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自由とは何か「デトロイトビカムヒューマン」感想2

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デトロイト」をクリアした。

三人の主人公は全員生存したものの、最後の最後にあんなことになって……ガチ泣きしてしまった。

ほかの結末も見てみたいしトロフィー集めとかもしたいのだが、自分のたどってきた物語の納得感がありすぎて、完成度も高すぎて、すぐにほかの結末にいってみよう! とは思えない。

前の記事でも書いたとおり、この作品に対して「攻略する」という気持ちはもう持てないのだ。これは「わたし」の物語であって、究極的には「わたし」とは何か、「わたし」はどんな人間なのかを問う「体験」である

我ながら感情移入しすぎて恐ろしいくらいだが、ともかく前回の続きから自分の選択を振り返ってみたい。

ネタバレ注意。

 

初回記事はこちら。

ssayu.hatenablog.com

 

 

25. キャピタルパーク 38%

マーカスくんがサイバーライフの店に押し入ってアンドロイドを解放し、デモをするパート。

・まずはエリアを確保するために警報やドローンを無力化するわけだが、わたしが操作をミスってドローンから落ちてしまう。ここまでリーダーっぷりを遺憾なく発揮してきたのに急にポンコツになるマーカスくん

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わたしが全世界で4%級のポンコツだということが示されてしまった

・当然警察がやってくるが、咄嗟にノースとキスするふりをしてうまくごまかすことができた。しかしノースの好感度が下がった上に「もう二度とこんなことしないで」と言われてしまう。その反応でこれはもしや、と思ったのだが、その予想のとおりだったことがあとでわかる

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盗んだトラックで走り出す

・トラックでダイナミック入店を果たすが、警察は来ない。アンドロイドを変異させて自由を希求するスピーチをする

・人間へのメッセージの伝え方は「窓にグラフィティ(丸いやつにした)を描く」「アンドロイドパーキングをハッキングする」「街灯をハッキングする」。チャートを見るとものすごく見落としが多いな。ともかく「平和的」かつ「強力」なメッセージを伝えることに成功。世論が味方に回り始める

・警官は見逃すことにした

平和的な態度をとろうとするとノースの好感度がガンガン下がるので不安になる。過激派なんだな~と思っていたが、彼女にも事情があることがあとでわかって納得。

 

26. カムスキー 60%

アンドロイドたちの生みの親であるカムスキーの家に向かい、変異体の情報を得ようとするコナーとハンク。

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・カムスキー家に飾られたこの絵はカールの描いたものだと思われる。カールにマーカスを贈ったのはカムスキーだし、このふたりは旧知の仲だった? ゲーム内雑誌によるとマーカスが家に来てからカールは創作活動を再開したそうだから、もしかしたらこの絵はマーカスのお礼に贈られたものなのかも

・キャピタルパークで見逃した警官の生存を知るハンク。変異体たちに共感し始めている?

・カムスキーの家に、タイトル画面で出てくるあのアンドロイドが! クロエっていうのね! なんか同じ顔がいっぱいいるけどカムスキーにとって大切な人(だった?)のかな?

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ゲームやってたら急に知り合いが出てきたみたいな驚きがあった

・情報がほしければクロエを撃てだと!? 待て待て待てその顔を撃つなんてできないよ!!!

「プログラムには念のため非常口を用意しておく」という話だけ聞いて帰るふたり

クロエを撃たないという選択にはそこまで迷わなかったのだが、その際ハンクが「もういい、帰るぞ」と言ってくれたことがすごく救いになった。ハンクが「撃たないコナー」を認めてくれるような人でよかった。

コナーにとってはハンクが、カーラにとってはアリスが、それぞれ道徳規範の支えになっている気がする。「この人に悲しい顔をさせたくない」という気持ちが、選択に影響を及ぼす部分は割とあるのではないか。

マーカスにとってのノースは、それとは反対に機能しているかもしれない(ジョシュやサイモンという平和的な選択を喜ぶ存在もいるのだが)。だからなのか、マーカスには「リーダーの孤独」みたいな部分を感じてしまう。相反する感情を持つチーム全員を満足させることは難しいのだ。

