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三人の「シーメン」を観よう「グランドツアー」4-1感想

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https://twitter.com/thegrandtour/status/1204366153260380166

1年ぶりのグランドツアーだーー!!

今年もいろんな国を回っていろんな車に乗って、スーパーカーにわくわくしてポンコツカーに笑い転げて……えっ、今回はボートなの???

S4からの新フォーマットグランドツアーの第1回ということで1時間半のスペシャルなわけだが、今回車は全然出てこない。全行程ボートでの、カンボジアベトナムの旅である。

タイトルも、The Grand Tour SEAMEN ときた。

……タイトルを見ただけでめちゃくちゃ嫌な予感がしたが、彼らはやっぱり期待を裏切らない。

「グランドツアーの seamen は現在ご覧いただけます。見てお楽しみください」

「Seamen を作る際にこんなに濡れるとは思わなかった」

おもいっっっっきり直球の下ネタじゃねーか!!!! ご家族で見てるところもあるんだぞ!!!

(念のため解説すると、seamen と発音の近い semen は精液という意味である。本編中でも彼らが seamen を連呼するたびに顔を覆う羽目になる)

 

そんなわけで、いつもの #AmazonShitCarShow のノリでアジアの旅、いってみよう。

以下、ネタバレ感想。

 

 

カンボジアから出発!

スタート地点はカンボジアシェムリアップトンレサップ湖を渡り、川を下ってベトナムのヴンタウを目指すという流れ。

ジェレミーは去年の夏休みにカンボジアベトナムに長期滞在しており、これはS4でロケに使うことになるか? と期待していたのだが、見事にそうなった。

www.instagram.com当時のジェレミーのインスタにはたくさん写真が残っている。

www.instagram.com撮影時の写真もある!

 

リチャードの話していたバーミンガムの運河は、BBCドラマ「ピーキーブラインダーズ」によく登場するアレのことだ! とすぐに思い出した。リチャードは「あれは石炭を運ぶためのもの」と話していたが、ドラマでは死体や武器を運ぶのによく使われている。川の多い町なんだなと思って見ていたが、そうか、「北のベニス」と呼ばれるくらいなんだな。

ジェームズが「ジェイミー・オリバーの番組をつけたら水彩画が始まるようなものだよ」と言っていたが、わたしもジェイミー・オリバーの料理番組は好きだ。以前は Hulu で見られたのだが、ほかの配信サイトでももっと見られるようにしてほしい。

 

さて2018年の夏はヨーロッパでも猛暑が続き、わたしが滞在していたドレスデンでもエルベ川の水位が干上がり、バカンスシーズンに遊覧船が運休になったり、第二次大戦中の不発弾が発見されたりして大騒ぎになったりした。どうやら2019年6月のカンボジアでも似たようなことになっていたらしい。あんなに干上がったら生態系への影響も大変なことになっていそうだが、大丈夫なのだろうか。中国のダム問題、たぶんここだけの問題ではないだろうし、心配である。

 

三人のボート

三人が川を下るために用意したボートはこちら。

ジェレミー:PBR マーク2 700馬力 100000ポンド

リチャード:スカラブ 850馬力 23000ポンド

ジェームズ:パターソンモデル 1939年製 99馬力 16000ポンド

ジェレミーの「地獄の黙示録」ボート、ベトナムに乗り入れて本当に大丈夫なのか。

トップギア12-8ベトナムスペシャルでは「人間的に不適切なバイク」が登場していたのを思い出したが、今回はジェレミーが率先してアレに乗っている。

リチャードのボートは本当にポルノ映画の撮影現場に使われたんだろうか。Razzle Dazzle を自ら名乗るくらいだからな(しかもあれ蛍光塗料で書いてあるぞ)……。

(`゚Д゚) <How much seamen have you found on that boat?

