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「プロジェクトブルーブック」2-7 スキンウォーカーの呪い

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https://twitter.com/davideoleary/status/1235083406947446785/

「プロジェクトブルーブック」S2ももう7話。最終回が見えてきて寂しくなったりしている。S3が制作されますように!! 近年のヒストリーチャンネルさんの番組の中では異例のヒット作だし、もうしばらく続いてもおかしくない気はしている。

さて会話劇中心だった6話とはがらっと雰囲気を変えて、7話は演出というかドラマの文法が何から何までホラーで、ホラー苦手なわたしは震え上がった。

「プロジェクトブルーブック」というドラマは「SF冒険活劇」「サスペンススリラー」「陰謀論」「マスメディアとそれが引き起こすマスヒステリー(まさに「現在」放映するのにふさわしい内容であるなあ)」「推理もの」「冷戦期スパイもの」「異能バトル(バトルではない)」などさまざまなジャンルの話を作れるポテンシャルを持った作品枠だ。それが今回は「ホラー」側に大きく舵を切ってきた。↑の予告画像がすでにだいぶホラーじゃん!

予告もだいぶホラーじゃん!

というわけで覚悟を決めて、以下ネタバレ感想。

 

 

プロジェクトブルーブック関連記事&動画

ネタバレ感想の前に、最近の新着記事も貼っておこう。すぐにあれどこいった? ということになるから。

www.sbs.com.au

先週なかなかの勢いでバズっていた記事。

アメリカのテレビ・ラジオ局であるSBSのニュースサイトで公開された、あまりにも完璧なハイネック推し記事。そのハイネック萌え&エイダン・ギレン萌え全開っぷりに、世界中から共感の声と爆笑が寄せられた。

途中まで理路整然とハイネックを推せる理由を説明していたのに、最後にいきなりガバるのがたまらん。それ最後が言いたいだけやろ? 全エイダン・ギレンファンが読むべき歴史的記事である。

 

1428elm.com

こっちは7話のスキンウォーカー事件に関する史実のまとめ。予習用にも復習用にもどうぞ。

ちなみにスキンウォーカー事件はいろいろな形で映画化もされているらしい。大体がホラーである。

www.cinematoday.jp

www.cinematoday.jpあらすじを読む限り、2013年の映画の方は史実に近い感じみたい。

 

www.usatoday.comオレリーPが選ぶ、旅行にいくべきUFOハンティングポイント。これまでのドラマの舞台になった地域もあれば、未登場の場所もある。これから舞台になる場所だろうか?

 

ミミ役メネルさんのインタビュー。ポール・ハイネックにリアルミミさんの持っていたブローチやトーテムポール(!)をもらった話をしている。実は「ゲームオブスローンズ」を見ていないことも判明。この仕事が決まったときにみんなからゲースロ(というかリトルフィンガー)の話をされたらしいが、あえて見なかったらしい。自分の夫役の人をヴィランとして見たくなかったみたい。

 

www.history.com

これもスキンウォーカー事件の史実解説記事。

 

parallel-w.com

今回わたしが予習に使った日本語サイト。ここ1年でこの手のサイトに訪れる機会が増えたな(この手の予備知識が全然なく日本語字幕もないまま見ているので、予習しないと話が見えるまで時間がかかる)。

 

エイダン・ギレンがSFXマガジンでインタビューされたらしい。なんかもうこんなことって……「ゲームオブスローンズ」時代にはもちろん想像もしたことなくて……感無量というか……。ちなみにインタビューのお相手は、いつもポッドキャストの司会を務めているベネットさん。

 