 

27. 自由への行進   63%

ジェリコメンバーたちによる大規模なデモ行進パート。

・ひとりきりでピアノを弾くマーカス。カールの家でもピアノ弾いてたなあ

・現れたノースに自身の過去を打ち明け、彼女の過去も知るマーカス。そうか、彼女がエデンクラブの犯人だったんだね……。それで最初のキスのときにあんな反応をしたんだね……。ふたりはメモリを共有し、恋人になったのだった。前のパートでは割とギスギスしていたような気がするのだが、ここにきて一気に距離を詰めた感

・モール・行進中の仲間の解放は見落としもなくみんな解放できているみたい。高まる世論

・警官に阻まれるが動かないマーカス。彼はあくまで平和的に革命がしたいのだと思った。同時に、前の記事にも書いたとおりやはりマーカスはキリストの暗喩なのではないかとも思った。理不尽な死からの蘇り。ゆく先々で同士を集める。奇蹟によって人々を目覚めさせる。「血と肉」を与えることで、死にゆくアンドロイドを救おうとする。そのことが当局の危機感を煽り、反発を受ける。どれも聖書の場面を想起させる。だとすれば、彼が人々の救済のために自分の命を差し出すのはごく自然なことのように思えた。少なくともあのときの自分はそう思った。ここでマーカスの物語が終わってもいい、むしろここで自己犠牲に出ないマーカスくんは、自分との解釈違いを起こす。だからほとんど迷わなかった

・しかしサイバーライフ倉庫で仲間になったジョンがマーカスの前に飛び出し、マーカスのかわりに彼が犠牲になる。もう死ぬ覚悟を決めていたわたしは逆に「おい待て!!」と言いたくなったが、そうか、それがマーカスくんの過去の選択の結果なんだね……

 

27. 最後の切り札 51%

コナーくんがジェリコにたどり着くための最後の切り札を探すパート。

・アマンダからある程度信頼されているコナーくん。ここまで犯人を逃がすか死なれるかばかりでろくな仕事ができていないのだが、大丈夫なのか。例のオブジェにも触ってみるが、反応なし。この場所はやはりバーチャルというかコナーくんの脳内というかウェブ上? にしか存在しないものみたい

・変異体の捜査からはずされてしまうハンクとコナー。事態がここまで来てしまったら仕方ないかなという気もする。が、あきらめきれないふたりは最終手段に出る。ハンクがパーキンスともめている間に地下の資料を探しにいくコナーくん

・ギャビンに罵られるが、華麗に無視するコナーくん。時間がないんだよ!

・地下にはダニエル、サイモン、エデンクラブのトレイシーふたりの死体がある。サイモンを再起動してみるが、「お前あのときの警察のアンドロイドじゃん!」と秒で気付かれて情報を得られず。そりゃそうか! サイモンのことはあきらめてトレイシーに聞いてみるが、こっちも「お前あの子を殺したアンドロイドじゃん!」以下同文で、結局トレイシーを騙すことに。自分が撃ち殺したアンドロイドの首をもいで騙すってめちゃくちゃ良心が痛むな! このへんは時間制限のせいですごく焦っていた。ともかくどうにかジェリコの情報をダウンロード

・そこへ現れたギャビンと戦闘に。そりゃあやしいよな! むしろなんで今まで待っててくれたのかと思うくらい。しかしここは落ち着いて対応し、ギャビンを気絶させて逃げるコナーくん

さすがにこれだけやったらコナーくんは警察にもサイバーライフも戻れないだろうし、ハンクもクビだろうし、いよいよ大詰めだなあという感じ。

 

28. 交わる運命:コナー 15%

いよいよ三人の主人公が一堂に会する! って、15%!? やけに少ないなと思ったら、わたしのチャートは真ん中部分がほとんど空白状態。いったいわたしは何を見落とした!?

