プロジェクトブルーブックの円盤が届いたぞ! メタリック系特殊紙のカバーつきで、巨大UFOの色が角度によって変わる!
このブログでもこれからはドラマ本編の中身に触れながら感想を書いていこうと思う。
でもネタバレ感想はまだ先にして、今日はこれから見る人のために見どころを語ってみたい。
(※ただし英語字幕を辞書をひきながら読んでいる状態なのでいろいろ誤解や誤読もあるかもしれない)
【発表】『プロジェクト・ブルーブック』7月放送・配信決定!https://t.co/h1SK7VXAfh
— HISTORY (@HISTORYjp) April 10, 2019
1952〜69年のアメリカ空軍による極秘UFO調査 #プロジェクトブルーブック をドラマ化!製作総指揮は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス🎥
7月放送📺
動画配信もU-NEXT独占で同時スタート⚡️ pic.twitter.com/rRXAHmkLiR
そして日本での放送も決定! U-NEXT とヒストリーチャンネルにて7月に放送スタート! 日本語字幕つきで見られるぞー!! きっとこれからブルーブック人口が増えるに違いないのだ(真剣な眼差し)。
さて、まずは公式トレイラーをどうぞ!
ぜひこの美しい色使いに魅了されてほしい。PBBは全編を通して50年代のダークなトーンと、何が起こるかわからない不思議な空気感を見事に表現している。ロバート・ゼメキスのプロダクションが本領発揮しまくりである。
雰囲気を掴んだら、今度は内容について!
見どころ1:実際に起こった事件をもとにした数々のエピソード
歴史好きやSF好きには周知のとおり、「プロジェクトブルーブック」はアメリカ空軍で実際に行われた作戦名であり、ドラマの主人公 J・アレン・ハイネックは実在の人物である。
「プロジェクトブルーブック」のレポートはすでに公開されており、一般人も閲覧が可能だ。その膨大な資料を精査して作られたのがこのドラマの脚本だ。
ここが他のSFドラマとPBBの最大の違いであり、売りポイントだろう。事実は小説よりも奇なり、を地でいく話だ。「ヒストリー」チャンネルさんならではともいえる。
ドラマの舞台は1952年。ハイネック博士は実際に起こったさまざまなUFO目撃事件や怪奇現象の調査に取り掛かる。
ヒル夫妻誘拐事件やワシントンUFO乱舞事件などの有名なもの、それにオペレーションペーパークリップやオペレーションアイヴィなど、アメリカ軍によるさまざまな軍事作戦に関する疑惑もテーマになる。おそらくこのあたりの事件について予備知識がある人は、わたしよりもさらに楽しめると思う。
1952年スタートということはロズウェル事件みたいな有名どころは話題にならないの? と思ったあなた。ご安心ください。脚本家さんがS2以降、過去に起こった事件の真相を探るという形で取り上げると語ってくれている(ちなみに1話でもほんの少しロズウェル事件は話題に出ている)。
https://ew.com/tv/2019/03/13/project-blue-book-season-1-finale-interview/?sf100046567=1
(↑記事はネタバレ全開につき注意)
SFがさっぱりなわたしはこのあたりの予備知識はほとんどなかったわけだが、毎週ドラマ後の公式アカウントによる史実解説動画を見たり、自分で調べたりして少し知識も増えてきた。
In 1952, #UFOs swarmed the nation's capital. The Air Force blamed the weather, but we'd like to hear your theories. #ProjectBlueBook pic.twitter.com/CqMGCMjthk
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) March 13, 2019
解説動画はこんな感じの短いもの。当ブログの過去記事に全部保存されているので、興味のある方はどうぞ。
見どころ2:メインテーマはむしろ「米軍の陰謀」の方
このドラマは確かに毎週のように「UFOのような何か」が出てくるが、宇宙人を発見してやるぜ的なドラマではまったくない。
何かを必死に隠蔽しようとする軍上層部と、真実を突き止めようとするハイネック博士との戦い。これがこの作品で描かれるメインテーマだ。わたしはこのドラマを、SF的文法で描かれた歴史サスペンスドラマのつもりで見ている。わたしはSFには疎いが、歴史の謎をめぐる群像劇は大好物だ(「ゲームオブスローンズ」も一種の歴史大河ドラマだと思って見ているし)。だからこそ楽しく見ることができた。
見どころ3:史実のアレンジ
ここは少し強調しておきたいのだが、このドラマは相当に歴史を魔改造している。もちろんドラマをドラマとして成り立たせ、面白くするためだ。