Pの実況&解説

前置きはこのくらいにして、Pの実況と解説のまとめいってみよう。

今回の舞台となったユタ州の森は「陸のバミューダトライアングル」とも呼ばれているらしい。スキンウォーカー事件はネイティブアメリカンナバホ族の伝説に由来するもの。

オープニングシーンの「エイリアン」は着ぐるみを着た役者さんが実際に演技をしたものとVFXを混ぜて作ったものらしい。Pは「どんな感じ?」と尋ねているが……

Pの問いかけへのお返事。漏らしてしまったファンもいた模様。

今回のゲストのご紹介。

今までにないホラーテイストで1話作るのは意図してやったらしい。ホラージャンルを取り入れるのはライターさんたちにとっても刺激的だったとか。

今回のライターさん紹介。ハーレイ・ペイトンって「ツインピークス」の脚本家だったらしい。

スキンウォーカー事件に関する詳しいサイト。

このへんのだまし合いは正直胃に穴があきそうだった。ここももう出会ってしまうのか……!

ランプや電灯の類いは大体「空飛ぶ円盤」形になっているのが「プロジェクトブルーブック」のお約束。フェイのデスクランプも円盤型。

ダイアウルフと聞いて身構えるゲースロ民(わたしである)。

このツイートを見たときは何か価値観の大転換が起こったのかと思ったが、そういう意味ではなかった。

ナバホの伝説の解説。「姿を変えられる」というところがポイントなんだろうな。

スキンウォーカーハンター役の方の紹介。カナダの役者さん。この人のメイクも話し方も怖かった。

スージーとヴァレンタインのシーン、確かによかった。まさに good cop と bad cop だった。でもスージーはスージーで尻尾をつかませないんだよな。

あの眼鏡の科学者さんの紹介。

ドライブ中のふたりの会話は息が合っていて好きだったのだが、そのあとが怖いよ!!! 巻き込まれなくてよかった。

あの「地震」を作ったVFXチームも楽しんだらしい。あの地割れもCGなの……?

エヴァンからミミへの気の抜けたあいさつ……。

バンクス登場でうやむやになった気もするけど、エヴァンはエヴァンで正体不明のままなんだよな。S2のうちに判明する?

ここのミミさんが本当にかわいそうで……。市民UFOグループが政府への不信を募らせるのはわかるけど、ミミさんをのけものにすることないだろ!

ホラーじゃねーか!!(一週間ぶりn回目)

何が「あなたの親切な隣人」だwwww

ビリーがあそこで見ていたのは実在するSFドラマ「スペースパトロール」。S5まであるらしい。オレリーP的には面白いシリーズだったらしい。リブートする?

毎週おなじみの「単語の意味がわかっても意味がわからんシリーズ」。博士の説明は毎回がんばって辞書をひきながら読んでいるのだが、そ、そうなんだ……で終わることがしばしばである。

地震時に放出されるエネルギーが発光現象を引き起こす可能性とか地震中に放出される可能性があるエチレンガスのポケットが幻覚を引き起こす可能性とか……?

地震を介して知らないうちに幻覚を見せられるとしたら、それは武器になり得るという話。なるほど、もし実用化されたらすごいことになりそう。

この博士はかっこよかったな!

オレリーPはもう「エリア51の秘密」を放送してしまったから口止め料はもらえまい。

この科学者さんのせりふも、中の人の出演作「ポルターガイスト」へのオマージュだったらしい。小ネタ入れてくるなあ!

あの土地は1995年から2016年まで億万長者ロバート・ビジロウが所有していたらしい。この人は米国ディスカバリー科学研究所を設立してUFO研究を進めさせていたくらいの人で、この土地もそういう目的で買ったみたい。この人のウィキペディア記事がなかなか興味深いので貼っておく。ていうかいったい今は誰が所有してるんだ。

en.wikipedia.org

……と思ったら、今はアダマンティウムホールディングスとかいうペーパーカンパニーに売却されて、それ以来警備が厳しくなっているとか。いったい何が起こってるんだ。

というわけで今週のお話はこれでおいしまい。次回は何やら特別な回みたいだけど、ついこの前70年代の博士を出すスペシャル回をやったばかりなわけで、ちょっとやそっとのスペシャルでは我々は驚かないぞ!(ハードルを上げておく)