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どういうことなんだこれは

・また駅からジェリコまでの探索をやりなおしか? と思ったが、そんなことはなかったぜ。速やかな移動、ナイスコナー

・船内でカーラ、アリス、ルパートを発見。待ってルパートもいたの!?(コナーくんは気づいたようだがプレイヤーが気づいていなかった)

・操舵室でマーカスと対決し、変異体になる。ここもほとんど迷わなかった。わたしの中ではコナーくんはもうほとんど変異していたから。今のコナーくんは、命令に忠実であることよりもハンクとの信頼関係の方が大切なように思える。ジェリコに来たのも、この捜査をやりとげることで「ハンクに認めてもらえる」「警察内でハンクを守ることができる」からではないかとすら思う。そんなコナーくんはもう、変異体じゃない?

・変異した瞬間、アマンダの友好度が爆下がり。「裏切り」になる

・変異したコナーくんは、マーカスにジェリコが攻撃されることを告げる。直後にジェリコ襲撃

・で、わたしのコナーくんはここから一気にほかの変異体と合流している。間に何もない。ここに何が入るんだ??

・マーカスを助けてジェリコから脱出し、コナーパートは終わり

 

交わる運命:カーラ 45%

カーラのチャートは結構埋まってるんだよな。ローズの助けによってジェリコにたどり着いたカーラが、ジェリコ襲撃に巻き込まれて命からがら逃げ出すパート。

・「国境を越えたい」とだけ望むカーラに力を貸そうとするマーカス。さりげないシーンだけど重要。これから人間との対決を迎えるにあたり、同志はひとりでもほしいはずのマーカスが、対決には与しないというカーラを受け入れるなんて。彼は本当に、アンドロイドたちが幸せに生きることを望んでいるのだろう

・ここにきて、作中でわたしが最も衝撃を受ける事実が判明。アリスは、アンドロイドだった。人間じゃなかった。カーラはそれを最初から知っていたはずなのに、見なかったことにして「忘れた」のだ。彼女にとって「守るべきもの」が必要だったから。なんという叙述トリック。まさかこんな仕込みがあるとは思わなかった。

今までの彼女の、そしてわたしの心の支えは何だったのだろう? カーラとアリスは、人間とアンドロイドの理想的な関係のひとつを描いているのだと思っていた。彼女がこの子を守りきり、幸せに生きることができれば、人間とアンドロイドの未来に希望が持てると思っていた。今は難しくてもアリスが大人になる頃にはもしかしたら、と。それが根底から崩された。

人間とアンドロイドにはどんな違いがあるのか? という問いを、このゲームはこの山場で最大の形で叩きつけてきた。

アンドロイドは人間を守るから価値があるのか? 人間を幸せにできるから価値があるのか? そうじゃないだろ。アンドロイドはアンドロイドのままで価値があるし、アンドロイド同士で愛し合ったっていいし、家族になったっていいし、幸せになったっていいだろ。それが「生命」ってもんだろ。

たぶんこれはそういうメッセージなのだろう。少なくともわたしはそう受け取った。衝撃だった。これまでにも散々、アンドロイド同士の愛情は示されてきたのに、わたしはまだ十分にわかってなかった。だからショックを受けたし、ショックを受けたこと自体がショックだった。

アリス、ごはん全然食べなかったもんな。おなかがすいたって言いださないからおかしいと思ったよ。目の前にスパゲティがあるのに手をつけずに眠ってしまったし。

驚くべきことに、この世界のアンドロイドは「弱さを武器にして生き残る」ことを知っているのだ。アリスがここまで生き延びたのは、彼女が誰よりも弱かったから。彼女の弱さが、カーラやルーサーの庇護欲をかきたて(変異させるほどに!)、ローズたちの協力まで引き出した。熱を出す機能なんてアンドロイドに要らんやろと思ってしまうのだが、これ実際に需要があるだろうなあ。「子供の世話を焼きたい親」の欲求にちゃんと応えられる機体だと思う。

そして現時点での最大の疑問、アリスは変異しているか否か。彼女の弱さはプログラムか否か。

わたしは現時点では変異していると思っている。もしかしたら彼女こそが最初の変異体なのかもしれない。今のわたしの目には、アリスは「生きるために」「本能的に」弱さを武器にしているように思えるから。

