なぜ面白いのか

見たもの触れたものを保存しておく場所。映画、ドラマ、ゲーム、書籍の感想や考察。

旅人たちへの拍手と残った謎「オクトパストラベラー2」クリア後感想・考察

これは間違いなくただの若者

オクトパストラベラー2、クリアしたーー!!!

いい旅だったしいい仲間たちだった。

みんなと別れるのが寂しかった。

自分自身が旅行から帰るときの寂しさとちょっと似ている。

今日はそんな旅の振り返りと、まだ解決してないあれこれの考察。

ネタバレ満載なので、スタッフロールを見てから読んでね!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくまで「これも仕事」なテメノス、職務経歴に書けることが多すぎる

 

ラスボス戦が熱かった

マイパーティでのラスボス戦、偶然にも主人公テメノスが神聖魔法でラスボスを消し飛ばしたのがとても熱かった。

ボスの体力が黄色くなったところでブレイクして一気に削ろうとしたんだけど削りきれず、デバフ盛られまくって、慌ててパーティを切り替えて、そこからヒカリくんの斧投げとオーシュットの複数召喚でシールド削りまくって、どうにかブレイクして、でもその間にこっちも結構ダメージくらってて、このブレイク中に立て直すか? それとも削りきれるのに賭けるか? って選択を迫られた。

よりによって先頭で順番が回ってくるテメノス。テメノスがここで回復せずこのブレイク中に倒せなかった場合、立て直せずにワイプの可能性もあった。

迷ったけど、わたしはテメノスのフルブースト神聖魔法に賭けた。

SP事情は潤沢になるようにしてあったので、その時点でまだSP8割以上残ってたはず。
あそこで60000超ダメージ(ちなみにうちのパーティではそれが現状の最高記録になった)を叩き出して、塵も残らないレベルでヴィーデを粉砕できたことに本当にスッキリした。 

あの「神聖魔法」がどういう演算で成り立ってるのかぜひともオズバルド先生に講義してもらいたいんだけど、あれこそ「愛」だったのかなあ。少なくともわたしの中ではそういうことになっている。

カルディナを審問し(あれが「仇討ち」ではなくあくまで「審問」だったことが、テメノスの中ですごく重要だったはず)、真実を明らかにして、ようやく墓前に向き合って報告ができて、そのときに「解」に至ったんだよね。

その「解」が、つまりは「愛」が、最後に「暗黒」に勝ったんだなって。

こんなきれいな終わり方ある???

前作では何かと、雇ったり導いたりした人がボス戦でトドメをさしがちだったわたしにこんなことが起ころうとはね。 

 

 

全員集合エンディング

いいエンディングだったよなあ。

8人の旅が邪神復活のために利用されていたことがわかったあとで、逆に8人の旅が交わって人々を結びつけるきっかけにもなったのだとわかるという救いだよこれは。

エドマンドとグリフは和平交渉に出席するらしい。

パルテティオに弟子入りしたウィルは、メリアのところで育てた薬草を販売している。

ジゼルはジュバを一座へと勧誘している。まあしゃべるライオン……盛り上がるだろうけどいいのかそれで。一名いないことに誰も触れないのがちょっと悲しい。

プラックは「花屋」に、ミックとマックは「庭師」になっている。なりたいものになれたんだなあ。

シルルットとポムの出会いはいい結果になるのかわからないけども、人間を知ろうとするシルルットの態度があの闇が深そうな村にいい影響を与えるといいな。

コーヒー党のオズバルド先生は、ギルの店のうまいコーヒーに出会ってご満悦。

そういえばギルも「ピアノ弾き」になっていた。

ヨミとヘルメスが出会って、これはまた新たな演目が誕生しそう。

ゼトはアルピオネと運命の出会いをしてしまったのか。生きててよかったな、本当に。先は困難そうだが頑張ってくれ。

ミッカとパーラが一緒に来てたっぽいのもほっとした。

ミラが「おじいちゃんたち」と一緒に来ていたのもほっとした。しかしおじいちゃんたちとミラが実は兄妹であるという地獄。ミラもいつか知る日が来るのだろうか……。

オルトは「副機関長」としてテメノスに同行しているようである。あれテメノスを呼び捨てにするような関係に? いつの間に???

