This week #TheGrandTour takes a traditional gentleman’s tour of Italy, and Hammond joins too. Stream episode 3 this Friday on Prime Video. pic.twitter.com/b63pjnwZub
— The Grand Tour (@thegrandtour) 2016年11月29日
「グランドツアー」第3話公開! 収録場所はイギリスのウィットビー。
今回はまさに「グランドツアー」な旅だった。
イギリスにおける本来の意味での「グランドツアー」、つまり17~19世紀頃までの、裕福な家の若者による個人的修学旅行である。音楽や演劇、絵画や彫刻に触れ、洗練されたマナーを身につけ、自らも詩作に励み絵筆をとる。そうして若者は教養ある大人になっていくのである。今回三人はそんなテーマのもとに、本来の「グランドツアー」でも人気だったイタリアに飛んだ。
またそんな「グランドツアー」でジェレミーが選んだ車は、アストンマーティンDB11、つまりアストンマーティンGTの最新モデル。グランドツアーのイタリア語読みが「グランツーリスモ」だから、ここでも「GT」と「イタリア」がかかっているというわけだ。
以下はネタバレ感想。
登場車
ジェレミー→アストンマーティンDB11
ダッジの場違い感がやばい。
いやダッジかっこいいけれども! あの爆音は正直言って痺れるけれども! この並びの中に入ってこられると二度見してしまう!
というわけで、今回はイギリス貴族風のジェレミー&ジェームズ組と、アメリカンボーイ風のリチャードの対立で話が進んでいく。
一方でジェレミーのアストンを「ブラウン」とからかうことにかけてはジェームズ&リチャードがタッグを組む。これについては収録当時、こんな記事をまとめたので合わせてお読みいただきたい。
ブラウンオレンジ戦争「Grand Tour」近況 - なぜ面白いのか
美しきロケ風景
今回はイタリアの美しい風景をたっぷり見ることができた。初夏のトスカーナ地方の草原は、空気の匂いまで伝わってきそうだった。フィレンツェやヴェニスなどの古都は、街並みも美しかった。
Venice. An angle you may not have seen before. The Grand Tour rolls on. pic.twitter.com/3IqHSLauiO
— Jeremy Clarkson (@JeremyClarkson) 2016年7月7日
ヴェローナでジェレミーとジェームズが入ったレストランの動画。Casa Perbellini というお店らしい。本編で映ったのは一瞬だったが、この動画を見るとものすごく凝った料理である。ヴェローナを訪れたら、アレーナ・ディ・ヴェローナでオペラを見て、このお店で食事をしてみたい。しかしほんと、ジェームズって自分でも言っているとおり「何を着ても台無しにしてしまう」才能の持ち主だが、礼服は本当に似合うな! 同じ頃、リチャードはマクドナルドにでもいたのだろうか。それともヤヤム・アベレンダでも食べていたのだろうか。
------(170129追記)-------------
見直していてようやく気付いたのだが、「カルメン Carmen」を見に行ったのは「Car-Men」の駄洒落だったと思われる。こういうネタが一発でわかるようになりたいものである。
------(追記ここまで)-----------
ウフィッツィ美術館はわたしのお気に入り作品だけでも「ガンスリンガーガール」、「ハンニバル(ドラマ)」の聖地だが、とうとう「グランドツアー」の聖地にもなってしまった。ぜひいつか行ってみたい。というか「トップギア」時代も含めると、三人に関する聖地は多すぎて、大体どの国に行っても「この風景トップギアで見たことある」と感じてしまう。
また港町ウィットビーの風景もとてもきれいだった。カリフォルニア、ヨハネスブルクと砂漠の背景が続いた後の港町だったため、余計に。
The morning view. pic.twitter.com/GkkCnf9jTU
— The Grand Tour (@thegrandtour) 2016年10月14日
初めての雨の風景にも風情を感じる。
SNSで人を動かす
今回、ジェレミーはリチャード(とダッジ)を置いていくためにtwitterを使った策を披露した。それがこれである。
People of Italy. James, Richard and I will be filming in the piazza Dei Signori in Vicenza tomorrow at 3pm. Come along
— Jeremy Clarkson (@JeremyClarkson) 2016年7月6日
Vicentini. Richard Hammond esibira' se stesso oggi in Piazza Dei Signori a Vicenza verso 4pm
— Jeremy Clarkson (@JeremyClarkson) 2016年7月7日
(`゚Д゚) <イタリアのみんな、リチャードがヴィチェンツァに来るよー
(このイタリア語はめちゃくちゃらしく、かなりつっこまれている)
その結果どうなったかは本編のとおり。
思うのだが、ジェレミーはこのシリーズ1を通して非常に実験的なことをやっている。BBCから離れた彼は、現在の、そしてこれからの新しい「番組作り」、もっと言えば「エンターテイメント」のあり方についてずいぶん勉強したらしい。アマゾンとの契約も、その先の番組作りも、その勉強で得られた結論なのだろう。
メディアのデマをそのまま番宣にしてしまったブラウン・オレンジ戦争といい、三人と彼らのバックについているメディアコントロールの担当者は相当有能である。
「新番組が成功するかどうかは、twitterでどれだけ話題になるかにかかっている」と以前ジェレミーは話していた。三人や公式アカウントがtwitterやfbを重視し、情報を流しているのはかなり意図的なのだろう。
人をどうやって動かすか。人の感情をどうやって動かすか。SNSはどこまでそれができるのか。三人はまさに今、その実験をやっている。そこで得られた知見が、次なる番組作りに活かされるのだろう(アマゾンさんがデータをとってないわけがない)。
お家はバラバラ
第1回放送でジェレミーが家を壊す賭けの話を持ち出したとき、ファンの頭をよぎったのは一つのニュースの記憶であろう。
9月、ジェレミーが自宅を吹っ飛ばして隣人が大迷惑というニュースである。隣家があれだけ離れているのなら、そんなに気にしなくてもと思ったのだが、よく読むと爆破時に近所で葬式をやっていたらしい。迷惑だな! 一方で別の住人は「クラークソンにはよくあること typical Clarkson」とコメントしている。よく訓練された隣人である。
And now, this has happened. pic.twitter.com/VGIRFEcp6X
— Jeremy Clarkson (@JeremyClarkson) 2015年3月20日
これは旧「トップギア」打ち切り直後のツイートなのだが、このときから取り壊しは決まっていたのだろうか?
しかし今回のエピソードではジェレミーがカンバセーションストリートでハイヒールをはいていたり、ジェームズの呪いの人形(リベンジブードゥードール)やらリチャードの写真集やらを隠し持っていることになっており、前回のエピソードと合わせて公式はジェレミーをどうしたいのかと問い詰めたい。やっぱりすにふ氏、まだジェレミーに怒ってる説
I am beyond proud. pic.twitter.com/K1JcIaNP9I
— Richard Hammond (@RichardHammond) 2016年4月5日
この写真↑がアルバムにあったときは噴いたぞ。
イタリアとウィットビーでの収録の様子はこちらにまとめてあるので、あわせてどうぞ。
新 Top Gear と The Grand Tour に新展開 - なぜ面白いのか
ブラウンオレンジ戦争「Grand Tour」近況 - なぜ面白いのか