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エイダン・ギレンが語る「プロジェクトブルーブック」の魅力(インタビュー訳)

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UKとオーストラリアでも放送が始まったプロジェクトブルーブック。

↑のはオーストラリア版のトレイラー。

今日は放送開始前のエイダン・ギレンのインタビューを訳してみる。

ドラマの見どころ、ハイネック博士の魅力、共演のマイケル・マラーキーについて熱く語ってくれている良記事。ネタバレなし。

元記事はこちら。ハイネックの画像がたくさんあるし、ぜひアクセス数アップに貢献してあげてほしい(アクセス数が多いとまたインタビューしてくれるかもしれないし!)。

collider.com

2019年1月15日公開

媒体:Collider

執筆:Christina Radish

 

いつもどおり正確さは宇宙人に攫われてしまったので、適当意訳でお送りします。

(  )は原文通り、[ ] は訳注。

 

 

 

ロバート・ゼメキスをエグゼクティブプロデューサーとする、ヒストリーチャンネルによる全10話のドラマシリーズ「プロジェクトブルーブック」。実話に基づいた、UFOその他、説明のつかない現象の極秘調査がテーマの番組である。

このプロジェクトはアメリカ空軍によって1952年から1969年まで行われ、大学教授のJ・アレン・ハイネック博士(エイダン・ギレン)が何千という事件の調査のリーダーに抜擢された。ドラマでは、UFOに関する学説と実際に起こった出来事をブレンドした事件が展開される。

ハイネック博士と彼の仕事上のパートナー、マイケル・クイン大尉(マイケル・マラーキー)は、科学と未知のものへの探求に没入していくことになるのである。

 

今回、Collider による電話での直接インタビューで、エイダン・ギレン(ゲームオブスローンズ)は「プロジェクトブルーブック」の主題に感じる魅力、あるキャラクターを自分が演じたいかどうかをどれだけ早く判断できるか、ハイネックの息子たちと会ったこと、彼の考えるハイネックのいいところ、クインとハイネックのパートナー関係、宇宙にほかの生命がいる可能性、実際に起こった事件を知っていちばん驚いたこと、それからこのキャラクターの生き方と成したことを追及し続けたいという希望について語ってくれた。

 

このシリーズは面白い主題を掲げていますよね。「プロジェクトブルーブック」が目の前に現れたとき、すぐに興味をそそられましたか? それともこれがどういう作品で、素材がどんなふうに扱われるかもっと詳しく知る必要があると思いましたか?

えっとね、僕はこのテーマと時代については十分慣れているし、すごく魅力的だと思ったよ。責任者と話して彼らの考えを知りたいと思ったし、この脚本は撮影される予定があるのかどうか確かめたくなった。話をした甲斐はあったよ、なにしろ状況も変わったしね[ゲームオブスローンズの撮影が終わったこと?]

だいたいにおいて、僕はこういうことについてかなり直感的なんだ。一度何かを音読すると、そこで仕事をすることになるかどうか、自分がそれをすべき人間かどうか、正しい考えが浮かんでくる。

ハイネック博士はまさに僕が求めていた、温かくてポジティブなキャラクターだったよ。クールでシニカルで、謀略に長けたキャラクターとは正反対だね。

いろいろなインタビューで、仕事にあたって自分がその役をするのが "right" であることをとても重視しているギレンさん。それはどうやら若い頃に出会った監督さんの影響らしいのだが、それはまた別記事を訳すときにでも。

 

 

みんなを操ろうとしない、みんなの死について負うところのないキャラクターを演じていると、家に帰ってから気持ちよく過ごせるようになったりしますか?

そうだね。でも翌日のセリフ量次第かな。翌日のための予習が多すぎる夜もあったから。それって最高だよね。

この番組の仕事の密度は、これまで携わったほかの番組以上だった。だからほとんど常に、頭の一画に番組のことを考えるスペースが必要だった。

きみの言うとおり、毎晩悪夢をみなくていいなら仕事は楽になるよね。

別のインタビューでも読んだが、サイコパスの殺人鬼役をやったときは毎晩悪夢にうなされたとか。役者さんって大変……。

 

 

「ゲームオブスローンズ」のように数年携わった番組から離れて別のシリーズと契約、あるいは別の番組について考えるようなことをするにあたって、時間はかかりましたか? このストーリーを語り、このキャラクターを演じるには数年かかるかもしれませんが?