アルロンドと蓄音機の人と船大工の人が一緒にいて、その外にロックとパップがいて、マスウードも近くの店にいるので、これはパルテ&ロックカンパニーの重役連中がこの後一席設けて新しい商談をするんだろうな。その場にレグルスとフロイドもいるかもしれない。

あのろくでなし貴族のグレッグがパルテ&ロックカンパニーに入ろうとしていた。

パルテティオ、この興行でがっぽり儲けるだけじゃなくて、ここに集まってきた人たちをつないで新しい商売につなげるんだろうなあ。人と人をつないで、時代に新たな価値を生み出すのがパルテティオの理想とする「商人」なわけで、きっと時代にいちばん大きな影響を与えるのは彼なのだろう。

エンディング後にキャラクターたちの「その後」が見られるゲームが好きなわたしとしては、これは嬉しい演出だった。

 

 

エンディング後のテメノス

という感じでとても温かい気持ちでエンディングを迎えたわけだけど、ふと「テメノスの関係者が少ないな?」と気づいてしまい、悲しくなった。

全員分のスクショを撮ってあるのだけど、来てた関係者はオルトとシルルットだけだよね? いちばんここにいてほしかったであろうクリック君はもういないし、教皇もロイもいないし、旅立ちを見送ってくれたミントさんはアルカネットだし。

彼に帰る場所はあるのだろうか。迎えてくれる人はいるんだろうか。

同じように、ソローネの関係者も少ない。ミラとおじいちゃんたちだけかな? 彼女もどこに帰るんだろう。もともと「帰らなければならない場所」から自由になるために始めた旅だったから、「帰る場所がない」のは彼女にとってはいいことかもしれない。

当面はキャスティ先生の旅に付き合って人助けとかかな。

オリが一命をとりとめたなら、彼女と一緒に神出鬼没の新聞記者をやってもいいな。

 

しかし、テメノスは?

もちろんほかのシスターや子供たちはテメノスの帰還を待っていただろうけど、今もフレイムチャーチで過ごしてるんだろうか。

ミントさんの正体がわかった今、聖堂機関も教会組織全体ももう一度洗い直さないといけないし、ゲーム内で表面化してないだけでミントさんの息がかかった内部関係者は山ほどいるだろうし、場合によってはまた連日裁判になるだろうし、また相当忙しくなりそう。

(作中で闇深NPCがやたらと多かったのも、何割かは暗黒推進委員会の影響だったりするのかな)

フレイムチャーチを離れて大聖堂やティンバーレインに詰める日々だったりして。

テメノス、次期教皇に推されそうだなあ。コンクラーベ不可避だなあ。

根本的な組織改革をするにはそれがいちばんいい気がするし、今の教会に残ってる人ならテメノスのもとで結束できるでしょ。

「これも仕事に含まれますかねえ」とか言いながら引き受けるのかな。 

個人的には、ソローネと組んで「次なる真実」を暴く旅とかやってほしいんだけどな。探偵と助手コンビもお気に入りだったので。

オルトがこう言っているということは、割と普段から一緒にいて、でもテメノスは時々ひとりでふらっといなくなったりする感じなのかな。

もし本当に教皇に就任してしまったら大聖堂勤めになって、イェルクやクリック君の墓参りもなかなかできなくなるかも。

みんな何かと口実をつけてテメノスの様子を見にきてほしいし、外に連れ出してほしい。 

 

 

アルカネット組合の意向

エンディングも見たし(実はまだあのドアの先のボスは倒してないんだけど)、オリの手記などを読み返して、暗黒推進委員会のみなさんがどういうことをしていたのか少し考えてみたい。

アルパテスの存在を捕捉されていた時点で、暗黒推進委員会のみなさんは炎に再点火する方法について知ってたし、それを阻止しようとしていたのは確定ってことでいいのかな。

そうなると、旅人8人の存在はどれくらい認識されてたんだろ。

もちろん計画を妨げる危険人物としてマークされてはいただろうけど、彼らが八神の意思を継ぐ者だっていうところまで認識されてたのかな。

オリがずっと監視してたなら、彼らが八神の像を発見してEXアビリティを継承してるのを普通に目撃しててもおかしくない。

ヒカリくんならカザン相手に「信じられなくても不思議ではないが、こんなことがあって…」とEXアビリティのことを話してたりするかもしれない。

オリたちは5年前の時点でオズバルド先生が死刑になることを望んでいたようだけど、その頃から彼らが八神の意思を継ぐことになるとわかってたんだろうか。それとも単にオズバルドがいると黒血本の完成が妨げられる可能性を案じていたのだろうか。

 

前の記事でテメノスは暗黒推進委員会メンバー入りを目されてミントさんに監視されていたのではないかと書いたが、むしろ八神の意思を継ぐ可能性がわかっていたから要注意人物だったのかな。

