なぜ面白いのか

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集結するヴァリリア鋼「ゲームオブスローンズ」S7E4まとめ

7-4を見終えて動悸がおさまらないので今回判明したことをまとめて書く。

ここはネタバレありの場ゆえ、未視聴の方はすみやかに去られたし。すぽいらーあらーと、すぽいらーあらーと。

 

 

 

 

ヴァリリア鋼が北に集結

ホワイトウォーカ―を滅ぼせる武器は二つ。一つがドラゴングラス、もう一つがヴァリリア鋼。

このうちドラゴングラスについては、現在ジョンがドラゴンストーンで掘削中。

今回焦点が当たったのはもう一つ、ヴァリリア鋼の武器である。このヴァリリア鋼、あの世界ではオーパーツ的存在で、精製法は失われてしまっている。ただし既に精製されたものを鋳造しなおすことは可能という設定。

 

ドラマの中で所在が判明しているヴァリリア鋼の武器は、

1. ロングクロウ(ジオー・モーモント→ジョン・スノウ)

2. オウスキーパー(ジェイミー・ラニスター→ブライエニー)

3. ウィドウズウェイル(ジョフリー・バラシオン→ジェイミー・ラニスター)

4. ハーツベイン(ターリー家→サミュエル・ターリー)

5. 短剣(ピーター・ベイリッシュ)

今のところこの5つ(170817修正版)。これらがスターク家に集結しつつある。

まずはロングクロウがジョン・スノウのものに。オウスキーパーを持つブライエニーもウィンターフェルにいる(オウスキーパーとウィドウズウェイルは、もともとネッド・スタークの長剣アイスを、タイウィン・ラニスターの指示で二つに分けて鋳造しなおしたもの)。

今回久しぶりに出てきたのが、かつてブランの命を狙った短剣。

もともとジョフリーのものだった短剣をピーター・ベイリッシュが譲り受ける(賭けの賞品だったかな?)

→ピーター、暗殺者に短剣を渡してブランを襲わせる

→キャトリンが体を張って暗殺を止め、短剣を持ってキングスランディングへ
 (ピーターとキャトリンの再会のきっかけに)

→ピーター「この短剣はティリオン・ラニスターのものですね(大嘘)」

ラニスター家がジョン・アリンを暗殺し、ブランの暗殺も企んでいると誤解したキャトリン(本当は主犯ピーター、実行犯ライサ)、北へ戻る(そして五王の戦いに至り、ロブもキャトリンも死ぬ)

→短剣はキングスランディングにいるネッド・スタークが預かる

→ピーターの裏切りでネッドは処刑

→短剣はピーターのもとに戻る

 

こういういきさつを経て、ピーターはあの短剣を持っていたことになる。キングスランディングを脱出するときも、アイリーを出るときも、バトルオブバスターズに駆けつけたときも、それからウィンターフェルに滞在している間もずっと。

あの短剣はピーターにとって、トロフィーでもあり楔でもある。唯一愛した女性を奪った男を殺し、同時に唯一愛した女性に死をもたらしたもの。そのことを思い出させる記念品でもあり、証拠品でもある。

それをここにきてブランに渡すとは。短剣はブランからさらにアリアに渡った。アリアの手に渡ることを、ピーターはある程度見通していたと思われる。ブランが持っていても戦えないからだ。

これでジョンはロングクロウ、サンサはオウスキーパー(ブライエニーはサンサの刃ってことで)、アリアは短剣を持つこととなった。ホワイトウォーカーを迎え撃つにあたり、パーティに最強装備を揃える段階になってきた感がある。

 

リトルフィンガーはどこまで知っていたか

問題は、ピーターはどこまでその事態を想定していたかという点だ。

ヴァリリア鋼がホワイトウォーカーに対抗するための切り札になることを知っているのは百歩譲ってアリにしよう(メイスターでさえ知らなかったみたいなのに……)(まだ知っているとも限らないのだが、ここで出してきたからにはそういう意味だと思われる)。

単に大事な短剣だから、貴重なものだからという理由でピーターはそれをずっと身につけており、必要そうな事態が来たのを見てそれを譲ることにしたのだろうか?

本当に? あの人が?

もっとずっと前からそれを想定してたりしなかった? S1の頃からとか?

あやしいいいいいいいいいいいもおおおおおおおおお本当にあやしいいいいいいいい!!!!! 

なんかもうここまでくると、タイウィンの死を予言した(「トイレで死ぬ人もいる」云々の話)のも偶然ではなく本当に予言だったんじゃないのという気もしてくる。

 

でもどうやらピーターも何でも見通せるわけではないことも判明した。ブランに言われた "Chaos is a ladder" は、完全に不意打ちだったように見えた(あの長い震えるような瞬きの美しさにこっちが震える)。あれはS3でヴァリスに語ったピーターの野望、というかピーターの世界観そのものである。知るのはヴァリスだけのはず。

あの反応からして、ブランの能力をピーターは知らなった。サンサにどこまで聞いているのだろうか。自分がしてきたことをブランがすべて知っている可能性があると、ピーターは気づいただろうか?

先週わたしはこんなふうに書いた。

リトルフィンガーはブランの能力を知ったら消そうとする気がする。でもブランは、リトルフィンガーがそういう人だということまで見えているはず。過去も未来も一度に見えるという彼なら、リトルフィンガーがこれからさらに何か果たすべき役割を持つのが見えたら、過去の行いについては黙っているという可能性もある。

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ブランは黙っていた。現在ブランは過去と未来のすべてを見通せるわけではなく、過去と未来のすべてが書かれた本を閲覧することができる状態らしい(メイキングより)。ピーターの行いをどこまで知った上で黙っているのかはまだ不明だが、ともかく黙っていることを選んだらしい。

その後の描写を見るに、ピーターは特にブランの能力を恐れたり焦ったりする様子はない。ピーターはピーターで、あれだけのやりとりからどこまでブランの能力を知っただろうか。このへんは、S7のうちに語ってくれることを期待したいところ。S8まで引っ張ったら暴動だぞ。

 

もう一つのナイフ

あとさらっと語られた部分がめちゃくちゃ気になったのだが、ピーターはキャトリンを刺したナイフも持っているらしい。キャトリンを刺したナイフってフレイ家のどなたかのものだよね? 

いつ??? どうやって??? 手に入れたの???? ピーターってレッドウェディング後に双子城に行く機会あったっけ?(見直す必要がある)

そして何をどう言って譲ってもらったの???

ピーター「私の唯一愛した女性を刺した凶器を譲っていただけませんか」
フレイ君「おk」

こうはならないだろう! 喧嘩売ってんのかって話だ。

 

千歩譲ってうまいこと言ってナイフをもらえたとしよう。

好きだった女性の命を奪った凶器をずっと持ち歩いてるってどういう精神???

それってピーターにとって「凶器」というより「トロフィー」なのでは?自分を裏切った人たちへの復讐はここまで来た、という意味のトロフィー。

やはりピーターにとってキャトリンは、唯一愛した女性であると同時に自分を裏切った許せない相手でもあるのでは。ジョン・アリン暗殺から五王の戦いまでは、すべてピーターの計画通りだったはず。二本の短剣はそれを象徴する記念品として彼の手元にあったのでは。

 

先日ピーターは墜落死するのが物語的に美しい気がすると書いたが、これらのどちらかのナイフで刺されて死ぬのも美しい。見たい。そっちのナイフが今後出てくることはあるだろうか。

 

 

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