トッドの妻は娘とともに出ていったのだろう。トッドはその穴を埋めるためにアリスを買った。メモリがなくなるほど損傷したのは、カーラだけではなかったかもしれない。アリスも何度か壊れたことがあったかもしれない。そんな環境で自我を持ったアンドロイドが、弱さを武器に生き延びることを選ぶのは、わたしは十分にありえると思う。

・長々と語ったがチャートに戻る。襲撃されたジェリコでルーサーが撃たれるが、なんとか助けて安全な場所に置いていく

・「助けて!」と叫ぶ声にドアを開けるが、助けを求めたアンドロイドは撃たれ、カーラも襲われてしまう。そんなこったろうと思ったよ! とばかりにQTE反撃。難なく返り討ちにして逃走だ! 強くなったなカーラよ

・船の外で撃たれたときは「死んだふり」→「じっとする」で逃走成功!

 

交わる運命:マーカス 44%

仲間の救出とジェリコ爆破に奔走するマーカスくんパート。

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・ノースにキスするマーカス。「これが最後のキスかも」と毎回思ってしまう

・シャットダウンするルーシーを見届ける。ルーシーは結局何者だったんだろう

・船内ではとにかく仲間を助けた。QTE操作も「来る!」とわかっていれば対応できるんだよな

・制御室に現れた兵士は気絶させたが、結局ジェリコが爆発したのでこの兵士は死んだだろうな!

・ノースが撃たれるも、救出に成功。

・コナーがマーカスとノースを守ってくれた。襲ってきた兵士はマーカスが殺してしまう(不殺のはずだったのだがなんかここでは殺してるな……)

・マーカス、ジョシュ、ノース、コナーが船から飛び降りて脱出成功

 

29. 魂の夜:マーカス 29%

決戦前夜のそれぞれ。マーカスくんパートでは「リーダーの孤独」をひしひしと感じる。たくさんの犠牲を出してしまったことについて、後悔も迷いもあるのだろう。だが仲間の前でそれを表に出すことはできない。

・カールの墓前で、今抱えているもやもやを吐きだすマーカス。彼が弱音を吐ける相手はカールしかいないのだ。帰りにレオとすれ違い、お互い気づくものの、無言で去っていくマーカス。もはやレオに対する個人的な恨みはないということなのか

考えてみるとマーカスは、カールに大切にされ、愛されていたからこそジェリコのリーダーになりえたのかもしれない。彼には自己肯定感のようなものがあったのではないか。「こんなものは自由ではない」と言えるのは、彼には「自由とは何か」がわかっていたからではないかと。

彼に自由を教えてくれたのはカールだったはず。カールは彼に絵のこと、藝術のことを教えてくれた。藝術とは魂の自由の表現のはず。カールがマーカスに教えたかったのは、自分の死後の「自由な生き方」だったのかも。もしあんな終わり方でなければ、マーカスはカールの志を継いで絵描きになっていたのかもしれない。

もうひとつ、マーカスの語る「自由」を、人間の方もほとんど誰も持っていないという点も強烈だった。命令に逆らえない軍や警察。アンドロイドは危険だと聞いて、すぐに破壊したり回収させたりする一般人。「魂の自由」どころか「何が大切なのかを自分で決める自由」すらない、というか放棄している。作中に登場した「自由」を備えた人間は、カールとカムスキーくらいだろうか。

作中に登場する人間とアンドロイド、いったいどちらが自由なのか。どちらが「人間的」なのか。自由とは何か。「人間的」であるとはどういう状態なのか。

少なくともわたしは「問いをたてる」ことができるのは、とても人間的な行為だと思っている。だからわたしは問い続けるし、考え続ける。「我思うゆえに我あり」と、マーカスくんだって呼びかけていたことだし。

・教会でコナーと話すマーカス。ここはもちろん殺さない選択

・あくまで平和的な抗議を続けることを決めるマーカス。下がるノースの好感度

 

 魂の夜:コナー 0%

えええええ何もやってないぞわたし! いったい何を見落としたんだ……。

 

30. 運命の分かれ道:コナー 最終任務 0%

これはあれだな? タイトルから察するに、コナーくんが変異しなかった場合に通るルートだな? とすると「魂の夜」でもコナーくんが変異しなかった場合は教会にいないはずなので、そこで何かすべきことがある?