意識的に休憩をはさむということはないね。正しいもの、もしくは正しそうに見えるものが現れたときが働きどきだから。たとえ全然休みがなかろうと、2か月後だろうと、それが正しいことならやるまでだよ。そうでなければやらない。

「ゲームオブスローンズ」での僕の仕事量はそれほど強烈じゃなかった。出たり出なかったりだったでしょ。もちろん日々を過ごしながらわずかな瞬間を見出すのは強烈なものだったけど、オフの時間も長かった。

僕はずっと「ゲームオブスローンズ」の現場にいるのではなくて、ほかのプロジェクトにもできるだけたくさん携わるようにしてたよ。僕にはその方が楽だし、いい仕事がやりやすいと思ってたしね。

もし僕がかけだしでオファーが押し寄せるってわけじゃなかったら、仕事と仕事の間に文字通り無駄になる時間がたくさんあっただろうね。今の僕にはもう少しいろんな選択肢がある。

 

 

あなたはこの番組をサイエンスフィクションではなくサイエンスファクトと呼んでいますよね。すごく面白いと思います。この番組は非常に重厚かつリアルに作られていて、型にはまった感じがありません。最初の脚本を読んだときからそうだったんですか? このテーマを重厚に描くというのは、あなたのところに話が持ち込まれたときから一貫していましたか?

うん、でも重厚すぎるとは思わなかったな。最初は、実際に行われた調査に基づいているということと、登場人物が実際に存在していたということろに惹かれたの。

ロバート・ゼメキスの会社がついているということも、多少後押しになった。彼がこのジャンルで築いたものと彼のストーリーテラーとしての能力に対しては信頼していいと知っていたからね。

きっと楽しいポップなエンターテイメントになるだろうと思ったよ。もっとシリアスな側面を入れたとしてもね。ポップなものとシリアスなものを混ぜたかったんだ。味わいが出るでしょ?

それにたくさんの実力ある人たちが集まってた。いわゆるプロダクションデザイン、アートディレクション、撮影技術、衣装、その他みんな素晴らしかった。本当によく世話してもらったし、楽しかった。

僕は個人的に1950年代のサイエンスフィクションなりサイエンスファクトなりが大好物なんだ。ほかのみんなと同じようにね。そのことがクオリティを保つことにつながったよ。好きなことに携わっているわけだからね。

 

 

このドラマのプロダクションデザインは本当に美しいですよね。衣装はもちろん、視覚効果すべてがよくできています。

うん、おかげで仕事がやりやすくなったよ。ハイネックの家、オフィス、それにブルーブック本部のセットは完璧に再現されてた。文字通りタイムカプセルの中に入っていく感じ。それって演じる側にも大きな影響があるんだよ。

 

 

以前ハイネックの息子たちと話したと言っていましたよね。どんな感じでしたか? 彼らから聞いたことが役作りに直接影響したりしましたか?

ああ、僕は彼の息子のうちふたり、ポールとジョーに会った。本当に助けになったよ。

これについて取り組み始めて脚本を読んだとき、最初に思ったのは、この人は本当に自分の父親にしたいような人なんだってことなんだ。

彼が実際に良い父親だったのか知る人に事実を確かめるときは大きな希望をかけていた。そしてやっぱりそれは事実だった。彼らは僕たちに家族写真とか、他人が触れていないものをいくつか見せてくれた。それがものすごく役立ったよ。

「お父さんはどんなトーストが好きだった?」みたいな質問責めにしたわけじゃない。 カジュアルな形で、とても意義深い会話を何度かした。ほかの役者も何人か同じ経験をしたそうだよ。

そういうわけで、すごく助けになったけどやりすぎにはなってないよ。

 

 

一連の話の中で、ハイネックについていちばん面白いと感じるようになったのはどこですか? ハイネックのいちばんいいところは何だと考えるようになりましたか?

思いやりの心と決断力、一貫性だね。

僕は彼のことを、みんなが頭がおかしいと考えるような現象を調査した科学者として真剣に捉えている。彼は厳格な、理論に基づいた科学者で、同時に偏見のない人だったからそんなことができたんだよ。

いつも僕の胸を打つのは、彼の思いやりと決断力、それに彼のレポートに登場する人々への温かさと共感なんだ。

 

 

彼が真実を暴こうとしても、彼の上司たちが起こったことを隠蔽したがりましたよね。事件に携わる唯一の民間人という立場は、彼にとってどんなものだったのでしょうか。

本物のハイネックはそれを不満がっていたし、そのせいで最終的に空軍での仕事を終わりに導くことになった。でも彼はそのシステムの中にとどまったんだ。そうすれば彼は調査資料に手が届くからね。

きっとそこは彼にとって最もふさわしい場所だったんだけど、最後には不満がたまってしまった。彼がすごく興味をひかれる事件や調査になると、上司がやってきてそれを覆い隠そうとするんだよ。そのせいで彼は事件にもっと興味をひかれるようになるし、信頼できる目撃情報を見つけるようになるんだけどね。説明のつかない事件がすごくたくさんあったってことだよ。

この言葉はS1最終回をふまえるとニヤニヤしてしまう。

 

こんな状況でなければ一緒に働いたりしなかっただろうし友達にもなりそうにないふたりが、パートナーになっていくのを見るのは面白いですね。あなたはそのあたりをどれくらい楽しみましたか? S1を通して二人の関係はどれくらい進展するのでしょうか?

