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リトルフィンガーの弟子「ゲームオブスローンズ」8-2感想

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Reigns: GoT より

ハァ……泣いた……。

なんなのこの全編にわたるフラグ建造大会……誰がいちばん上手にフラグを立てられるか競争でもしてるの……。

いろいろと見たかったシーンが見られて嬉しい自分もいて、いいから早く話を進めろと思う自分もいて、しかしこれ来週分を視聴するとわたし自身が死亡確定だという確信がありこのまま永遠に4月22日を繰り返していればウェスタロスが平和じゃないまま守られるんだもうこのままでいいんだみんなウィンターフェルで永遠の冬を生きるんだ……

ってまた闇堕ちしかかっている!!

よし、まったく整理されていないままだらだらと感想を垂れ流す回、いってみよう!

ネタバレあります!!

 

 

 

ジェイミーによるブライエニー叙勲に泣いた

今回の個人的クライマックスはここ。そうかそうきたか……って。

わたしはジェイミーはブライエニーに殺されてほしかったのだが(おい!!!)、いやあれはアリだなって……というか最高だったなって……。

ジェイミーがブライエニーから学んだのは「敬意」と「誠意」なのだろう。「愛」とか「忠誠心」とか「義務感」とかは持っていてもそのあたりが欠けていたジェイミーが、ブライエニーの生き方からたくさん学び、身につけた。今回はそれを返すことができた回だったのだと思う。

そしてジェイミーの行動がからかいを意図するものではなく、彼女への敬意と誠意を(死ぬ前に)示そうとしているのだと理解して、ブライエニーは叙勲を受けた。

いや待て、その前に!!

わたしはポドリックとブライエニーのあの視線のやりとりにぐっときたのだった。ポッドはブライエニーから剣技を教わり、彼女の強さと抱えて押し殺した「騎士」という存在への気持ちを知っていたはず。ブライエニーは多くを語らないけど、ポッドはそういう機微に聡いはず。あの視線のやりとりは、ふたりの長年の積み重ねが結実した瞬間だった。いい描き方だった……。

しかしジェイミーの一挙手一投足がすべてフラグ建築に見えてな……。無理……これもう無理……永遠にこの一週間を繰り返そう……

 

アマンドとブライエニー

アマンドの癒し枠っぷりは今週も健在。きみ、子供の頃からでかい女好きなんだねえ。

北のマグ7回のときはあんなにコミュ力を見せつけたトアマンドだったが、今回は飲み会の場で「これ……笑うとこなんかな……」という空気を作り出し、コミュ力に疑問符がつくこととなった。の、飲みすぎてたからだよね!

あのときは「これが最後の晩餐になったらあのメンツ気の毒すぎるだろ……」と思ったものだが、その後の感動の叙勲シーンで帳消しになった感。あの話、自由民飲み会では鉄板ネタなんだろうなあ。

アマンドからブライエニーに向けられる矢印とジェイミーからブライエニーに向けられる矢印については互いに気付いているようだが、そこでどちらもギスギスしないのがとてもいい。トアマンドはやや牽制しているようだったが、彼女の叙勲に対して真っ先に立ち上がって拍手する姿にまた泣いた。

アマンドにはぜひブライエニーの外見や強さだけではなく、その高潔さや覚悟、誠実さなど中身をちゃんと知ってもらい、その上でもっと好きになってほしい……のだが、もうそんなに残り話数がないんだよなあ!!

ブライエニー……生きてほしい……。あとブライエニーの手で死ぬジェイミーのこと、まだあきらめてないから……。重傷を負ったジェイミーを楽にしてあげるブライエニーとか、ゾンビ化しそうなジェイミーを燃やすブライエニーとかも見たいと思ってるから……。

 

サンサとデナーリス、それからシオン

いやはや熱いシーンであった。たまらんなー、サンサの圧倒的格上感……。

今のデナーリスには不思議なのではないだろうか。サンサにはドラゴンがいないのに、なぜ民は彼女を慕うのかと。今回のやりとりでそこに少しでも気づけただろうか。

背中の後ろで手を組むサンサの立ち姿が、衣装ともあいまって(S7衣装は毛皮でもっともこもこしていたのだが、今回は毛皮を取り払ってしゅっとしたシルエットになっていた)ものすごくリトルフィンガーっぽかった。いいぞサンサ、この混沌は彼女にとって梯子になるかもしれない。

リトルフィンガーの Chaos is a ladder 理論によれば「一度梯子から落ちた者は二度と這い上がれない」とのことだが、何度落ちても這い上がってきた彼女が師匠の教えを体現するとしたらとても熱い。ただね、これを口にしたピーター・ベイリッシュ自身が、15歳のときに梯子から思いっきり叩きつけられてるんだよね……。

「恋に落ちた男はバカなことをする」発言については、あっリトルフィンガー……と思った。「簡単に操れる」か……大きくなったねサンサ……!!(目頭を拭う小指ちゃんの絵文字)

いろいろ検討してみたものの、ほかにサンサの前で恋に落ちてバカなことをした男性っていた?? ティリオン(→シェイ)やジェイミー(→サーセイ)、ロラス(→レンリー)については当時のサンサがそこまで裏事情を理解していたとも思えないし。

しかし、彼女は恋に落ちた女もバカなことをするしめちゃくちゃ操られやすいということをライサの件で十分に知ってるし、知った上であえてデナーリスに対してそういう言い方をしたのではないか。

つまりサンサはデナーリスと露骨に対立する気はない。彼女の師匠ならこの事態にこう対処するであろうことをまさに実践しようとしているのでは。

盛 り 上 が っ て ま い り ま し た !

 

サンサがシオンとなんだかいい雰囲気になっているのは、リトルフィンガー推しのわたしとしては少し複雑なのだが、シオンはもうサンサを傷つけることができないからこそサンサが心を許せるのだと思うと、ふたりがそっと寄り添える日が来たことを祝福したい気持ちになる。

あと「シオンがウィンターフェルに駆けつけたのはサンサのためだということをデナーリスの前で見せつける」のは、サンサが意図してやったことではないにせよとても上手かった。彼女は慕われている。ドラゴンもいないのに。

しかし今回の諸々、ウィンターフェルにリトルフィンガーがいたらあんなほのぼの回はなかっただろうなと思う。どの場面も彼がいたら一気に不穏になるでしょ……。考えてみると、ずっとドラマの緊張感を引っ張ってきたのは彼だったんだよなあ。

 

まだいろいろと語りたいことはあるのだが、ダヴォスの件に触れるとあと2時間泣きながらPCの前に座ることになるし、ジョンとデナーリスとあとティリオンの件についてはもう少し整理してから考えてみたいし、ブランがめためた気になることを言っていた気がするのでもう一度見直す必要がある。

本日はここまで。

 

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