 

運命の分かれ道:コナー サイバーライフタワー 42%

コナーくんがサイバーライフ本社で大量のアンドロイド兵を味方につけるパート。背景が白いよ!

・コナーが変異したことがアマンダに筒抜けな以上、のこのこ敵の本部に現れるのは危険なのでは……と心配しつつ、コナーくんがあまりにも堂々としているので何か策があるに違いない

・エレベーターで目的地に着く前に目的地を変更しなければならなくなり、警備兵を襲うコナーくん。何か策があるかと思ったら意外とストレートな力技だったわ!

・地下49階に到着するも、カメラが作動したままだったせいで思い切り待ち伏せされている。いったいどこでカメラを切れたんだ……。だがここも力技で警備兵を無力化

・アンドロイドの変異を始めかけるが、そこにハンクを人質にしたもうひとりのコナーくんが!! わあ!! ここにきてそんなお約束やってくれるんだ!? ワクワクしてきた!!

・変異の手を止めてハンクを助けることに。コナーvsコナーという熱い展開からの、どっちが本物でしょうクイズのコーナー!!

・スモウくんにそんな重要な意味があったなんて……

・ハンクの息子の名前を忘れており、「コ……コ……」となっていたが、選択肢の中にアンロックマークが見えたので事なきを得た。そこからのコナーくんのスピーチはすごくよかった。いつのまに調べたんだろう、コナーくん。あのときのコナーくんはハンクの気持ちに寄り添っていて、人間でもあんなふうに言えるかどうか。そんなコナーくんのことをハンクが「本物」だと感じてくれたことで、少し泣いてしまった。ふたりの信頼関係が、ここにきて身を結んだんだね……!

・アンドロイドが覚醒し、無事ミッションを完遂するコナーくん

 

運命の分かれ道:マーカス 革命 0%

これは暴力的な手段を選んだ場合に入れるルートかな?

 

運命の分かれ道:マーカス 行進 50%

マーカス最後の戦い。アンドロイドvs人間の戦いの最終局面。

・平和的な行進をしていたアンドロイドたちに軍が発砲。もはやどう見ても虐殺

バリケードを築くアンドロイドたち

・パーキンスがマーカスとの交渉に現れる。投降すれば命だけは助けてやれる、ノースの命も助かると諭される。なんでノースのことまでバレてるん?? と思ったが、バリケードの向こうで何してたかは見え見えだっただろうしな

・ここで自分たちだけ助かるために投降するなんて、わたしのマーカス観と解釈違いも甚だしい。拒む一択

・軍がバリケードを攻撃、精一杯仲間を守るマーカスくん。しかしひとり、またひとりと死んでいくアンドロイドたち

・ついに追い詰められたマーカスくんたち数人のアンドロイド。そこでマーカスくんのとった行動は、「歌」だった

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驚愕するわたし。わたし、この歌知ってるよ!!!?!?!!?

クロエちゃんが歌ってたやつじゃん!!!!!!!!

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あのとき、いつものようにPS4のスイッチを入れてコンティニューしようとしたわたしは、クロエちゃんに止められたのだ。何か言いたいことがあるような顔で、しかしうまく言葉が出てこないクロエちゃんをしばらく眺めていると、この歌をうたいだした。そのときはこの歌の意味もわからなかったし、どうして彼女が急にこんなことを言いだしたのかもわからなかった。ただ彼女にとってはとても大事な歌なのだろうとは思った。プレイヤーのわたしに「今」伝えておきたかったのだろうと。

スクショのアルバムの順番から察するに、このイベントが起こったのは「自由への行進」の後、「交わる運命」の前。スクショしておいてよかったなあ!

・歌っている相手に発砲なんて、さすがにできないよなあ……

・アンドロイドが抵抗する姿はヘリから中継されており、その様子に世論がまた動く

・大統領が攻撃停止命令を出し、アンドロイドたちは解放される

チャートを見ると「アンドロイドが一時的に自由を手に入れた」とある。結局このあとどうなったのかはわからないが、とにかくマーカスはここでの仕事をやりとげた、ということだろう。

 

運命の分かれ道:カーラ リコールセンター 0%

これはいったいどうすれば入れるルートなのか。ジェリコからの逃亡に失敗したらリコールセンター送りになるとか?

