なぜ面白いのか

見たもの触れたものを保存しておく場所。映画、ドラマ、ゲーム、書籍の感想や考察。

フィルのハッピーエンド「刑事トム・ソーン」原作13巻 Time of Death 感想

「The Bones Beneath」がとても面白かったので、そのまま続巻を一気読み!

こっちも面白い! 萌えと燃えがすごい!!

「The Bones Beneath」の事件から数か月後、ヘレンと休暇に出かけるトム。いい雰囲気で食事をしてホテルの部屋に帰り、シャワーを浴びて出てきたところで、ヘレンがテレビのニュースに釘付けになっていた。

ここのところ話題になっていた連続少女誘拐事件の容疑者ステファン・ベイツが逮捕されたという。容疑者はヘレンの旧友リンダの夫だった。今すぐ地元に帰らなきゃ、と支度を始めるヘレン。

お預けをくらったトムはヘレンとともに田舎へ向かい――?

という導入。

要するに、トムたちはこの容疑者の無実を証明できるのか? というところが今回の焦点。

途中からフィルくんも休暇をとってトムのところへ「来ちゃった♪」するし、病理学者として大活躍するし、フィルくんファンにはおいしい一冊だった。

以下、事件のネタバレはなし。フィルくんがどうなるかだけ全部ネタバレしての感想。

 

 

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友情と選択「刑事トム・ソーン」原作12巻 The Bones Beneath ネタバレ感想

エイダン・ギレン目当てでドラマ「刑事トム・ソーン」を見た。

ギレンさんはゲイの病理学者(検死もするよ!)フィル・ヘンドリクス役。

この役が、作画はいいし、作中での活躍っぷりも素晴らしいし、主人公トムへの秘めた片思いもほのめかされていたりと大変おいしかった。

どうやら原作があるらしいと知り、1巻だけ出ている邦訳版を読んでみた。

ドラマ版 sleepyhead とは展開も犯人も違って、二度おいしい話だった。

原作1巻のフィルくんは、眼鏡+ピアス8つ+タトゥー+ポニーテール+変な帽子を集めるのが趣味という、ドラマ版よりさらにパンチの効いた外見。トムより10歳年下。ギレンさんにその格好してほしかった。

2巻以降は邦訳はないのだが、どうやら12巻でフィルくんがトラウマを負うような事件が起こるらしい。

で、いてもたってもいられなくなってKindle版をポチったという次第である(外国語の本をKindleで買うのは初めてだったけど、その場で辞書を呼び出せるから読むのが楽だということがわかった)。

そうしたらもうこれがどストライクのお話で、フィルくんのシーンをもう何度読み返したことか。よくわからない言い回しも多々あったが、フィルくんのシーン以外は大体の流れさえ掴めればOKという緩い態度で読み進めた。

そんなわけでいろいろと誤解や誤読もありそうなのだが、たいへん萌えたのでそのへんを語りたい。全部ネタバレしているのでこれから読む方は注意。読む予定はないけどドラマ版フィルくんが好きで、あのあとどうなるの? と思っている方はうぇるかむ。

 

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ふたつの滴「裏切りのサーカス」ネタバレ感想

ここのところ、通勤時のゲームタイムが映画タイムになっている。

iPadに映画を一本DLしておくと、行きと帰りのバスの中でだいたい見終えることができる。ただしだいたいいいところで勤務先に着いてしまうため、一日中続きが気になるというのが問題点だ。

さてそんな感じで「裏切りのサーカス」を見た。二連続で。

こんなにも見た直後にもう一度見たくなる構造の映画も珍しい。そして二度目もきっちり楽しませてくれた。

ゲイリー・オールドマンがとにかくかっこいい。

スマイリーと、彼の対になる存在としてデザインされたカーラの関係がたまらなくわたし好みだった。

ただ今日書こうと思うのはそれとは別の件。

ビルとジムの関係について、自分の考えを整理しておきたい。すでにネット上にはたくさん感想があがっているから目新しい内容ではないと思うが、二回見た時点での考えを残しておけば、一年後くらいに自分で読み返してニヤニヤできるだろうという目論見である。

ビルとジムのおかげで二度目を見ることになったという人はおそらく多いはず。あの引きの美しさで、最初からこの二人を追いかけて見直さなきゃ、と思った。

そんなわけで以下は何もかもネタバレした感想になる。

なお原作は未読。そのうち手を出したい。

 

 

 

