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「ファイアーエムブレム風花雪月」青獅子ルートをクリアしたのでキャラ語り・2

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スクショ整理してたらここもちゃんと撮ってた、えらいわたし

青獅子ルートは天使たちがみんなで堕天使を天に帰す物語なんだよな……。その中心にいるのが Byleth =序列13番目の悪魔なんだよな……。天に帰せる堕天使は一人だけ……誰を救うか選ぶのは悪魔……ふぅ……(煮詰まったオタク)。

 

ええと酒が入ったテンションでいつも以上にアレな内容になりそうだが、昨日途中で力尽きた青獅子クラスキャラ語り、後半いってみよう。

ちなみに引き抜いたのは教師、傭兵陣+リシテア、ローレンツ、マリアンヌ、ドロテア、ベルナデッタである。

ペアエンドのネタバレ注意!!

前半はこちら。

ssayu.hatenablog.com

 

 

シルヴァンとフェリクス

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まさかの友情エンド。そうか……イングリットはこのふたりのどちらかと結婚するのかとちょっと思っていたけど、彼女はセテス先生に奪われたからね。

後日談最後の一文を見て泣いた。だってこれ、ふたりの幼い頃からの約束でしょ……。

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ふたりがなんだかんだで互いを尊敬し、尊重しあっているのがわかってよかったな。

ゴーティエ家、フラルダリウス家はこのふたり、それにガスパール家はアッシュくんが継いだわけで、王国はきっと安泰。

シルヴァンの女性嫌悪問題がずっと自分の中で引っ掛かっていたので、このエンドもありだなーと思った。でもそれを克服してひとりの女性と落ち着くのも見てみたい気もする。わたしは何周すればいいんだ?

フェリクスは出てくるたびに「その髪型どうなってんの???」とガン見してしまうキャラだった。なんだかんだでどのキャラとも心温まるエピソードが用意されていて、きみ優遇されてんな。特にベルナデッタとのイベントには何度も笑わせてもらった。支援Aまで行ったらフェリクスにもあのすり抜けスキルが手に入ると思ったのに……。

ベルナデッタといえばシルヴァンとの支援イベントもよかった。きみ本当にいいキャラやな。わたしならあんなファンレターをもらったら恥ずかしさに悶絶しながら100万回読み返して飾っておくね(このブログにもときどきコメントくださる方がいてとても喜んでいます!)。

フェリクスとアネットのイベントにもなごませてもらった。どんどこど~ん! フェリクスって「一匹狼」と言われているけど、決して他人に興味がないわけではないんだよな。むしろ他人をよく観察しているし、尊重する気もある。ただ他人に合わせる気がないだけ。問題児枠かと思ったけどそれほど問題児じゃなかった。

フェリクスとロドリグの関係はもっとクローズアップされてもよかった気がする。せめて外伝か何かで。いやあれくらいがちょうどよかったのかな。青獅子ルートはやっぱりディミトリの物語だから。

でも目の前で父を失って、その父が最期に言葉をかけたのが自分ではなく級友(でありかつ父が忠誠を誓う相手)だったというシチュエーション、結構重いと思うんだ。物語的にはロドリグの死はディミトリを立ち直らせるきっかけになる重要な役で、その死は十分報われているとは思うのだが、フェリクス視点でもそんなふうに納得できるものだろうか。いくら確執のあった親子であったとしても。むしろ確執があったからこそ、かもしれない。彼は父の死をどうやって乗り越えたんだろう。

主君をかばって死んだのだから、「騎士として立派な最期だった」ことは間違いない。ロドリグがグレンの死に際して口にした言葉は、当時のフェリクスを傷つけた。でもあのとき、親父殿の死を自分に納得させるためには、彼は同じレトリックを使わなければならなかったのかもしれない。彼はひとりで泣いたのかもしれないし、先生がそっと寄り添ったのかもしれないし、クラスメイトたちならきっと誰もが彼と一緒に泣いてくれたと思う。

青組さんには、大切な人を失った経験のある子が多い。ディミトリは言うに及ばず、シルヴァンは兄を、イングリットは婚約者を、ドゥドゥーは家族どころか故郷をまるごと、アッシュくんは実の両親も義父も義兄も失っている。メルセデスも故郷と弟を失ったようなものだし、アネットは父親との離別を経験している。そんな彼らだからこそ、痛みを抱えたクラスメイトに寄り添えるのだ。そんな彼らだからこそ、堕天使を天へと連れ帰ることができたんだよ……(泣き崩れる)。

ところで二周目冒頭の各クラスキャラ紹介の段でようやく、フェリクスのスキル「一匹狼」の説明をちゃんと読んで、彼には騎士団を配備すべきでなかったのを知った。ごめんよフェリクス……。

 

イングリットとセテス

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個人的に、エンディングの中で最も納得感があり「このエンディングを用意してくれてありがとう!!!!!!」と叫んだペア。