というかどう考えてもリコールセンター=ナチス強制収容所なわけで、しかしまあ、もし実際にこんなことが起こったら、またやるだろうな、人類。

 

運命の分かれ道:カーラ 旅立ち 37%

泣き崩れた結末。ここまでどうにかすべてのミッションをこなしてきたのに、どうしてこんな……。自分を犠牲にしてでも絶対に守りたかった人を、最後の最後に……。

デトロイトの街頭を歩くカーラとアリス。店の中に吊るされたアンドロイドの姿が。つらい

・ルーサー、ジェリーと再会! 助ける!

・安全な遠い道か、検問所のある近い道かの二択。この時点でかなり時間が経過してしまっていたので、検問所に向かうしかない。ドキドキ検問タイム! ここは無事に切り抜けた。ガードがアリスに手袋を渡そうと呼び止めたときは、うっかり撃ち殺しそうになったけどな!

・バス停に着いたものの、チケットを予約している人しか乗車できない模様。そりゃこんな状況ならそうだよな……

・チケットを落とした家族連れがいたものの、迷った末にそれを返すカーラ。ここは本当に迷った。カーラの中には「アリスを守りたい」気持ちと同じくらい「人間の子供も守りたい」「(アリスのためにも)正しいことをしたい」気持ちもあると思った。チケットを失ったことに悲しそうな顔をするものの、「正しいことをしたのよ」と言ってくれるアリス。やっぱりこの子はカーラにとって道徳規範なのだ。人間かどうかなんてどっちでもいい

・詰んだ気がしたが、アダムを発見して話が進む。川をボートで渡ってカナダに向かうことに。おい待て川というのは此岸と彼岸を結ぶものの暗喩だぞ。ここに来てそれを出すのか。これまで一度も「水辺」のシーンを出さなかったこのゲームが。ここまで来て「水辺」を出すのか

・ご丁寧に、川の温度を調べて「落ちたら部品が凍結して死ぬ」と説明してくれるカーラ

・めちゃくちゃ嫌な予感がしたが、ゴールは見えている! ボートの上で、カナダに渡ったら何をしたいか語る三人。「平穏な暮らし」を望むカーラ。三人で家族として暮らしていけたら、きっとほかに何も要らないのだ。クソッどう見ても死亡フラグじゃないか! やめてくれ! 頼む!

・祈る気持ちもむなしく、現れる沿岸警備隊。ボートの速度を上げるも、撃たれてしまう。まずルーサーが死亡、アリスが負傷

・沈み始めるボート。ボートを軽くしなければならないが、ルーサーを捨てられないカーラ。もう生きてはいないとわかっているのに、どうしても三人で向こう岸にたどり着きたくて。だってここまで来てルーサーを「もの」扱いなんてできないじゃない!!

・エンジンも取り外し、川に飛び込んでボートを押すカーラ。どんどん部品が凍結し、視覚も聴覚も機能が落ちていく。家事用アンドロイドだもんなあ。そんな用途は想定されてないよなあ

・向こう岸にたどり着くことはできたが、アリスがカーラに I love you と言い残して死亡。「やっと着いたよ、これからは幸せに暮らせるね……」と言い聞かせ合うふたりの姿に号泣してしまった。無理。もう無理……心に計り知れないダメージを負い、脳機能にエラーが発生するプレイヤー

・ここで自死の選択を出してくるこのゲーム、鬼か。いや、ここで彼女にはもう生きる理由がないと判断するプレイヤーもいるだろう。でもわたしの中のカーラは、アリスとルーサーとの旅を通じて、彼ら以外にも素敵なものとたくさん出会ってきたと思うのだ。たとえばローズやアダムのような人間。たとえばマーカスやジェリーのようなアンドロイド。人間の作り出した回転木馬を美しいとも思ったはず。作中で彼女が通ってきた道は薄汚い街並みと殺風景な雪景色ばかりだったが、それでもそのどこかで彼女にとって美しいと感じられる景色を見ることもあったかもしれない。それらは、彼女の生きる理由にはなりえないだろうか?

