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「プロジェクトブルーブック」2-9 ブロークンアロー

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https://www.historystore.com/collections/project-blue-book

プロジェクトブルーブック2-9がすごい。

もはやバディもののお手本のような脚本。S1から積み上げられてきた信頼関係が、ふたりの最大の危機(社会的な意味での最大の危機は2-6のロバートソン査問会だが、今回は物理的な生命の危機である)に立ち現れる。全編にわたって萌えの塊が怒涛の勢いで押し寄せ、見終える頃には瀕死である。

毎週言っているが、こんな素敵なエイダン・ギレンを見せてくれたヒストリーさんには感謝するばかりだ。もう裏切りの代名詞ではなく知的さとセクシーさのシンボルである。ソースはSBS

さて今回も先に予告編を。

https://twitter.com/davideoleary/status/1240095926930161664?s=20

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 以下、ネタバレ含む。

 

 

Pの実況

htps://twitter.com/davideoleary/status/1240096678801068035?s=20

前回までのあらすじにあったふたりのせりふから。アメリカも今大変な状態だ。

「この事態を乗り切るぞ」

「僕らが協力できるならやれるよ」

という言葉はとても力強い。そして萌える

今回の事件の元ネタは1953年のキンロスUFO事件。アメリカ空軍のジェット機がUFOと遭遇し、その機体ごと消滅してしまったというもの。ドラマより現実の方がヤバいじゃねーか!! 日本語で事件を解説したページはこちら。

chopitonews.blog.fc2.com

FBIの捜査が終わった後のクイン家は、現在コロナウイルスの影響で4歳児と赤ちゃんと妻とPの4人が引きこもっているオレリー家の状態にそっくりらしい。うんうんわかるよその状態(身に覚えのある顔)。

9話の公式ポッドキャストを聴くと、クイン家を荒らす際、あのセットがお気に入りだったスタッフさんから「なんてことを!!」と泣きが入ったらしい。素敵なお部屋だったもんね。

うっ……(泣き崩れる)

「UFO学」はまだ始まったばかり。それを一応の体系だった形に整えたのがリアルハイネック博士。

「最後の事件ってわけ?」

https://twitter.com/davideoleary/status/1240098206144286720?s=20

「終幕の前のね」

そう、これはふたりにとって「最後の事件」のつもりだった。そう思ってこれからのエピソードを見ると、ますますエモいのである。

史実でも、飛行機が消えてから45分にその飛行機から通信が入ったとか。

UFOと接近遭遇したパイロットたちは、そのせいで飛行機の制御に影響が出たと証言することがしばしば。

この飛行機シーンは、スタントパイロットや撮影班、CG班、大道具小道具班の尽力の結晶である。あの美しいロケ地の選定からして大成功なんだよな。博士のあのふらふら運転をうまく演じてくれたスタントパイロットさん、グッジョブすぎる。

Pのお気に入りシーン。

あの目撃者さんのことか! そんなエピソード間クロスオーバーは嫌だ!

これがやっぱりカナダの視聴者には喜ばれているみたいで、わたしもカナダの美しい景色を堪能できて嬉しかったり。今までニューメキシコ(カナダ)」「ネバダ(カナダ)」だったからな。

急に聖パトリック(アイルランド守護聖人)の日の話を持ち出すP。放送日がちょうどその日だった。ドラマのキャストにもスタッフにもたくさんのアイルランド人がいるし、もちろんエイダン・ギレンアイルランド人だ!

「ミッシングタイム」はハイネクイン自身も2-2で経験しているから……。

あの壊れた飛行機はCGではなく全部作ったらしい。すごいな。

クインはあの機体の残骸を一目見て、アメリカの軍用機ではないと察したのではないかと思う。少なくとも現在正式に運用されている機体については把握しているだろうから。

もう「ロシア人」にはうんざりなクイン。

数年前に「ミッシングタイム」というサイコホラー映画を書いたことがあるというP。ちょっと検索したところでは出てこなかったので、インディーズ映画というやつなのかな。

ポイントをとられっぱなしのクイン。ここからが反撃だ!

第二次大戦初期には、UFOは核兵器類の周辺によく現れたらしい。

「ブロークンアロー」は、運搬中に紛失した核兵器を表すミリタリー用語らしい。

なにそれこわい。そんな用語あるの。

ともかくそういうことなので、今回のブログ記事タイトルも「折れた矢」とせずそのまま「ブロークンアロー」にしておいた。

ハイネックの語ったロシアでのUFO事件例のことかな。

1908年に東シベリアで大爆発があって2150平方キロが更地になったとか。一般的には流星が空気と衝突して起こったと言われているが、UFOの事故だとも言われている。