セテス先生はね、ガルグ=マクの良心なんですよ。いや最初はベレト先生のことめっちゃあやしんでたし、こっちも信用していいのか不安だったけど。

でも生徒たちとの支援イベントを見るうちに、彼のかける言葉が誠意に満ち、かつ的確で、自分もひとりの大人としてこんなふうでありたいと思わせてくれるキャラクターだとわかった。「学園もの」というジャンル(えっと……学園ものだったっけ????)において、ここまで信頼できる教師像を誠実に作り上げてくれたことは、風花雪月という作品の功績のひとつと言ってもいい。彼の言葉はきっと多くの若いプレイヤーに勇気と知見を授け、大きなお友達には「自分は若い世代にこんなふうに接することができるだろうか?」という反省を促したに違いない。

中でも特にイングリットとのイベントは心に残っている。騎士として生きたい、けれど貧しい中で自分を育ててくれた父の希望を無碍にできないという彼女に対して、セテス先生は誠意をもって答えてくれた。

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言っていることは普通と言えば普通なのだ。でも現実世界にあてはめて考えてみてほしい。持って生まれた才能に振り回されてしまう子供、その才ゆえに親に期待されてしまった子供に、その才とは関係なく一人の人間として成長してほしいと言える教師がどれだけいるだろうか

そして最も重要なのは最後の台詞だ。これを実際に言葉にできる大人はなかなかいないのではないだろうか。作中で最もはっとさせられた台詞かもしれない。大人はいつでも子供たちから頼られることを待っている。でもそれを口にしなければ伝わらないということをわかっていない。特にイングリットみたいな、ひとりで何でも解決しようとする「いい子」にとって、この一言がどれほど心の支えになったか。「いつでも歓迎する」と言ってくれる大人がいたことが、彼女にどれほどの勇気と、世界への信頼感を与えたか。

最終的に「騎士にはならず父の希望に沿う道を進む」と言ったイングリットに対して、セテス先生はその決断を尊重するとしつつも、もう一度父親と話してみるべきではないかと諭した。彼女が誠意をもって対話すれば、父親もそれに応えてくれるのではないかと。

後日談を見る限り、どうやらセテスの言ったとおりになったらしい。イングリットは騎士になるという夢を叶えたのだ。アッシュくんと並んで、本当に喜ばしい。

イングリットについては、アネットとドロテアから「化粧をすべし」というアプローチのイベントがあった。最初は「本人がしたくないと言ってるのに押し付けるとかうざい」と思ったものだが、イベントを見てみるとこれもまた上手い演出でうならされた。

「騎士になるのに化粧は要らない」というイングリットの主張に対して、アネットは「きれいにすればもっと素敵な騎士になれる」と説得した。

イングリットは騎士になりたい

→化粧をすればより素敵な騎士になり得る

→化粧をすべきである

という論法である。ふたりとも「きれいになる」ことよりも「素敵な騎士になる」ことに重きを置いているところがポイント。もうひとつのポイントはイングリット自身が化粧自体に嫌悪感を抱いていないこと。ここは非常に重要。この描写がなかったらやっぱりこのイベントは受け入れられなかったと思う。あくまでイングリットの意思を尊重した上で、アネットが彼女をきれいにする描写が見られたのはすごくよかった。

ドロテアからのアプローチも見事。「歌劇に招待される」というシチュエーションにおいて、ドレスコードはやはり守らなければならない。それにあたっておめかしするのはまあ、マナーの範疇と言えるだろう。

「最低限の身だしなみを整えるのは自分のためではない。周囲の人に不快感を抱かせないためである」というのもわたしの恩師の言葉である(風花雪月記事にはたびたび恩師が登場するな……)。そしてイングリットのキャラクターを考えれば、周囲の和を乱さないために最低限のおしゃれをするのは理解できるのだ。

この作品のシナリオライターは信頼できると思わされることがしばしばであったが、イングリットの描写についてもまた上手かったと言わざるを得ない。

 

ドゥドゥーとシャミア

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すでに長すぎてまた終わらない感が出てきたのでちゃっちゃといこう。

このふたりの組み合わせも膝を打ったね。ともに語らずとも理解し合える寡黙カップル。夫婦である以前に相棒。たまの雑談には笑顔を見せる。なんという解釈通りの結末……。

ドゥドゥーはメルセデスとダスカーに行けたの? とかシャミアさんとカトリーヌはあのあとどんな関係になってるの? とかいろいろと気になるところはあるのだが、マイアースはこれで落ち着いたということで。

これ、きっとドゥドゥーからプロポーズしたんだろうなあ。シャミアさんからは言わなさそう。そしてときどきアッシュとカトリーヌ夫妻がふたりのもとを訪れて旧交を温めているといいと思う。

