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星空の物語「プロジェクトブルーブック」3話感想

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このときのギレンさんのネクタイは、リアルハイネック博士の私物を借りてきたそう。

 

夏だプールだUFOだということで、プロジェクトブルーブック3話の感想。

たぶんわたしはこの3話をいちばんたくさん再生している。次が9・10話かなあ。

なぜなら!! ……という、3話のここすきポイントをずらずらと列挙していこう。

例によってネタバレ注意。

 

 

ハイネック博士のパジャマ姿&素足

そりゃもうね、冒頭からこれですよ。初見時にはあまりのことに目を疑って、一度再生を止めてお茶を淹れて心を落ち着けてから再生しなおしたものですよ。全然心は落ち着かなかったけどな!!!

エイダン・ギレン史上最もかわいいパジャマ姿ではないだろうか。これだけで3話は永久保存版である。

(わたしの知るほかのパジャマ姿は、Dave Allen at Peace での派手なパジャマと、あとはゲームオブスローンズでのリトルフィンガーの内衣姿くらいだが)

そしてよく見てほしい。博士はパジャマの下、素足である。素足フェチのわたしとしてはこれはUSAFの抱える秘密以上の重要事項だ。

 

トムに手を握られて真っ赤になってしまう博士

いや文字通りのことなんだけど、なんかこれ誤解を招く表現だな……。

昏睡状態のトムが博士の手を握って離さず、博士の必死な顔がみるみる赤くなるのがすごいって話。演技であんなに顔色を変えられるものなのか。あのシーンがあまりにすごくて何度も見直してしまう。

そしてあの現象は結局何だったのか。トムは何に反応して博士の手を握ったのか。

「人間」(あるいは「タンパク質」とか「生命反応」とかでもいい)なら誰でもいいなら、ずっとそばにいて距離も近いジーナの手を握るはず。どうして博士に反応したのか。たぶん何か「博士でなければならない」理由があったのだと思うが、うーん、6話まで見るとこれが理由かな? と思わなくもない……けど6話を見ても結局謎が増えるだけという(6話のエイダン・ギレンの演技が本当に最高だから絶対見てほしい)。

 

テキサス工科大学での調査

珍しくきょろきょろしている大尉がかわいい。このシーンだけで、彼は大学という場に慣れておらず、でも決して居心地が悪いわけではないのが伝わってくる。

大尉が女子大生と話している手前に映る博士の表情も最高。「やれやれ仕事中だよ?」と「わかるよその気持ち」が混ざった感じ。

しかし1950年代の工科大学にしては女子学生が多いな!? 現代でもこんなに多くないのでは……。

 

板書シーン

3話のハイライトのひとつ。もう何度見返したかわからないくらいだが、このシーンの神々しい美しさはちょっと言葉にできない。

板書する博士の背中を、大尉の視点から撮影しているのが最高。

あのシーンはね、大尉にとって神話なんですよ。

大学生くらいの年齢でもうベルリンに爆弾を落としていた大尉はきっと、あんな美しいものを初めて見たんですよ。

ほかに誰もいなくなった講堂で、黒板に向かって美しい図形と数式を書き続ける博士を黙って見つめながら、大尉は何を思ったのか。博士の天才性はもう知っていただろうけど、それ以上の何かをきっとあのとき感じたのだ。

あのプロヴァー野郎があの板書を消してしまったときの大尉の何とも言えない視線にいろいろ読み取ってしまうのも無理からぬことである。

しかしあの板書、かなりの部分をギレンさんが実際に書いているように見えるのだが、数式とか全部覚えて書いたんだろうか(少なくとも文字の部分は全部ギレンさんが書かないと、チョークだと筆跡とか筆圧とかの違いが如実に出るしなあ)。

 

アカっぽいと言われてしまう博士とバットへし折り大尉

ここも好き。冷戦時代っぽいやりとりだし、博士ヒロインやないかと思った瞬間。博士にバットを向けられたらへし折っちゃうんだね大尉……。

二人とも、調査中は身分証明書くらい持ち歩こう!

 

雨上がりの丘で星を見る二人

いったい……何を見せられているんだ……(Ö_Ö)

と初見時に固まってしまったシーン。

なんでこんないい雰囲気なの……。公式ポッドキャストでほかのキャストからも「ハイネックとクインはほぼロマンティックな関係」と言われてしまうのもわかる。

博士の語る星々の「物語」というのはおそらく恒星進化論とかそういう話だと思うのだが、それもまたロマンティックである。

あのシーンが成り立つのは、その前段階としてあの板書シーンがあったからだろうなーと思うのだが、いかがだろうか。

 

……からのUFO出現

で、出たー!!!

作中でこれだけはっきりと「未確認飛行物体」を画面に出すのは3話のこのシーンが初めて。二人がはっきりと目撃するのも初めて。そういう意味でも3話は記念すべき回である。

しかしせっかく出たUFOではあるが、そんなことよりもあの状況で博士を車に近づけまいと必死な大尉と、なんとかして大尉を助けようと石を拾ってくる博士の関係に目を潤ませるのに忙しくてあまり印象に残らなかった。

そういえば「くの字」って英語では「V-shape」になるんだね~。

なおあのシーンの撮影裏話がこちら。

スタッフみんなでカメラに映らない角度から車を揺すり、マラーキーさん自身もがんばって車を揺さぶりつつあの演技をしていたらしい。想像すると笑ってしまうのだが、確かにCGをがっつり使うような場面じゃないしな。

UFOを見上げる博士の目がとてもきれいで、ここも何回も見直してしまう。ここのシーン以外も、このドラマはとにかく「エイダン・ギレンが空を見上げる」シーンがとても多くて、どれもこれも溜息の出る美しさなので何回もry

 

家族に囲まれる博士とひとりぼっちの大尉

終盤のあのシーンはやはり対比になっているのだろう。

シェルターでちょっとシュールな一家団欒を過ごす博士と、ひとりぼっちで夜を過ごす大尉。

大尉の孤独は博士によって少しずつ氷解しつつあるのかもしれないが、今はまだ彼はひとりだ。

そして博士がノートに書きこんでいるペンは、おそらくパーカーのボールペンだろうと特定されていた。見直すと確かにパーカーに見える! クラシックなブランドだしこの頃からあったんだなあ。

 

そんなわけで3話のここすきポイントでした。

書きながら見直したらまた無限再生ループに陥ってなかなか進まないのだが、3話は仕方ないな! 本当に全編美しい。

 

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