地図から森の俯瞰シーンへのシームレス移行はCGチームが頑張った。あのシーンはかっこよかったよね。

1996年、「ブロークンアロー(邦題も同じ)」という映画が公開された。当時16歳だったデイヴィッド少年、いまだ同タイトルの番組を作るとは夢にも思わず。

当時KGBにもUFO調査のプログラムはあった。いつかロシアのブルーブックドラマが作られる日が……。

今回は核兵器関係の会話やらブツのデザインやら、そもそもプロットも、専門家に相談して作ったらしい。

わたしは今回ここがいちばんぐっときたなあ。何を言うつもりだったのキャプテン。今までのお礼とか、出会えてよかったとかそういうことかな。

それを言わせない、必ず爆弾解体を成功させて生きて帰ると決めているハイネックがまたかっこいいんだよな。

それはともかくこう言いたくなる気持ちはわかる。

まあ誰しもいつ核兵器解体の必要に迫られるかわかんないからね、コツは知っておいた方がいいよね(棒)。

ドラマ本編を見る前にこのツイートを見たときは何があったのかと焦った。

当時も今も、まあこのへんは大差ないよな……。

「クインが握手すると思ったやろ?」

はい。

S2だけで何回クビ(寸前)からの復帰を果たすんだ、ハイネクイン。いやまだこれで2回目か?(ロバートソン査問会も結構強烈だったし書類盗難事件もアレだったのでしょっちゅうクビになっている気がする)

プルトニウムを持ち去ったのはロシア人か、それとも……?

S2はフェイの出番も多くて嬉しい。ケネディは出るたびに存在感あるなあ。ちなみに9話ポッドキャストのゲストはケネディの中の人。ケネディアクセントの練習をした話とかが聴ける。

水中から出てくるやつのことはUSOというのか。嘘かと思ったぜ(すいませんでした)。Unidentified Submerged Object 未確認水中物体か。

メインブレース演習というのは、大西洋連合軍と欧州連合軍による北大西洋戦域での合同演習ということかな。S2最終回はこの演習海域が舞台になる……?

大西洋連合軍 - Wikipedia

 

今回の事件は今までで最高レベルの危機だった。確かに核兵器はアレだったけど、ロシアの軍人と直接対決だったわけだしね。盛り上がったわー。

そんなわけで9話はこれにておしまい。

キンロス事件について詳しくはこちら。

ブロークンアローについてはこちら。

公式ポッドキャストもお見逃しなく!

メネルさんのインタビュー。 

この記事↓はまだ全部読めてないのだが、「ハイネックが世界を救う」の文字にニヤニヤしてしまう。9話のダイジェスト解説みたいな記事。

1428elm.com

今週の見せ場&舞台裏!

www.youtube.com小さな飛行機を弄ぶクインの横顔が本当に美しく切ない。

そして「チケットはもう買ってあるからね!」なハイネックがチャーミング。でもそのあとクインを見つめる真剣な目は、「きみはここでくさってるだけの人じゃないでしょ」と言っている。

最後、「今空いてるパイロットがいなくて……」と言われたときの「僕の目の前に最高のパイロットがいますけど?」って博士のドヤ顔がたまらん。

今までエイダン・ギレンがこんな顔をしたときは誰かの死亡フラグだったというのに、今やみんな信頼関係を表すドヤ顔として認知されているのは、時代の変化を感じる。

今更だけどこれがいちばんネタバレ度高いかな。

ここのハイネックの機転はさすが。

せっかくだし予告で出ていたこれも貼っておこう。

まさか核爆弾を覗いていたとは思わなった。

これはアメリカにおけるコロナの感染状況をふまえてヒストリーさんが出した動画。

ヴァレンタインの中の人からのメッセージ。

 

最終回予告!

いよいよ次回は最終回。この2か月毎週楽しませてもらったので、ロスがつらい。

最終回予告はいつもより気合が入っているみたい。

www.tvinsider.com

リンク先に予告動画あり。ミミさんにパンケーキの作り方を教えてもらったけど雪かき用のシャベルでもないとひっくりかえせない博士あざとい。

しかし記事の中のPの言葉が不安を煽る。ふたりが分かれることになるのかもってどういうことだよ!

www.syfy.com

こっちはジャブロンスキーPへのインタビュー。ミミとスージーの話とか、メインブレース演習についてとか。

ミミ対スージーが見られるのか。

 

プロジェクトブルーブック2-9のここがヤバい

ここからしばし、わたしの個人的な萌え&燃えポイント語り。

・弱ってる大尉の前髪、無精ひげ。あと横顔が本当に美しい

「僕はきみを尊敬してる」からの「ありがとう、俺もだよ」のときの大尉の表情

・「もうチケット買っちゃったからね」って絶対大尉を連れ出すつもりだった博士

・それに対して「この人は本当に……」って顔の大尉

・10時間ぶっとおしで尋問されてた博士も大概ヤバい

・「今空いてるパイロットがいなくて」と言われたときの博士のドヤ顔

・「僕たち上手くやったよね」「いいチームだったよな」と振り返るふたり

・もう一緒に仕事できない、大尉がパイロットとして転属になったらもう二度と会えないかもしれない、そんな状況での「こんな機会はもうないよ」だったんだな……。あれはふたりにとって「初めて」であり「最後」でもあったフライトだったんだ……(少なくともこのときのふたりにとっては)