主人公側の頭文字 OCTOPATH の対になる、敵側の OCTOPATH(オボロ、クロード、タンジー、オリ、ペトリコール、アルカネット、トルーソー、ハーヴェイ)も、たぶん本来は八神の意思を継ぐ可能性があるくらい、各ジョブの才能ある人たちだったんじゃないかな。その可能性を潰して、うまいこと暗黒側に取り込んだ感じ。

しかしそのことで、逆に今作 OCTOPATH のみなさんを成長させることになったという。

そういう解釈もできそう。

 

物語を血筋の物語として読み解くのも面白いと思う。

ダーケストの血をひいてるのがク家とクロードファミリーで、ひょっとしたらアルカネットも過去に子供をつくってたりして、エルフリックの血をひいてるのがルミナ家で。

クロードにダーケストとヴィーデの血が入ってるってことはソローネにももちろんその血が入ってて、だからこそ彼女はヴィーデの器になり得たのだろうけど(そこのところもうちょっと掘り下げてほしかった)、そのソローネがエベルの意思を継いでヴィーデを倒すのが面白い。ヒカリくんにもダーケストの血が入ってるのに以下同文だもんな。

結局は血筋よりも意思の方が強いっていう話だったのかな。 

 

しかしそうなるとこう……テメノスもクロードファミリーかルミナ家の血筋なんかな。

テメノスは「ピルロに似てる」とは言われてなかったけど銀髪だしなあ。テメノスとソローネは夜にバフデバフを撒くしなあ。

アルカネットの子だったりしたら最悪だな!!!!

いやドルシネアに操られたときは闇弱点だったからやっぱりテメノス自身は光属性なのか?

まあでもテメノスの血が何であれ、彼は神聖魔法を覚えてヴィーデを葬るわけだしやっぱり愛の力が最強ってことにしとこう。

 

 

ソローネ、クロード、マリエッタ、セバスチャンの関係

↑ではソローネにもヴィーデの血が入っていることを前提に書いたのだが、結局のところ彼女の出生の秘密が最後までわからなかった。本当にソローネはクロードの子なのか???

クロードもアルカネットもソローネを一目見て「クロードの子」だとわかったようだけど、それって外見を見れば血筋がわかる特殊能力だったりするの? もしそうなら以下のは全部適当な妄想ということになるけども、まだわからないから妄想するよ。

 

クロードはダーケストの孫。ダーケストの娘がアルカネットで、アルカネットの子供がクロードなのか? ふたりとも直接ヴィーデの血を与えられたので不死になった感じ?

「王子様とお姫様」はクロードと誰かなのかと思っていたが、アルカネットと誰かだったりするのか。それでロストシードで生まれたのがクロードだったのかも。

ロストシードはもともと「王子様とお姫様」についてきた者たちが暮らす町だったが、やがてヴィーデの器候補のうち使いものにならない人が暮らす町になった?

クロードの子供たちのうち、出来のいい子が「黒蛇」の組織に送られて、全然機能しない(あるいは血が濃く出すぎて不死になったりした?)子がロストシードに残って、それ以外の子は適当に捨てられたりしたのかな。ファーザーは黒蛇外で育っているし、ファーザーみたいな「一見器になりそうになくて適当に捨てられた」人がそのへんに普通に暮らしてるんだろうな。世界の治安が悪い一因かもしれない。

 

マリエッタがセブに魅かれたのは本心からだと思っているのだが、そうなると彼女がロストシードを訪れた理由がわからない。マリエッタもクロードの子だったりするのかと思ったが、それは違うはず。

クロードは「自分の子供のうちここまで来られたのは4人」で、「前の3人は自分が殺した」と言っていた。だからマリエッタはクロードの子ではない

では彼女は何をしに行ったのか。オリの手記を読んでいて思いついたのが、黒血杖アルカネットが持っていたのがそれかな?)を盗んだのがマリエッタではないかという説。つまりマリエッタは杖を盗むためにクロードのもとを訪れた。

たとえば教会(というか教皇?)からの依頼で黒血杖を盗むことを依頼されて出かけていったとか。あるいはその依頼すらもアルカネットの思惑通りだったとか(「盗賊」の才能がある人をクロードと出会わせて、あわよくば洗脳したり子供つくったりしてほしい的な)。

しかしあそこに乗り込んできた以上、子供をつくらずに帰るのは至難のわざ(何だよこのひどい設定は)。もし本当に杖を盗むために訪れたなら、キャスティ先生のように「間違えて来ただけなんで帰ります!」とも言えないわけで。

