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初めてゲームオーバーになった話「デスストランディング」感想・3

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サービスショットです

今日は出先で大雨にあい、貧弱な折りたたみ傘しか持っていなかったわたしは外に出て2秒でずぶ濡れになった。自らの不幸を呪いながらも、雨が降ってもBTに襲われないこの世界は素晴らしいとしみじみ思った。強く生きていこう。

さて今日は、初めてゲームオーバーになった記念記録である。

大したネタバレにはなっていない気がするが、一応注意。

 

 

サムは死んでもへーきへーき

そもそもわたしはこのゲームにゲームオーバーがあることを知らなかった。

サムは死んでもあの世(あれが「ビーチ」なのかな?)を経由して帰ってくることができる「帰還者」である。すでにわたしはBTに何度か襲われてあの世送りになっているが、そのたびにタールを吐きながらこの世に戻ってきている。

だからこのゲームにはゲームオーバーがないのかと思っていた。

アクション下手でも死に戻りしながら進めるなら、難易度の心配はあまりしなくてもいいのかな~とか思っていたのだが。

いやいや、わたしはまだこのゲームの趣旨をよく理解していなかったらしい。

 

荷物が壊れたらゲームオーバー

こういうことだったんだな。

なるほどこのゲームのデザインを考えれば、そういうことになるよな。なんかもう、本当に「運び屋ゲーム」っぷりが徹底していて感動すら覚える。ゲームオーバー画面を見ながらこんなに心を動かされたのは初めてだ。

サムは荷物を運ぶことで人と人、世界と世界をつなぐことを目的にしている。だからストーリー上届けなければならないものが全壊したら、そこで世界のつながりは切れてしまうのだ。

 

わたしのゲームオーバーへの道はこうだ。

あの日、サムはミュージシャンの家を目指して山道を歩いていた。苦労の末にたどり着いたミュージシャンの家では特に歓待もなく、ただ「なくした楽譜を探してほしい」という依頼を受けた。外に出てみると、楽譜らしき落とし物が遠くに見える。わたしは川に流されかけながらどうにか楽譜を回収した。楽譜を届けるとミュージシャンは大喜びし、UCAにすんなり加盟してくれた。ここまでは順調だった。

わたしはルーデンスマニアから、ポート・ノットシティへの配達を頼まれていた。スピアフラッグとやらを届けてほしいとのことだった。ミュージシャンの家へは、その途中で立ち寄ったのだった。

ミュージシャンの家を出たわたしは、そのままポート・ノットシティを目指した。途中で雨が降り始める。しかしわたしは余裕綽綽であった。ここのところ、BTが出ても慌てず騒がず血液グレネードで撃退することができている。倒したあとにはカイラル結晶がたんまりだ。来るなら来いという気持ちで、わたしは谷間を足早に歩いていった。

しかし奴が現れたとき、わたしは青ざめた。手元に血液グレネードがない!

そういえば前の時雨で使いきったんだった。いやいくつか背負っていたはず。しかし背中にあるものをどうやって持ちかえればいいのかわからない。手錠型端末からメニューを開いて持ち替えようとしても手元に現れてくれない。BTに囲まれているときは持ち替えができないということなのか。梯子を広げてる場合じゃないんだよ、たためたため!

焦っているうちに順調にBTに流され、サムはあっさりあの世行きになった。

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魚とタールにまみれて目を覚ましたサムは、今度こそ背中から血液グレネードを取り出して(まわりにBTがいないときはすんなり取り出せたのだが、わたしが焦っていただけか? それともBTがいると持ち替えられないの?)再度歩き始めた。

荷物が大幅に傷んでいる。気をつけて運ばなければならない。しかし目の前に荷物が落ちていたら、できるだけ拾いたくなるのが運び屋というもの。特に本日の目的地であるポート・ノットシティ行の落とし物は届けてあげたい。こうしてどんどん荷物が増え、サムの足取りは重くなった。

最後の峠を越え、ポート・ノットシティが目の前に広がる。あとはこの坂をくだるだけ。そう思ったとき、サムは足を滑らせた。ちょっとした段差だったのだがふんばりがきかず転がり落ち、泣きだすBB。いつも思うが、泣きたいのはこっちだよ。泣かずにBBをあやすサムは本当にえらい。

そして同時に流れた「荷物が壊れそうだ」というシステムメッセージにわたしは焦った。荷物が壊れたらどうなるのか、このときのわたしは知らない。でも相手をがっかりさせるのはわたしの本意ではない。ともかく外見だけでも取り繕おうと、ケーススプレーを握りしめる。荷物を地面に置いてスプレーを噴きかけようとしたとき、

サムの目の前で荷物は坂を転がり落ちていった。

「あっ……待って……!!!!!!」と息を呑んだ瞬間、わたしは完全にサムとシンクロしていた。

しかし無情にも流れる荷物全壊のメッセージ。

そしてわたしはゲームオーバーになった。すぐに前回のセーブデータからやりなおすことができたが、前回のセーブデータとはサムがあの世から帰ってきたところである。

魚とタールまみれで目を覚ましたサムは、真っ先に安全な場所を探してケーススプレーを使ったのだった。

 

ゴールを目の前にして荷物全壊を茫然と見守るしかなかった経験があまりに強烈だったので、思わず日記風に詳細を語ってしまった。

なおメインストーリーはまったく進んでいない。無事にポート・ノットシティに到着したことだし、そろそろボートに乗ろうかな!

 

【本日の攻略情報】

・荷物にも重力は適用される

・荷物はふんばってくれない

 

 

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