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「プロジェクトブルーブック」2-2 ロズウェル事件・後編

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https://twitter.com/emilyjtennant/status/1222214373277487105

「プロジェクトブルーブック」2-2が大絶賛である。

脚本が上手い上に美味い。ハイネック博士の倫理観、思い切り、覚悟の決め方がどれも推せる。

大抵の事件が真相不明なままだったS1と違って、「この事件はこういう真相だった」とオチまでちゃんとついている(現実のプロジェクトブルーブックも真相不明な事件が多い以上、不明なまま終わるシナリオが多いのも仕方ないのだが)。

こんな感じのがもっと見たい! と思わせてくれる好調なS2の滑り出しで、今後への期待が高まる!

予告編はこちら。

 

以下、重大なネタバレを含む感想。

 

 

Pの実況

恒例の、番組Pによる実況、解説をまずはまとめておく。

ロズウェルのロケ地はバンクーバー南のスティーヴストンという町だった。町に現れた空飛ぶ円盤に興味津々な地元民……そりゃそうだ。

 

あの空飛ぶ円盤はCGではなく本物を作って使ったとのこと。運ぶのが大変だっただろうなあ。

 

このへんは史実なので恐ろしいところ。

 

50年代の曲をそのままカーラジオで流したりするの、いいよね。

 

骨を掘り出したシーンのロケ地について。ロケ中は風が強かったらしい。

 

水責めシーンのために実際にあの水責めの練習をしてどれくらい息を止められるかやってみたという役者さんの話。無理しないで……。

 

唾を吐きかけるダンカンのシーンはアドリブだったらしい。

 

あの葬儀屋とそのエピソードも、複数の証言に基づいているとのこと。空軍基地での話も実話なら、だいぶ警備がザルだったんだな……。

 

解剖シーンも実話だそうだが、実際のナースは自分のさせられたことでトラウマを負い、その後謎の失踪を遂げたらしい。

 

ロズウェルは広島に原爆を落としたエノラ・ゲイの拠点だった。このあたりでテストも複数回行われたらしい。ロズウェルに墜ちたものが何であれ、この地に興味があったのかも。

 

今すぐ使える英会話。

 

鍵のかかったドアの前で博士が口走った "Confound it!"(しまった!)は、実際のハイネック博士が困ったときに言う言葉だったらしい(息子さんたちの証言)。やっと使う機会があってよかった。

 

今週の教訓:宇宙人の証拠を示す映像を発見した場合、その後強いバーボンを1杯(または3杯)飲むのが良い。

 

クインとハーディングの対面シーンはワンショットで撮られたらしい。結構な長回しである。

 

このシーン本当に痛そうで……。ギレンさんの演技がほめられているのを見るのは嬉しい。れんが袋のように落ちたってすごい表現だな。

 

今週の教訓:ヤバいことが暴露されそうで急いでいるときは車から人を追い出している時間はない。その相手にどれだけ怒っていたとしても。

大尉もよく博士のこと轢かなかったよな。

 

これな。これだよ。博士を推せるポイント。この倫理観。

 

これが今週のオチ。ドラマPBBアースにおけるロズウェル事件の「真相」。こんなふうに「真相」を語ってくれるタイプのエピソードがこれからもあるといいなあ。

ヨーゼフ・メンゲレ博士については胸糞すぎてあまり深入りする気にならないが、とりあえずウィキペディアだけ貼っておく。

ja.wikipedia.org

「エイリアンの解剖」テープは実際に存在しているらしく、現実における「真相」は結局よくわからない。ロシア側がアメリカの混乱を招くためにやった説はありえなくないとは思うのだが。

 

今週の見どころ。博士の履歴書がひどいことに。

 

この騒動の後、クインにとって十分なバーボンがロズウェルにあるとは思えない。ほんとそれな。家に帰ったら帰ったでロシアのスパイが待ってるし! 空軍大尉も楽じゃない。

 

次回(本国ではさっき放送が終わったばかりだけど)、ハイネクインがエリア51に向かう!

 

こっちはギレンさんのインタビュー記事。

www.mensjournal.com

公式ポッドキャストの2話はハーディングとヴァレンタインの中の人たちがゲスト。

S2になってからハーディングがフォーカスされていいキャラになってると思う。

 

ハイネック博士の立ち回りを整理

ダンカンの狙いがわからず、でも生放送で何かを仕掛けるつもりだということは察して、タイムリミットを意識する

→ハーディングを挑発して大尉とふたりきりで抜け出す

→ジュディとフィルム発見。ダンカンの狙いを理解する

→ここではこのフィルムは本物だと考えて、フィルムが公表されるように動く

→帰ってきた大尉と車の中で話す中で、フィルム公開で事態が悪い方に動く可能性を考える(ワシントンでも戦争が起こる可能性を考えてカバーアップを選んだ博士なので…)

→テレビ局に着くなり覚える既視感。ライトと時計を見てフィルムがフェイクだと気づく

→フィルム上映直前に放送ストップ

 

こんな感じかな? 実際にテレビ局に着くまではフィルム公表したいと思っていたはず。

確かにあれが公開されたら事態は大きく動いたと思うけど、「嘘を使って真実を暴くのはダメ」って判断はさすがの科学者。博士って捏造論文の査読とかもしたことあるのかな、とか想像した。

もしあれが公開されていたら全国であのフィルムが検証されて、きっとどこかの時点であれはフェイクってバレたと思うんだ。そうしたら一気に「真相の解明」まで下火になってしまう。 

 

クインはあのあとごめんなさいしたかな。

でもあの時点では博士は本気で大尉を出し抜くつもりだったわけで、たぶん今後ももし証拠が本物だと思えたら同じことをする可能性もあるわけで、結局大尉の警戒心を高めたことは変わらないかも。

とはいえひとまず今回は仲直りできたはず。

 

個人的な今回の見どころは、ついにハイネック博士がクインを「マイケル」と名前呼びしたこと。この日を待ってた。いつどんなきっかけでそうなるのかと。

あのときの博士は、「真実」を公表すべきだと大尉にもわかってほしくて必死だったのだろう。

大尉は大尉で、自分の仕事どころか所属機関が吹っ飛ぶ危機感を持っていたわけだし、フィルム公開で発生する全国的なパニック→そこをソ連に攻撃されることを恐れていたので必死だった。

大尉がめちゃくちゃ怒って帰ってくるのを覚悟している博士の顔とか、車に乗り込んでくるときの、また殴られるのも覚悟している博士の顔とかがすごく好き。フィジカル最弱なんだけど、メンタルは最強なんだよな、博士……。

クビになってすぐに復職する博士……まあ大尉もS1で停職になってすぐ復職したしね! ふたりともこの先何回クビになるやら。強く生きてほしい。大学での本職があるからって無茶する博士は少し大尉の立場も考えてあげてね!

 

最近のエイダン・ギレン

www.instagram.com

セントルシア島にバカンスに行ったギレンさん。以前はメキシコを1か月旅していたというし、あのあたりが好きなのかな。

 

……と思ったらスコットランドにいるだと!?

放送されたラジオはここで聴ける。ギレンさんのインタビューは1:54:50~。

wmmr.com