今回のポッドキャストはヴァレンタインの中の人と、UFO研究家の方がゲスト。

研究家の方の話の抜粋かな。

今回の史実コーナー。

ヒストリーチャンネルさん、3/31にスキンウォーカー事件の番組をやるみたい。

今回の舞台裏。エイリアンに向かって躊躇なく発砲するのがアメリカ人だよな、とか。

ブルーブックを見ていると、アメリカみたいに歴史の短い国でもこういう不思議な話や伝説の類いは結構あることがわかって面白い(今回はネイティブアメリカンの伝説だけども)。

そして8話予告が来た! なんでどいつもこいつもハイネック家に押し入って銃を出すんだよ!! ハイネック家はそろそろ鍵交換するべき。

 

www.youtube.com

今週の5分でわかる7話まとめ。大尉のピンチは入ってるけど博士のピンチはカットされてる! 本編でチェックしてねってことか。両手を口元にそえてメガホンを作ってチャップマンさんを呼ぶ博士がかわいい(56秒~)。

 

50年代のTVディナーを試食するギレンさん&マラーキーさんの動画。

「この手の食べ物でいちばんおいしいのは端っこの焦げたところ」と言って食べてみるマラーキーさんと、誰も手をつけそうにないまずそうなターキーに果敢にチャレンジする(そして実際まずそうな顔をしてナイフとフォークを揃えて置いてしまう)ギレンさんというキャラがよく出ていて面白い。

カトラリーをシェアしちゃうのはヨーロッパ式なのかいマラーキーさん……(ウインクにやられた顔)。

 

感想

ホラーが苦手なわたしは相当ビクビクしながら見たわけだが、たまにはこんな回もいいよね。制作側もいろいろな手法を試したいのだろうということが伝わってくる。

博士も大尉もあれだけ危険な目にあって無傷で帰れたのはすごい。オオカミから徒歩で逃げきった上にあの段差を落ちて捻挫のひとつもしていない博士、強い。

ふたりきりで捜査して事件解決という流れは結構久しぶり。S1を思わせる懐かしい構成だ。でもS1と同じ構成だからこそ、ハイネクインの距離が縮まっていることがわかりやすい。大尉は博士のことを信頼しているし、S2に入ってから博士から大尉へのボディタッチが1話に1回ペースで入っているのはたぶん意図的な演出だと思われる。

たぶんあの家にソファがひとつしかなかったために、大尉が外で見張りをして博士に寝床を譲ったのだろう。博士のあのかわいらしい寝方は何なのか。

悲鳴を聞いて飛び起きた瞬間の警戒度マックスな表情は、眼鏡がないせいもあって若干アベラマさん(ピーキー・ブラインダーズエイダン・ギレン。ジプシーの殺し屋)を思わせた。しかしアベラマさんならあそこで反射的に銃に手をのばすはず。飛び起きたはいいけどそこからきょろきょろして眼鏡をかけてから行動開始な博士がかわいい。

あの眼鏡は博士のほんわかムードを醸し出すのに大きな役割を担っているのは間違いないと今回思った。

銃といえば、2-5のポッドキャストでギレンさんがウィリアムにさらわれた話をしながら「ハイネックは好奇心旺盛な人あから誘惑も多いよね、(またさらわれないように)銃を持つべきなのかも」と話していた。S1でミミさんがスージーに教えてもらったみたいに、大尉から個人レッスンをしてもらってほしい。

でも博士は絶対、肝心なところで撃てないからな……。

 

おまけ。ギレンさんがナレーションを務めた歴史解説動画。制作者さんがアップしてくれたみたいなので紹介。

vimeo.com

ダブリンにおける刑務所とか、精神病患者の収容所の話をしているのかな。すごく重い話だけど、ギレンさんがこういう仕事もしているのを知れるのは嬉しい。

 

ssayu.hatenablog.com

 

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