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干渉する前世の記憶「ファイアーエムブレム風花雪月」赤組感想・1

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最初の拍動の時点でファイアーエムブレム言うてるやん!

青組さんをクリアするや否や、流れるように赤組さんを始めたわけだが、1周目のプレイがすべて2周目の伏線として働いているかのようで大変面白い。周回特典は先生の指導力アップだけ使っている。4月から1日9食できるぜ! 先生の灰色の胃袋は異世界とつながっているのだよ。

しかし前世であんなにも心を通わせ合ったかわいい教え子たちが、先生のことを初めて見る目で見てくるのがつらすぎる。先生、きみたちのことを手にかけられるんだろうか……。

とりあえず2周目ではアッシュくん(カスパルとの支援イベントが良いらしいと聞いたので見てみたい)、メルセデス(後述)はスカウトするつもりでいるのだが、ディミトリから先生だけでなく彼らまで奪うのはあまりに残酷な気がして、今から心が重い。

以下、2周目視点での赤組さんルート感想と気づいたことのメモ。

青組さんルートとか前回スカウトした生徒とかのネタバレ注意。

 

 

 

エーデルガルトの短剣

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2周目を始めて早々に、あああ! と声をあげたシーン。

エーデルガルトの持つ短剣は、青組さんルートであまりに印象に残ったアレだろう。

そうか、このときもずっと持っていたし、このときからすでにプレイヤーに情報は提示されていたんだな。ガルグ=マクについて「そのうち嫌でも見えてくる」的なコメントをしているのも、教会に対する彼女の嫌悪が伺える気がする。

このあと盗賊をけしかけたこと自体が炎帝の計画だったような描写があったが、このときからすでに中身が彼女だとすると、いったい狙いは何だったのか。

盗賊は「貴族のガキどもを何人か殺すだけでいい」と持ち掛けられていた。誰か特定の生徒を消したかったわけではなく、本当に何人か減らせられればよかった? それとも学校で「不祥事」が起こることが目的?(引率教員が真っ先にとんずらしてそのまま音信不通というのも割とすごいレベルの不祥事だと思うのだが)

あの襲撃事件はエーデルガルトが仕組み、クロードが台無しにしたということでいいのだろうか。

いったいいつの段階で彼女が先生(と級友たち?)の前で正体を明かすのかが気になる。ていうかいくらベレト先生が聖人でエーデルガルトが教え子だとしても、ジェラルトパパを殺した相手を生徒として扱えなくない??? そのへんどうなるんだ。まあ、プレイしてのお楽しみか。

そういえば彼女はなぜ「炎帝」というネーミングを選んだのだろうか。「炎の紋章」、あるいはかつてそれを宿していたというネメシスと関係がある?

1周目は赤組さんだから「炎帝」でいいのかなーと漠然と思っていたのだが、担任してみてやっと気づいた。アドラーラッセは黒鷲学級であって、赤は入っていないのだ。ならどうして赤組さん扱いで彼女は「炎」なの? やっぱり彼女はネメシス側で、セイロスと対決する立場だったり?

 

メルセデスと死神騎士

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1周目はスルーしていたこの台詞、その後に起こることを思い返すと気になって仕方がない。イエリッツァ先生の方も「メルセデス……」とかあやしく呟いているし。

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これは青組さんの第2部での1シーン。結局これは何だったの? 死神騎士まわりの話って何も解決してなくない? ひょっとして死神騎士=メルセデスの弟……いやそんなバカな……。

気になったので死神騎士との初戦時にメルセデスに協力を要請した。

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そうしたらこれである。1周目のときは殴りかかろうとしたらこちらが死ぬ未来が見えてすごすごとノータッチで終わらせたので、こんな台詞があるとは知らなかった。まあ、このあとメルセデスは死んだんですけどね。

前世で結婚した彼女に残った謎が気になって仕方がないので、とりあえず彼女も赤組さんに引き抜いて様子を見てみようと思う。これだけはっきりと因縁めいたものが示されているのだから、作中どこかに何らかの形で答えが示されているに違いない。

考えてみると青組さんの中でメルセデスだけ、過去や実家のことがあまり詳しく語られていない。支援会話の中で時折、元帝国貴族だったことや弟と生き別れたことなどが語られたが、ほかのクラスメイトに比べると描写が薄かった気がする(そしてわたしの記憶もあやしい)。他クラス絡みでがっつり語られるならそれはそれでおいしいのだが、期待していいかな?