進展し続けることになるよ。このふたりはお互いに頑固なほどの敬意を持ち合っていて、その敬意も次第に大きくなっていくんだ。お互い、自分の望む仕事はもうひとりがいないとできないことだしね。そういう類いのパートナーシップって典型的なペアリングだよね。そうなるようにできてるんだ。もちろん言葉のあやだけど、そういうふたりがうまくいくには理由があるってこと。

それにマイケル(・マラーキー)は本当に熱心な役者でね。彼のクインの演技はすごいと思うよ。だから現場に彼がいるのが嬉しかったし、彼と一緒に現場にいるのが嬉しかった。僕も彼のために同じことができていたらいいんだけど。彼の仕事への態度には感心するばかりだよ。僕も負けないくらい一生懸命やったけど、彼は難しいことをたくさんこなしてた。

ギレンさんは基本的に共演者やスタッフを褒める人だけど、こんなふうに熱く語るのは初めて見たので衝撃だった。ハイネクインはもはや公式パートナーだが、中のふたりもがっつり仲がよさそうなのはふたりでのインタビューの様子からもうかがえる。

 

 

宇宙にほかの生命がいる可能性について、この仕事以前に興味を持ったことがありましたか? それともこの番組にかかわった結果、こういう状況に飛び込んだ感じですか?

たくさん考えたことだったよ。だって考えてみるとすぐにわかるんじゃないかな。無限の宇宙に生命体は僕たちだけっていうのはありえなさそうだって、僕には思えるんだ。なさそうでしょ。

ハイネックやカール・セーガンアメリカの天文学者]と同じく僕も、星と星の間の距離や光の速さに限りがあることなどはわかってる。訪問者が来るかどうかはわからない。でもコミュニケーションはもう時間の問題かもしれないよ。

ギレンさんはブルーブック発表以来何度か似たような質問をされているが、一貫してこの答えである。

宇宙人はこの宇宙のどこかにいると思うけど、地球にまで来ているかどうかはわからないという感じ。

 

 

このストーリーは実話に基づいているがゆえに、あの意外な展開を見ているといかに事実は小説より奇なるかを思わされます。あなたにとっていちばん驚きだったことは何ですか?

驚くべきは、いかにみんなが自分の語ったことに執着するかということだね。どれだけ絵空事っぽく聞こえようが、自分が馬鹿っぽく見えようが関係ないんだ。

彼らの多くは注意をひきたくてやってるわけじゃない。もちろん中には注意をひきたい嘘つきもいたかもしれない。

商業パイロットや軍人パイロット、航空交通管制官たちが同じことを報告してるんだよ。相当気が進まない感じでね。だからもしそういう立場に自分を置くとしたら、そして自分の語ることに残りの人生をかけて固執するとしたら、そこには何かあるに違いないんだ。僕にはそれがなんなのかはわからない。でもそこに心ひかれるよね。

 

 

史実の「プロジェクトブルーブック」は何年も継続されました。ドラマS1ではまだほんの表層を削ったにすぎません。あなたにとってハイネック博士は、もう少し演じてみたいキャラクターですか? 彼にはさらにもっと追及すべき ところがあると思いますか?

そう思いたいね。確かにそういう計画は最初からあったよ。

僕は、アクションやプロットやストーリーを動かすこと以外の瞬間の余地を見出したいと常々思ってる。これはエピソード重視のドラマだってことはわかってるよ。毎週何かが起こる話なんだからね。時には二週にまたがるエピソードもある。でもその上にさらに大きなアーチを描くストーリーもあるんだ。僕はいつも、みんながストーリーを押し進めていないときに何をしているかを知るのが好き。

ハイネックとともにストーリーをなぞって彼と一緒に何が起こるのかを知り、一方で彼のそばで起こっていることを知る。そういう計画もあるんだよ、うん。

日常描写が好きなギレンさん。ブルーブックにはそういうシーンもたくさんあるから、楽しんだんだろうな……!

そしてこのインタビューの後、S2も制作が決定したし!

続報を楽しみに、S2を待ちましょう!!

 

インタビュー記事は以上。

ぜひ元記事でギレンさんの美麗な画像も堪能していってね!

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