おいやめろ。

いつも思うのだが、旅先で彼らにとっての「ゲテモノ」に果敢に挑戦するジェレミーとジェームズはなんだかんだですごい。リチャードは自国ですら偏食なのでいつも通りである。

 

プノンペン

カンボジアはまだ行ったことのない国だ。いつかアンコールワットを見に行きたいと思っている。

ジェレミーとリチャードがタイガービールを飲んでいたあのバーにも行ってみたい! そしてあれを見ているとタイガービールを飲みたくなってくる。

市場でジェームズが久しぶりにジェレミーのことを「ジェザ!」と呼んでいるのが聞けてファンはハッピー。

スタンガンに大はしゃぎのリチャード、子供か。50歳児でしたね。

リチャードの乗り物にふたりでいたずらするのも、トップギアベトナムスペシャルを思い出させる。あのときはリチャードのバイクをピンクにしたなあ。

 

メコン川

国境を越えてやってきたメコン川。ここからはわたしにも見たことのある景色だ!

わたしはトップギアベトナムスペシャルに影響されて、二度ほどベトナムを旅行している。二度目に訪れた際、メコン川クルーズツアーに参加したのだ。

www.veltra.comこういうやつ。

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ホーチミンシティからバスで2時間くらい走ったところ

↑の奥に写っている橋が、↓のサムネの橋ではないかと。

わたしが参加したツアーは地元のベトナム人、タイ人、フィリピン人、中国人と日本から来たわたし混合チームで、英語のガイドさん(自称「ミスター・ハンサム」)がすごく面白くて、ずいぶん楽しませてもらった。

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GT本編にもちらっと出てきたボート

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リアルジャングルクルーズ

手漕ぎボートでこんな水路を案内してもらったりして。川の左右からひっきりなしに鳥の鳴き声が聞こえてきたのを覚えている。わたしが行ったときは天候にも恵まれた(雨季のベトナムに行くからと、折り畳み傘とレインコートを常に持ち歩いていたのに、滞在中一滴も降られなかった強運の持ち主である)。

実際行ったからなおさら思うのだが、ここをジェレミーのPBRで通るのは無理だと思うぞ!

 

ベトナム戦争を語るジェレミーがなぜチェ・ゲバラのTシャツを着ているのか不思議だったのだが、チェ・ゲバラは「第二・第三のベトナムを作るべき」と語っていたらしい。へえ~! アメリカに対してゲリラ的に抵抗する社会主義国を増やすべきだという思想のようだ。

ジェレミーの作ったフォーはなかなかおいしそうだった。ジェームズの分も残しておいてあげて……! しかしジェレミーがまともに料理する場面が見られるなんて、2010年代も末期になって、世の中は変わったのであるなあ。

 

いよいよ SEAMEN に

(;`゚Д゚)σ <That's the sea.

最後の50kmが過酷すぎるだろ……。

トップギアベトナムスペシャルと同じように黄色いお花を飾ったジェームズのボートが、木の葉のように波に翻弄される姿が涙を誘う。あの18世紀のボート、よく壊れなかったな。

後半、撮影班がほとんど仕事してなくない??? 三人のボートに乗せたカメラでの画面が多かった気がする。それだけ過酷な旅だったということだろう。

いつものように海軍式の敬礼をするジェームズに少しほっとして、今回のスペシャルはおしまい。

トップギアベトナムスペシャルを思わせるシーンが何度も出てきて、あの回を台詞を覚えるほど見たわたしとしては懐かしくてたまらなかった。あの頃に比べれば、ベトナムは車が増えてバイクのマナーもずっとよくなった(少なくともヘルメットをかぶる人は圧倒的に増えた)。

前回以上に過酷な旅だったが、あのあとおいしいものでも食べていいホテルでちゃんと休んでほしい。ベトナムはおいしいものがたくさんあるし(バインセオならリチャードでも食べられると思うんだ!)きれいなリゾートホテルに安く泊まれてとってもいいところだよ!

見てたらまた行きたくなってきた。だがしかしボートはプロに運転してもらおうと思う。

 

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