちでいっぱいだった。ジェレミー・レナーといえば、わたしにとっては「ホークアイ」ことクリント・バートンだ。「ミッション・インポシブル」のブラントくんも印象深い。彼が「グランドツアー」の第1話にゲスト出演するなんて!!

しかし彼はテントに入る前に死んでしまった。ポカーン。

続けて呼ばれたアーミー・ハマーの名前にも驚いた。アーミー・ハマーといえば、わたしにとってはイリヤ・クリヤキンだ。「U. N. C. L. E.」はちょうど「CHMライブ」を見に行ったときの飛行機の中で見て、結局DVDまで買ってしまったほどだ。その彼が「グランドツアー」の第1話にry

しかし彼はry

さらにもう一人ry

 

これは豪華ゲストが死にまくるコーナーになるのだろうか。なんという無駄遣いwwww

第2話もこれなら本物だ…。

 

さて、このほかにもスティグにかわる "The American" とか、新コースとか、ベン・コリンズは出ないのかとか、いろいろ気になる部分はあるが、長くなってきたのでこのへんの話は次回以降に持ち越そう。

現在彼らはパブで番組公開祝いをやっているようだ。

 

「若いスタッフが多いね!」というファンからのコメントに、

(`゚Д゚) <若いんじゃない、子供なんだ

というジェレミーの返事。そうだね君たちもボーイズだね。

 

自分の分くらい自分で払えwwwwwww

 

ジェレミーはやはりロゼ。ジェームズはエール。リチャードはジントニック

三人もスタッフも今日はしっかりお祝いして、残りの撮影のための英気を養ってほしい。

これから12週間、こんなに楽しい時間が過ごせると思うと、楽しみでならない。新しい世界に旅立った三人を、これからも追いかけようと思う。

 

 

↓↓ 第一話収録時の記事。今読むとまた面白い。USA! USA! のシーン、結局削除してないし!

ssayu.hatenablog.com

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