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エイダン・ギレン主演「プロジェクトブルーブック」がヒストリーチャンネルの歴史を塗り替える

アメリカのヒストリーチャンネルで、いよいよ新番組「プロジェクトブルーブック」が始まった。

「プロジェクトブルーブック」は、1947年~1969年にアメリカ空軍で実際に行われていたUFO研究のコードネーム。

ドラマの舞台は1950年代。実際にこのプロジェクトに民間人の立場から協力していた宇宙物理学者J・アレン・ハイネック博士を主人公に、UFOの調査、軍との軋轢、政府の陰謀、謎のロシアスパイの暗躍などが描かれる。予告などからうかがえるのは、SF仕立ての歴史サスペンスという雰囲気だ。何よりも史実に基づいた脚本というところが面白い。

そして主人公、天才物理学者ハイネック博士を演じるのは、「ゲームオブスローンズ」でリトルフィンガーことピーター・ベイリッシュを演じたエイダン・ギレン。最近だと「ボヘミアンラプソディ」でジョン・リード役をやったため、日本ではこちらで知っている人が多いかもしれない。

 

さて「5分でわかるブルーブック1話」動画をヒストリーチャンネルさんが英語字幕つきで公開してくれている。

www.youtube.com

この映像美よ……。製作総指揮にロバート・ゼメキス御大(言わずと知れた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ」の監督である)を擁しているだけのことはある。

 

このドラマ、なんと第一話の視聴者数が350万人だったらしい。2018/2019シーズンのケーブルテレビ新ドラマで堂々一位の視聴者数。

deadline.com

ヒストリーチャンネルではここ6年で最も視聴者数の多かったドラマになったらしい。エイダン・ギレンヒストリーチャンネルの歴史を塗り替えた……!

ちなみにこれまでにこのブログで扱ったアメリカケーブルテレビドラマの中だと、「ゲームオブスローンズ」1話の視聴者数が220万人、「ベイツモーテル」1話が304万人、「TRUE DETECTIVE」1話が233万人、「ファーゴ」1話が265万人というから、どれだけこの数字がとんでもないかわかると思う。

確かにこのブログでも半年前から楽しみにしてウキウキと記事をあげていたが、まさかここまでのことになるとは思っていなかった。第一話の盛り上がりがすさまじく、アメリカのTwitterで #ProjectBlueBook タグがトレンド入りしたのは記憶に新しい。

 

ところが!

このような話題のドラマが、日本のメディアには総スルーである。いや、どこかでは話題になっているのかもしれないが、2019年1月16日現在、「ドラマ プロジェクトブルーブック」でぐぐった結果がこれである。

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おっ記事あがってるじゃん! って、うちのブログだよ!!

番組放送から1週間待ってみたのにこの体たらく。日本の各種メディアは猛省してほしい。

仕方ないので今からブルーブック関連の英語記事をまとめておく。あとで自分で読み返す用である。

 

 

 

放送前の報道

 

www.goodmorningamerica.com

www.hotpress.com

 

www.youtube.comインタビューで自分の死亡シーンを見せられるエイダン・ギレン「朝9時からこれを見ることになるとは思ってなかった」

そして朝9時から処刑シーンが流れるアメリカのお茶の間よ。

 

smartentertainmentgroup.com

www.youtube.comマラーキーさんがプライベートでアイルランドのギレンさんのところまで会いに行ったことがうかがえるインタビュー。ちなみにギレンさんによれば、アイルランドのおすすめ観光地はディングル半島とのこと。

 

www.etonline.com

https://www.syfy.com/syfywire/tour-the-very-intricately-designed-1950s-set-of-project-blue-book

(ブルーブック撮影スタジオ案内&公式ポッドキャストが始動!)

 

www.foxnews.com(リンク先インタビュー動画あり。「『ゲームオブスローンズ』のことは今も毎日話をするけど、今の僕はハイネックなんだ」と語るギレンさん)

 

 

www.youtube.com(「ボヘミアンラプソディ」のゴールデングローブ賞受賞について語るギレンさん)

 

(ギレンさんが「ゲームオブスローンズ」スタジオから持ち帰ったものは、マネシツグミのピンだけではなかった!)