たとえば史実の方のプロジェクトブルーブックを空軍側で取り仕切っていたルッペルト大尉は、ドラマではクイン大尉になっている。ルッペルト大尉は若くして変死しているが、名前が変わった時点でクイン大尉の延命が決まったのだろうか。また彼の上司の名前も史実とは異なるようだ。
さらに事件が起こった順番もかなり史実と違う。ヒル夫妻誘拐事件は1961年、ワシントンUFO乱舞事件は1952年のことだが、ドラマでは9話が誘拐事件、10話がワシントンの話である。
ハイネック博士が調査のためにクイン大尉と一緒に戦闘機に乗ったり、博士が謎の黒服の男につけまわされたり、あとなんかありえないハイテク??? 宇宙からもたらされた物体??? が登場するなど、いやさすがに史実じゃないよねそれともそこも隠蔽された史実なの?? な描写も数多くある。まだ謎の全貌が明かされていないのでわたしも何がなんだかわかっていないのだ、すまんね!
要するに、史実のみを追うドラマではない。そういうのを見たい人は、ヒストリーチャンネルさんがUFO関係のドキュメンタリーをたくさん作っているのでそちらを見るといい。
アメリカのUFO愛好家(というのだろうか)の反応を見ると、ライト勢はとても楽しんでおり、史実重視派が不満を漏らしている一方で、ガチ勢は「ドラマとして面白いものができればUFO愛好家の裾野が広がり、新しい研究も進む」とおおらかに構えているといった感じだ。ボヘミアンラプソディでも見たなこの流れ。
見どころ4:1950年代アメリカの再現
わたしは1950年代アメリカを直接には知らないのであまり詳しくは語れないのだが、あの色遣い、空間のあり方、光の使い方、博士の机に置かれたさりげない小道具、そして衣装と音楽。それらが見事に「異世界」を作ることに成功している。
ぜひこれは自身の目と耳で味わってほしい。
見どころ5:「空飛ぶ円盤」モチーフの多用
In 1951, a UFO flew over Texas and an entire city lost power. The government blamed a flock of birds. What do you believe? @HISTORYBlueBook continues tonight at 10/9c on History. pic.twitter.com/a9BSh1sgDm
— HISTORY (@HISTORY) January 22, 2019
数ある公式トレイラーの中でもお気に入りのこれ。見てもらうと、このたった30秒の中にもいくつかの「空飛ぶ円盤」が登場するのが見える。
ハイネック博士が点ける丸いランプ。廊下の天井に並ぶ丸いライト。とにかくこのドラマの中に登場する照明機器は丸い。
If they're keeping secrets from the President, just think what they may be keeping from us. #ProjectBlueBook pic.twitter.com/HPZBpWGW9e
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) January 23, 2019
ここは空軍の会議室のようだが、大きな丸い照明がひときわ目立つ。
「空飛ぶ円盤」を想起させるアイテムは、ドラマのいたるところで登場する。そういったモチーフを探すのも、ドラマの楽しみ方のひとつである。
見どころ6:王道のバディもの
ある意味ここが本題。
「プロジェクトブルーブック」は、ど直球のバディものだ。
大学教授と空軍大尉。
ぽやぽやなおじさんときびきびした若者。
真実を探求したい科学者と上からの命令に逆らえない軍人。
科学者として名を残したい博士と軍人として出世したい大尉。
腕っぷしは全然ダメな民間人と常に彼を守ろうとする軍人。
研究ひとすじの科学者と第二次大戦で地獄を見た元英雄。
事件の被害者に寄り添いたい博士と一刻も早く事件を解決したい大尉。
温かい家庭人の博士とひとりぼっちの大尉。
このプロジェクトがなければ決して出会わなかったであろうふたりの運命が、空軍の命令によって交差することになる。
ふたりは時に協力し、時に衝突しながら、互いへの信頼を強めていく。互いに、相手がいなければ自分の仕事は不可能だ。それをふたりともよくわかっていて、互いの仕事を尊敬しあっている。
物語が進むにつれて、ハイネック博士はクイン大尉の抱える過去を少しずつ知っていく。クイン大尉はハイネック博士の優しさと強さに少しずつ触れていく。
そして1952年7月、ふたりの関係は新たな局面に入る――。
この関係は、単なるUFO信者と懐疑的なパートナーという単純な二項対立ではない。
ふたりの関係性の変化こそがこのドラマの最大の見どころだとわたしは思っている。
バディものを求める諸氏よ。上で並べたキーワードにひとつでもぴんとくるものがあれば、今すぐ視聴を開始せよ。
もうひとつ重要なことを申し添えておくと、このふたりの関係は博士と大尉以上にヤバい。詳細は伏せるが、きっとあなたの想像以上のことが起こる。