文字通り相手の懐にとびこんで信頼させて、子供まで産んで、それでようやく盗めたとかかな。でも実はそのときに産んだのはセブの子だったりしないかなー。時系列が全然わかんないけども。

あの教会でマリエッタとクロードがソローネを抱いて会話してるとき、マリエッタの方から「盗めないもの」の話を始めた。あれを聞いて「あ、この子はやっぱりクロードの子じゃないかも」と思ったんだよね。

「盗めないものとは私の心です!!!!!! この子はお前の子じゃないんだよバーカ!!!!!!!!!!!!!」

みたいな。

マリエッタがセブに言った「盗めないもの」が「赤ちゃん」だったことと合わせて考えると、やっぱりソローネはセブの子なんじゃないかなあ。そういう読解問題じゃない? セブとの逢瀬と杖を盗む仕事が完全に並行していたなら可能ではないのか。なかなかスケジュール管理が大変そうだが。

マザーとクロードもつながりがあったはずなので、クロードとマリエッタが「子供をつくった」ことは知っていてもおかしくない。で、「マリエッタの子供はあなたの子じゃないのよ!」的なことをファーザーに告げ口してマリエッタを「嵌めた」。マリエッタは死に、杖はマザーが回収してクロードのところに戻った。

どうかな~~~。もうわたしの中ではそういうことにしとくかな。

アルカネットもたぶんクロードやオリから「このソローネって人が最終的なヴィーデの器候補です!」と報告されていたから(しかもわたしのセーブデータではその「ソローネって人」はテメノスと一緒にしょっちゅうフレイムチャーチにも来ていたし)一目見て「この人だ!」ってなっちゃったんだよ、たぶん。

 

本当にそうだとすると、いざ邪神が復活したときに「こちら何年もかけて用意した最強の器になります!!!」と用意されていたとしても「あれっ入らんやんけ!!!」ってなったのかな。結構気まずいねそれ。

ていうかね、もしソローネが実際にヴィーデの血をひいていて「器」になるものだとしたら、ヴィーデが出てきて即座にソローネの体に入るんじゃないかと。わたしはその展開をめちゃくちゃ心配してたんだけど。最後にソローネを殺さないといけなくなったらどうしようかと本当に怖かったんだけど、そんなことはなかったぜ! めでたしめでたし。あれ、そうなるとテメノスもクロードファミリーではないってことになるね?

いや待て、ラスボス戦はがっつり物理攻撃が通ったし物理攻撃を受けたりもしていたから、ヴィーデは「器」がなくてもちゃんと実体を持っていたような……となると「器」の必要性とは……。もっとしっかり活動しようと思ったら「器」が必要になるのかな????

 

自分の中にもいろいろ説があってどれも決め手に欠けるのだが、もう自分の心の平安のためにこの説を自分の中での正史にしておく。なんかもうちょっと決定的な情報が出たら、そのときにまた考える!

 

 

【230415追記】

他サイトさんの考察なども読んで、オボロがクロードの子供だった説になるほどと思った。

note.com

というかそうか、わたしはソローネがヴィーデの器になることを心配するあまり全然思い至ってなかったんだけど、普通にオボロが器になってヴィーデが出てきたんだよな!

オボロがクロードの血を引いていないのなら、結局器なんて誰でもよかったんかい! という話になってしまう。そしてもし肝心の器がポンコツでヴィーデの顕現がうまくいきませんでした! というオチになってたらク国の鷲さんの策としてあんまりなので、これ本人も自身がクロードの血を引いていた自覚があったのでは。うまくいく確信がないと自身を計画最後の鍵には持ってこないよね。

しかしクロードに名乗り出て最強の器として完成する気はなかったんだな。まあでも「死ぬことにした」とかいうクロードの目的に付き合う必要はカザンにはないわけだし。

結局ソローネの父親はどちらなのか、オボロが器になってしまったことで作中でははっきりしないということになる。

まあでもやっぱり、自分の中では父親はセブだな。

シナリオライターは、作品の中に不要なセリフを入れることはない。もしソローネの父親がクロードだったら、「盗めないもの」をめぐる一連の、あれだけ何回も出てきたやりとりが全部意味をなさないわけ。

あのやりとりをなぜ入れたのか、逆になぜカットしなかったのかを考えると(あのやりとりって全カットしてもストーリーは破綻しないはず。むしろちょっと話のテンポを落とすことになってた気がしたから、テンポを落としてでもあえて入れたのだと思っている)、それが答えなんだと思わざるを得ない。

 

 

 

ssayu.hatenablog.com