 

ヒューベルトとエーデルガルト

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はいこういう主従は好きです(即落ち)。

ヒューベルト、青組さん視点で見ていたときは「なんだこいつ怖い……生徒……?」とばかり思っていたが、大変よいキャラだ。

ディミトリとドゥドゥーの「本当は友になりたい」「友として生きられる世界を目指して戦う」主従もよかったが、覇道を行く主と主のために手を汚す従者はド性癖なので。これからに期待。青組さんルートで何度も倒してすまんね、ヒューベルト……。

 

謎の敵の衣装

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1周目から気になっていたのだが、女神再誕の儀の日に修道院に踏みこんだこの敵の衣装、ペスト医師のものだよね?(↓の絵参照)

ja.wikipedia.org

歴史上のペスト医師は、あのくちばし部分にハーブやら香辛料やらを詰めて死体の悪臭&空気感染を防いだ(まだ当時「空気感染」の概念はなかったが、漠然と「空気」を介して病が伝染することは考えられていた)わけだが、ではこの連中はあのくちばしに何を詰めているのかな。

あの不気味ないでたちは近年割とメジャーな「悪役像」になってしまったわけだが(このブログで扱った中ではたとえば「刻のジレンマ」とか。あれも一応あの衣装を着ていた意味は察せられたけど)、もしかするとちゃんと「医者」の格好に意味があるのかもしれない。

つまり彼らは自分たちを「医者」あるいは「世界を治す者」だと思っているとか。彼らの衣装が白いのもポイント。この作品において白はセイロス騎士団の纏う色なのだが、あの連中の衣装も白い。

それに対して、ベレト先生は黒い。このブログで再三言っているとおり、ベレト先生の衣装はヴィランっぽいのだ。本当は先生が世界に災厄を撒く者で、彼らはそれを止めようとしていたりして。

あと敵側の衣装が白いのを見ると「幻想水滸伝2」を思い出してしまう。というかこのゲームをやっていると、幻水2を懐かしく思い出すことがしばしばだ(これはわたしにとって最大級の賛辞である)。旧友との戦場での邂逅って……いいよね……。

 

リシテアとエーデルガルト

1周目で青組さんにスカウトしたリシテアちゃん。どうやらエーデルガルトと支援会話があるようで、今回もスカウトを考えている(級長との支援会話は級長のクラスにスカウトしないと見られないんだよな)。で、とりあえず支援C会話を見たのだが。

エーデルガルトとその兄弟ってひょっとして、リシテアと同じ実験をされた?

つまり人工的に紋章を植え付けられる実験で髪が白くなって瞳の色が変わって寿命が短くなった?

リシテアと一緒に実験されたほかの兄弟はみんな死ぬか発狂したかで、実験はうまくいかなかった。10人いたというエーデルガルトの兄弟たちも同じような末路をたどったという。

青組さんルートで見た幼いエーデルガルトは、今とは異なる亜麻色の髪だった。エーデルガルト被験者説、ありえるかもしれない。彼女の嫌いなもの「鎖」もめちゃくちゃ意味深だし。そのときのことが彼女の戦う理由になっているのかも。

ちなみにクリア済み特典でつけ外し可能な紋章が装備品として手に入ったのだが、ハンネマン先生!!! あなたの研究が完成してますよ!!!

 

というわけで、いろんなシーンで「これは!!!」と驚きながらプレイしている。

どうやら当初予想した以上に、プレイヤーのたどった足跡によってまったく異なる経験ができるゲームのようだ。青→赤の順でプレイしなければあの短剣にあんなに衝撃は受けなかっただろうし、1周目でリシテアちゃんとベレト先生、ハンネマン先生の支援イベントを最後まで見ていなければエーデルガルトとリシテアちゃんの会話も単なる「謎の提示」で終わっていたはず。

さて、先が気になるので今回はこのへんでおしまい。続きを遊んでくるぞ!!

 

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