シャミアさんが王国の裏仕事を引き受けて暗躍したという後日談もおいしすぎる。ディミトリは必要な仕事への金払いは良さそうだしね。シャミアさんは闇に生きてこその人だと思う。

ドゥドゥーもシャミアさんもフォドラ人ではないというのもポイント。ふたりともフォドラにおいては「異物」でありながら、フォドラのために心身を捧げたんだな……。そしてふたりでいるときは素で会話できたと思うとほっとする。

ドゥドゥーとディミトリの支援イベントもすごくよかった。本当はずっと友達になりたくて、結局それを認めることができたふたり。立場上、役割を演じなければならないことも多かっただろうけれど、ふたりきりのときは友として互いを支え合うことができたのだと思う。

現在赤組さんの序盤を進めているところだが、あちらのエーデルガルト&ヒューベルトという主従との書き分けという意味でもこちらの主従の描写はよかった。どっちの主従も好物です。

ドゥドゥーとイングリットの支援イベントも、青組さんの見どころのひとつだった。イングリットのような努力家で真摯な「いい子」も、自分の婚約者を殺した(とされる)ダスカー人への偏見からは逃れられない。あれは差別や偏見はこんなふうに始まるし、こんなふうに解決することができるのだというモデルケースなのだと思う。

結局のところ、差別も偏見も根底にあるのは「無知」である。互いを知ることこそが差別をなくす第一歩。知は力なり。いやあ、風花雪月は道徳的な物語ではありませんか。

 

アネットとギルベルト

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これは割と狙いにいったというか……アネットとギルベルトが笑顔で暮らせるエンドを迎えてほしかったから!

アネットとフェリクスのエンドも見たかったし、ベレト先生とギルベルトのエンドもめちゃくちゃ気になったのだが(先生とギルベルトエンドはもう一回あの連戦をやり直してでもそのうち見ようと思っている)、それでも初回はこれだろ、と思った。

ギルベルトって青組さんルート以外では仲間にならないのだろうか? ベレト先生と同じくなかなか笑顔を見せてくれない彼だが、ハンネマン先生とは友情を育み、ディミトリからは騎士ギュスタヴとして王国に復帰してほしいと請われ、充実の支援イベントを見せてくれた。アネットとのペアエンドでも王国に騎士として復帰できたようで、何よりである。

この記述だとアネットの進路は不明だが、ハンネマン先生との支援イベントで語られたように、魔導学院で教師になっていたらいいと思う。おっちょこちょいな彼女だけど、きっと生徒から愛される教師になるだろう。彼女の歌が生徒からひそかに人気を集めているといいし、ときどきそれを聴きに来るフェリクスがいるといい。

 

リシテアとハンネマン

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いやふたりとももともと青組さんではないけど引き抜いたので!!

ある意味最も安堵したペアエンド。よかった……よかったよおお……。ディミトリくんが立ち直った今、いちばん心配していたのがリシテアちゃん短命問題だったから。

ハンネマン先生の「誰もが紋章を宿すことができ、望まぬ紋章を消すことができる」という研究には大きな共感を覚えた。きっとフォドラではものすごい需要があることだろう。貴族の跡継ぎ問題が、これで一気に解決するはずだ。

いや紋章を誰でも宿せる時代になったとしても、生まれた順番だの能力の問題だので揉めることはあるだろうが(現実世界がこうである以上)、それでもこの研究には意味があると思うのだ。研究者の研究がいつもこんなふうに人の世を利するわけではないとわかってはいるが、それでも彼の研究が実を結んだことは喜ばしく感じる。

マヌエラ先生とハンネマン先生が素直にくっついてもいいのにな~と思っていた生徒は少なからずいただろうから、マヌエラ先生が生涯独身を貫いたと明言されてしまったのは少し気の毒だったが、まあそこはそれ、このアースではハンネマン先生はリシテアちゃんを選んだのだ。

ふたりはすごい年齢差なのでハンネマン先生の方が先に亡くなるのは仕方がないところだが、リシテアちゃんが彼の研究を引き継いでくれて嬉しい。たとえ紋章をひとつ失っても、あの恐るべき火力が多少失われたかもしれないが、彼女の才が失われたわけではない。リシテアちゃんは努力家だ。その努力が紋章学の方面に向けられたなら、きっとハンネマン先生の仕事を引き継いで立派な業績を残したはずだ。

現在赤組さんの序盤をやっていて、リンハルトくんもまた紋章学を志していることを知った。青獅子アースでも彼が生きていたら、もしかしたらもっと研究が進んだかもしれないが……。

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うっ(胸をおさえてうずくまる絵文字)

 

ものすごい駆け足で青組さんのキャラ語りをしたわけだが、たぶん他クラス視点で見るとまた違う印象になるのだろう。

それを楽しみにして本日はこれにておしまい。お付き合いいただき、ありがとうございました!

 

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