 

これでもかなり絞ったが、2019年に入って以降の怒涛の雰囲気を感じてもらえただろうか。ヒストリーチャンネルのガチの番宣っぷりがうかがえる。エイダン・ギレンが新年から働きすぎで、皆が心配していた。

 

なお2018年の年末にはニューヨークで、年明けには日本でも、空にふしぎな光が飛んでいく様子がニュースになった。「ブルーブック」のバイラルメディアマーケティング……ではなかったらしい。しかし番組にとっていろいろと追い風になったことは確かである。ヒットには運も必要だ。

 

放送後

この TONIGHT の文字を見たときの興奮が忘れられない。ずっと楽しみにしていた日が今日だ! と思えて嬉しかった。

 

このシーンを見て、ハイネック博士の野心が少し理解できた。ガリレオケプラーのような彼にとってのヒーローがなしえなかったことを、自分がやれるかもしれないという夢。それがUFO研究への情熱の動力だったのかもしれない。

 

息子くんの漫画を間違えて持ってきてしまう博士。

 

ミミ・ハイネックとスージー(謎のスパイ?)が美しすぎる。

史実まとめのコーナー。

 

deadline.com

tbivision.com(ここにきてロバート・ゼメキスのインタビューである)

 

https://www.syfy.com/syfywire/project-blue-book-official-podcast-episode-1-the-series-executive-producers

(公式ポッドキャスト。監督と脚本家がキャスティングや1話の内容について語っている)

 

www.hotpress.com

 

www.c21media.netエイダン・ギレン、マイケル・マラーキー、ローラ・メネルのインタビュー動画)

 

meaww.com

www.youtube.comエイダン・ギレンとマイケル・マラーキーのインタビュー動画)

 

役作りを頑張るマラーキーさん。

 

 

www.thrillist.com(このインタビュー、ギレンさんのお人柄がうかがえて本当に素晴らしいのでそのうち訳したい)

 

そしてネイチャー誌まで巻き込んだ高度なバイラルメディアマーケティングが(ない)。

 

www.youtube.comエイダン・ギレン「(UFOを見たとき)さらわれてみたかったな」

マイケル・マラーキー「僕があなたをさらっていきますよ」

という発言で話題になったインタビュー動画。

 

nerdist.com「ゲームオブスローンズ」S8の展開についてのエイダン・ギレンインタビュー動画。

ダヴォスがサメに食われるのが見たいギレンさん。

 

放送中には公式ツイッター以外に出演者や脚本家たちも実況している。特にマイケル・マラーキーが小出しにする舞台裏情報が楽しい。

これはこのシーンのことである。 全パターン見たい!!!

クイン「この書類を読んでおいてください」
ハイネック「もう読んだし全部覚えたよ」
クイン「……あなたは宇宙人じゃないですよね?」
ハイネック「さあ……もしかしたら僕も宇宙人かもね」

というやりとり。「宇宙人かもね」の博士が最高にキュート。

 

2話!

 

collider.comこのインタビューもすごくよかった。S2以降についても示唆されている。

 

撮影現場でマラーキーさんが撮ったギレンさんの写真。

 

陰謀が動きだす……?

 

 

www.nytimes.com

https://www.syfy.com/syfywire/project-blue-book-official-podcast-episode-2-michael-malarkey?__source=Blastr_True_Anthem_Blastr_Twitter&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_content=5c3f123f04d3016f6ae33d21&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter

(公式ポッドキャスト。マラーキーさん、監督さん、脚本家さんを呼んで、1話について語っている。「ハイネックとクイン、二人合わせてハイネクイン」と楽しそうなマラーキーさんの様子が聴ける)

 

3話予告!

 

 

まとめるだけで手いっぱいで全部にコメントできなかったが、ここ数週間のエイダン・ギレン界隈におけるお祭り騒ぎがおわかりいただけただろうか。

こんな辺境の個人ブログではなくもうちょっとまともなメディアがまともな記事を書いてくれるのをとにかく期待している。

そして何よりも、日本のストリーミングサービスに一日も早く配信をお願いしたい。きっと日本でも人気が出ると思うんだ!!! SFに飢えた日本人に良質なドラマを届けてあげてください!!!!

 

ssayu.hatenablog.com