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バトルオブウィンターフェル「ゲームオブスローンズ」8-3感想

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https://twitter.com/HBO/status/1122658383331495936

バトルオブウィンターフェル。

過去最大級のフラグの山を築いた末の大一番だったため相当の覚悟を決めて見たわけだが、視聴後は普通に心が死んだ。

今日は午前中の最速放映を見ることができ、その後死んだ目でおでかけし、帰ってきて二度目の視聴をキメた。人はなぜ苦しむとわかっていてゲースロを見てしまうのか。

そんな嘆きとかアレとかコレとかをだらだら書いていこうと思う。

ネタバレ注意。

 

 

ヴァリリア鋼の短剣

いきなり核心からいくぞ。小指推しブログなんだからここからいくしかないだろ。

ピーターの短剣がブランを襲い、キャットとピーターを再会させ、五王の戦いを引き起こし、ピーターの手からブランに渡り、アリアの手に渡り、ピーターの命を奪い、そしてナイトキングを滅ぼした。

ブランにはどこまで見えていたのだろうか。メリサンドルと同じところくらいまでは見えていたのかもしれない。

ブランを襲った短剣がここにきてブランを守ったわけか。

もうピーター・ベイリッシュが光の王でよくない?(錯乱)

わたしは今でも「バトルオブウィンターフェルにヴァリリア武器を集結させる」ためにすべてを画策していたピーター・ベイリッシュ説を推してるから……。

 

シオン・グレイジョイという男

「ゲームオブスローンズ」という作品の中で、挫折と苦悩とそこから這い上がって成長を遂げる過程が、サンサと並んで丁寧に描かれたキャラ、シオン。

「リーク」でなくなった彼については、あとはもういつ立派な見せ場を用意されて死ぬのかという秒読み段階のようなつもりで見ていたのだが、ここまでしっかりと描いてもらえるなんて……。

まず弓が得意だった設定! S1の頃を思い出して泣きそうだった。ここで活かせて本当によかった。

そしてブランが口にした「あなたのこれまでの選択すべてがあなたをここへ連れてきた」という言葉。本当にな。たとえばS1シオンや「ロブの友人」の頃のシオンだったら、ウィンターフェルで大規模な戦いがあったとしたら、たとえスタークを裏切ることはなくても、ブランを守るために命をかけるようなことはしなかったはず。

ブランからウィンターフェルを奪い、リークになり、ラムジーから逃げ、さらに逃げ続けた彼のたどり着いた「ホーム」。迷いも過ちもそのすべてを肯定する「ホーム」という言葉。きっと彼がウィンターフェルで過ごした十数年間には実感できず、ずっと求めたけれど手に入らなかったもの。手に入れたんだねシオン……。

 

ssayu.hatenablog.com

↑ちょうど2年前にこちらの記事でも語り倒したのだが、シオンは自身が「スターク」なのか「グレイジョイ」なのかというアイデンティティの揺らぎを感じていて、そのことが数々の悲劇を呼んだ。だがその末に、彼は「グレイジョイ」として認められながら「スターク」として「弟」を守って死んだ。

だがそれ以上に、シオンが何よりもほしかった言葉は「あなたはいい人だ」と「ありがとう」だったのだろう。「三つ目の鴉」がそれを口にしたことで、逆説的にその証明になっている。

シオンはずっと「いい人」でありたかったはず。ベイロン・グレイジョイに、あるいはネッド・スタークに認められる「いい子」でもありたかったはず。自分に誇れる自分でありたかったはず。きっと彼の選択は全部そこに動機があった。なのに何もかもうまくいかなかった。何もかもうまくいかなかったけれど、その選択のすべてが彼をあの日あの場所に連れてきた。シオンは望んだものをすべて手に入れたのだ。

 