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恋する青年の信仰告白「ペイン Buddy Boy」感想

エイダン・ギレンの若い頃の作品を見ようキャンペーン中。

「ペイン(原題 Buddy Boy)」は1999年の作品だから、30代になったばかりのギレンさんが拝める。「ファイナルステージ」よりさらに若い。

吃音があって繊細そうでいかにも薄幸そうな主人公フランシスは、「ファイナルステージ」のデイヴ・ターナーと同じ顔なのに完全に別人。表情も幼くて、とても30代には見えない。

 

この映画、パッケージには「戦慄のサスペンススリラー」と書かれているから、たぶんサスペンススリラーなのだろう。

しかし見た人の大半は「ここで終わり!?」と叫び、その後8割以上の人が「何が何だか……」と呟くことになるのではないだろうか。わたしのことである。

まとまった感想をひねりだすことすら難しい映画なわけだが、このジャンルに詳しい人ならもっとまともな感想を書けると思うので、どうかお願いします

以下はネタバレ感想だが、見てない人がこれを読んでも意味不明すぎてあまりネタバレにならないと思われるので、これからすぐに見る予定の人以外は読んでも構わないような気もする……が、ネタバレせずに見た方が驚きが大きいだろうと思われるシーンはあるよ! とは言っておく!

 

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何も知らない J・J・カーティス「映画・ファイナルステージ」感想

2002年の映画の感想を今頃書いて誰か読む人がいるのか不明だが、わたしが見たのは昨日なので今から書く。

「ファイナルステージ(原題  Final curtain)」、わたしはもちろんエイダン・ギレン目当てで見た。主演映画ではないし、若き日のギレンさんのクズい役を楽しむか~くらいのノリで見始めたのだが、めっちゃくちゃ面白かった。

シナリオは面白いし、ギレンさんの役もただのクズではなくてものすごい振れ幅だった。一作でギレンさんがあんなにもいろいろな表情を見せてくれる作品はレアである。

「ゲームオブスローンズ」でリトルフィンガーにはまった人におすすめの一作をあげるなら、まずはこれと言ってもいいくらいだ。

メインの二人が本当にクズな上に、畳みかけるアレな展開に気が滅入るかもしれないが、「ゲームオブスローンズ」がいける人なら余裕余裕!

以下はネタバレ感想だが、これはネタバレしない方が楽しめるタイプの作品なのでご覧になってからどうぞ!

 

 

 

 

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混沌の時代に贈るおとぎ話「シェイプオブウォーター」感想・考察

ようやく見に行けた「シェイプオブウォーター」。劇場で見ることができて本当によかった。

すでにいろいろな人が感想をしたためているが、わたしもそこにひとつ投じておきたい。

ネタバレ全開につき注意。

 

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本当の "Wrong Number" は別にある?「ホットラインマイアミ」キャラ語り05

今日は名優マーティン・ブラウンとリヒター・バーグのお二人について。

つい先日親知らずを抜いたばかりで、薬で頭がぼーっとするし薬が切れるたびに痛みでのたうち回るしかない状態のわたしは、PCに向かって文章を書くくらいのことしかできない(いつもとかわりないじゃん)。

抜歯の際、音が怖いのでイヤホンをつけていてもいいですか? とおそるおそる尋ねてみたところ、医者は「麻酔後ならいいですよ」と快諾してくれた。そういうわけでわたしはマイアミのサントラを大音量で流しながら、一時間にわたる抜歯に耐えたのである。

ただし歯を削ったり引っ張ったりするときの音は自分の骨を伝って直接耳に届くため、嫌な音が聞こえなくなるということはない。それもわかっていて試してみたのだが、抜歯に一時間もかかるということであれば、ちょっとでも気が紛れる方がよいというのが今回の結論だ。

なおこういうときに普通に好きな曲を流した場合、その曲がトラウマ化することが懸念される。だがマイアミサントラはすべてがもともとトラウマサウンドである。どの曲もがくがく震えながら聴いた思い出しかない。歯医者で流すのにうってつけの曲と言えよう。しかもドリルの音もこのサントラと合わせれば「ゲームの効果音かな?」と思えなくもない。実際、作中でドリルを振り回す機会もあったことだし。

リチャードのテーマが流れる中で「抜けましたよ~」と言われたときは、内心でリチャードさんに手を合わせた。

 

わたしのどうでもいい日記はこれくらいにして、キャラ語りいってみよう。1も2もおおいにネタバレありにつき注意。

 

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