Looks like the beginning of a bold friendship between Mimi and Susie. #ProjectBlueBook @L_Mennell @KseniaSolo pic.twitter.com/AExHsnIA0a
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) January 9, 2019
百合を求める諸氏よ。こんなブログのことはもういいから万難を排して視聴を開始せよ。
なおハイネック博士とクイン大尉は、演じるふたりも大変なかよしである。
#HyneQuinn in real life! @mkmalarkey and #AidanGillen walked the red carpet at the @aenetworks upfront last night. pic.twitter.com/W7ikgZDisL
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) March 28, 2019
大尉を演じるマイケル・マラーキーのツイッターやインスタには、エイダン・ギレン画像が盛りだくさんである。
thank you to @aenetworks & @history for a wonderful evening #upfronts2019 #projectbluebookseason2 #michaelmalarkey #aidangillen #watchtheskies pic.twitter.com/qqXLFkFUMT
— michael malarkey (@mkmalarkey) March 29, 2019
ハイネックとクインのコンビを表す #HyneQuinn(ハイネクイン)という呼び方は、マラーキーさんご本人による命名だったりする。
見どころ7:エイダン・ギレンがはちゃめちゃにかわいい
Loved how much you all enjoyed last Tues’ episode! Here’s a pic from last week, as Joel (Nicholas Holmes) checks out his new telescope from Allen. Tonight we’re back with the Lubbock Lights case from 1951 that shook things up in Texas. See you there @10pm ET/PT! #ProjectBlueBook pic.twitter.com/qJ4bqonUcB
— Laura Mennell (@L_Mennell) January 22, 2019
裏切りの代名詞扱いだったエイダン・ギレンの名前が、PBB放送以来「かわいい」「萌える」「セクシー」などという形容詞とともに語られるようになりつつある。
家族に対しては↑のような優しい笑顔を向け、クイン大尉に対しては↓のような笑顔を向けるのだ。
Hynek may want to find the truth, but does the US government? #ProjectBlueBook #AidanGillen pic.twitter.com/oQeJmVRsIc
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) January 23, 2019
今まで散々陰謀で他人を陥れ(る役をやっ)てきたエイダン・ギレンが、今度は米軍の陰謀に翻弄されるのも面白い。
Who else is ready for a new episode of #ProjectBlueBook in ONE HOUR on @History? pic.twitter.com/zTk52hM790
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) February 13, 2019
こんなふうにパートナーを助けることも。
#Hynekquinn remains strong even in the toughest situations. #ProjectBlueBook pic.twitter.com/GJfDng2Q7L
— PROJECT BLUE BOOK (@HistoryBlueBook) February 27, 2019
あなたがエイダン・ギレンファンでこのページを見ているなら、やはり万難を排してドラマを見てほしい。エイダン・ギレンの過去作品を知っていればいるほど、ギャップにやられてはまること請け合いである。
なおエイダン・ギレンご本人がドラマの魅力を語ったインタビューも拙いながら訳してみたので、ぜひあわせてお読みいただきたい。
この記事を読んでくれた方が一人でもドラマを見てくれますように、祈りをこめて本日は終了。