・今回の博士→大尉のボディタッチは(S2は本当に毎話入れてるな。たぶん意図的に)双眼鏡を覗きこみながらのとんとん

・アレックスを飛行機から出したあと、運ぶのは早々に大尉に交代して座らせる場所を作る博士

・またしても銃を突きつけられるハイネクイン、しかしもはや慣れてきたのか不敵な笑みを浮かべて「僕らを傷つけても何にもならない」と説得する博士

・普通の大学教授だった博士が、地元の民間人に始まり軍人、スパイ、超能力者たちに銃を突きつけられ、メンタルがガンガン鍛えられている

・しかしフィジカルは全然鍛えられていない(ここのところめっちゃ山歩きしてるし、もしかしたら一般人よりははるかに強靭になっている可能性も)

・爆弾解体チャレンジするって、一度は推しにやってほしい夢のシチュエーションじゃん

7話で機械仕掛けの玩具を直せると言った博士の言葉がここでこんなふうに活きるとは

・爆弾解体にチャレンジしつつもちょいちょいミスるというお茶目さ(???)。なかなかないですよこのシチュは(普通死ぬので)。博士はこの分野では素人だもんね、仕方がないよね。

・でも自分が全員を救うんだって決めてすぐに行動できる博士はヒーローだよ!

・「少し離れさせて」と言ったアレックスに「俺はパートナーの隣にいるからな」と宣言する大尉……!

・アレックス!!!! 博士のそんなところ触って!!!(銃を抜く絵文字)

・バッテリーをはずすことになった博士が無言で上着を脱ぐのとそれを当然のように受け取る大尉

「あんたならやれる」と声をかける大尉

・そこからのサスペンダー祭

・コアの件は見ながらめっちゃ興奮した。ハイネックは物理学者だもんね、プルトニウム原子番号くらい普通に覚えてるよね

・手を差し伸べる大尉とその手を取る博士……

・「手を上げろ」と言われてコアをポロリする博士(笑ってしまった)

「仕事に戻らなきゃいけないみたいだね」と言われて「そうだね教授」と答えるときの大尉の顔が本当に嬉しそうで安心しててもう泣きそう

・いつも博士が先に来るのを、復帰後1日目は大尉が先に来て待っていたかったんだね。しかしやっぱり先に来ちゃう博士 

ふぅ……。

しかし飛行機が落ちる寸前のメイデイコールでもアメリカンアクセントを徹底するロシアのパイロットは優秀だな。

大尉がロシアの意図を察したのは、S1で自分もテストされた経験からだろう。

 

最近のエイダン・ギレン

www.abbeytheatre.ie

「フェイスヒーラー」が上演される予定だったアビーシアターから悲しいおしらせが。

新型コロナウイルスの影響で、「フェイスヒーラー」の上演も延期になったらしい。今のところ中止ではなく延期のおしらせなので、いつかは上演される希望はある……?

www.independent.ie

せっかくインディペンデントさんがこんな素敵なインタビュー記事で「フェイスヒーラー」について聞いてくれたのに。でもこの記事は本当にいいインタビューなのでぜひ読んでほしい。ギレンさんのフランク・ハーディ解釈も少し覗けるし、私生活についてもいろいろ面白いことを語っている。さらにギレンさんの映画10作チョイスも興味深い。

それについては別記事をあげて訳すつもりだったのだが、昨夜4つまで書いたところで寝てしまい、今記事を確認したら有料化されてしまっていた。昨日のうちに全部メモしておくんだった……。

そんなわけでここにこっそり4つ分だけ貼っておく。

天国の日々 Days of Heaven (1978)

テレンス・マリックによる牧歌的で夢のような悲劇。それからリンダ・マンツによるダイヤの原石のような印象的な演技」

 

狼たちの午後 Dog Day Afternoon (1975)

「ある時間あるいは場所から逃げなくてはならないというシチュエーションでの強盗ものの緊張感については、この作品以上のものはない」

 

ロンリーブラッド At Close Range (1986)

「1980年代後半の作品といえばこれ。ショーン・ペンクリストファー・ウォーケンがお見事」

 

ランブルフィッシュ Rumble Fish (1983)

「現実の何かなんだけど、それが夢だったとわかる話。この作品でミッキー・ロークマット・ディロンと、あとダイアン・レイン、ダイアナ・スカーウィッド、デニス・ホッパーに同時に恋に落ちたよ……。あのときは混乱した」

 

以上。

あとの6つは何があったんだったか……確かブレードランナーはあったような気がする。

 

現在ギレンさんは自宅でパートナーのカミーユさんとのんびり休養中らしい。ご本人も楽しみにしていただろう舞台が延期になってさぞ残念だろうが、せめてゆっくり休めますように。

 

ssayu.hatenablog.com