あのブランの言葉は、「ブラン・スターク」としてのものなのか、それともシオンの過去も葛藤も後悔も決意もすべて知った「三つ目の鴉」が「死にゆく者がその瞬間に最も望んだ言葉」を手向けとして贈ったのか。わたしは後者だと思う。ウィンターフェルに戻って以降、「ブラン」は一度も顔を出していない。

だがシオンはそれを「ブラン・スターク」としての言葉だと受け取ったのだろうし、三つ目の鴉もそれを意図して口にしたのだろうし、それでいいとわたしも思う。

この3話は、シオン・グレイジョイという男の物語を閉じるのにこれ以上ないほどのストーリーだった。

一点つらいのは、彼自身は望んだ自分になれた一方で、「自分に課せられた仕事を全うできずブランを守り切れず世界はこれで滅ぶんだ」と思って死んでいったかもしれないこと。

彼の勇気が稼いだ数分が、世界を守ったと知らずに死んでいったこと。

 

メリサンドル

しかしバトルオブウィンターフェルはなんだかんだでこの人が持っていった感。

わたしメリサンドルのが大好きなんですよ……。あ、メリサンドルのキャラも好きです。シリーンショックはでかかったけどな!

でも、ありがとうメリサンドル。最後はダヴォスがその死を目視したんだね。

ssayu.hatenablog.com

このツアーに一緒に参加したメリサンドル好きのアメリカ人、彼女の最後の雄姿に満足したかな……。

しかしこうなると、ジョン・スノウはなんで生き返ったんですかね……という気が若干……いや彼がいなければ北のマグ7の時点で全滅してた可能性もあったのはわかるんだけど。

 

ターガリエンとホワイトウォーカー

今回はドラゴンが戦局に大きく影響しなかった感がある(そのせいで余計にメリサンドル無双だった印象が)(いや討ち取った人数でいえばトップだろうけど)。

溝に火をつける合図はスルーだし、ドラカリスはナイトキングさんに効かないし、ナイトキングのおびき出しには役立った、のかな?

アリアがナイトキングを倒す直前、ジョンはヴィセ―リオンの前に立ち上がって炎の直撃を受けようとしていた。あれはひょっとして、自身が「ターガリエン」なら炎耐性があるはずだからと確かめようとしていた?

 

ssayu.hatenablog.com8-1を見終えた直後のわたしは、ジョンが「ターガリエンだと(人々に)信じてもらうのにいちばん手っ取り早いのはいっぺんドラカリスされてみることなのだが、いかがだろうか」と書いている。そこのところが気になるから見てみたかったわけだが、引っ張るな~。

ドラカリスルーしてしまったジョンに対して、一方のナイトキングさんは見事にドラカリスを耐えきった。これはいったいどういうことなのか。氷属性のバフを積めば炎耐性が爆上げできるの? それともナイトキングさんもターガリエンだったりするの?

ホワイトウォーカーは森の子が作った防衛装置のはずだが、ナイトキングさんはターガリエンの祖先がもとになっていたりするのだろうか。ナイトキングさんの正体について、詳しくはこちら。

gameofthrones.fandom.com

どうもここのところ、ターガリエンとホワイトウォーカーとの結びつきが示唆されているような気がしてならない。8-1で死者がターガリエンの紋章のような形に並べられていたり、デナーリスの衣装がホワイトウォーカー風だったり。

ただこのへんのことは「ゲームオブスローンズ」中では明かされないのかもしれない。スピンオフドラマがターガリエン家の話になりそうだから、そっちで話題になったりするのかも。

でも光の王が何だったのかは知りたいな~!

 

そういえばわたしは今回デナーリスはドラゴンをもう一頭失うだろうと思っていたのだが、レイゴルも無事だった。これは8-5でサーセイがドラゴンを墜としますわ。S8のクライマックスは対サーセイ、5話ですわ。

やっぱり「ゲームオブスローンズ」の最後は、玉座をめぐる戦いであってほしい。

そういう流れになりそうでほっとしている。

 

ssayu.hatenablog.com