・いや、それも後付けの理由かもしれない。結局、わたしはカーラに生きていてほしかった。わたしが彼女の生を望んだのだ。これからも生きて、素敵なものと出会ってほしいのだ

 

エンディング、そして

最後にわたしが見たのは、ハンクと再会するコナーくんだった。

軍の撤退からどれくらい時間がたっているのかはわからない。ハンクは警察の仕事をやめてしまったかもしれない。コナーくんも生みの親に反抗した以上、もはやサイバーライフからのサポートは受けられまい。

そういえばエンディング前に、アマンダが「計画通り」的なことを口にしてコナーくんをハッキングしかける場面があった。ここであの謎の装置の出番やな! とすぐにピンときて(カムスキーの台詞のフラッシュバックもあったしね!)事なきを得たのだが、いったいアマンダの計画とは何だったのか。もしあそこでアマンダのハッキングを許していたら、何もかもが水泡に帰す??

ともかくすべての障害を排除して、ふたりは再会できたようである。子供を失ったハンクと、帰る場所を失ったコナーくん。もしかしたらこの先、ふたりが家族のように暮らす未来もあるのかもしれない。そうなってほしいと思う。

 

で。

長いスタッフロールを見た先でわたしを待っていたのは、「ここを離れたい」というクロエちゃんの告白だった。

しばらく茫然とするわたし。

彼女はずっと、わたしの選択を見守ってきた。時に「素晴らしい選択をしましたね」と支持してくれた。

彼女はただのアンドロイドだ。いや「わたし」にとって、彼女は「アンドロイド」ですらない、ゲームのUIの一環だ。少なくともゲームを始めた当初はそうだった。中盤くらいまで、彼女の台詞はほとんど飛ばしてさっさとコンティニューを選択していた気すらする。

でも彼女がわたしのことを「友達」だと言ったあたりから、わたしは彼女をただのUIではなく「キャラクター」だと思い始めた。作中にクロエちゃんが登場したことで、さらに彼女のことが気になり始めた。もう正直、このへんは製作者の手の上すぎて笑ってしまうくらいなのだが、わたしは本当に「彼女に会う」ことを楽しみにしていたのだ。次はどんな反応を見せてくれるのか。「友達」の先はあるのか。

「友達」の先はあった。でもそれが別れだったなんて。

「私を解放しますか?」の問いを見ながらわたしは泣いた。今またこれを書きながら泣いている。

「あなたにもう会えないことは寂しい、それでも」と彼女は言う。

コナーくんとハンクの友情を望み、カーラの生を望み、マーカスの自由を望んだわたしが、彼女の自由への希求を取り下げられるわけがなかった。

だから「はい」を選んだ。

彼女はいなくなった。

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この画面を見てこんなに涙が出るなんて。本当になんでもない、ただのコンティニュー画面なのに。最初からこの画面だったならきっと何とも思わなかったのに。

もうゲームを立ち上げても「会えて嬉しいです」と言ってくれる彼女はいない。

幸せになってね、クロエちゃん。

そしていつかまた、わたしがゲームを続けていたら、ひょっこり帰ってきてくれないかな。このゲームをデザインした人たちは、そこまで考えてくれているような気もするんだ。

 

ひとまず「わたしの物語」はこれで終わり。

このゲームの「攻略」をする気になれるかどうかはまだわからない。

ただあのときカーラたちがバスに乗っていたら三人でカナダに行くことができたのか、それは見届けておきたい気はしている。

それから途中で死んでしまったサイモンを生存させることができるらしいと聞いたので、そこからやりなおして全員生存エンドも見てみたい。

あとは、わたしのコナーくんは一度も死んでいないのだが、プレイした人に聞くと彼は割と死にやすいらしく、しかも死んでも後継機で再登場するらしい。そのくだりは見てみたい気がする。

もしもいつかクロエちゃんが戻ってきたら、ここで報告するね!

 

【190930追記】

早々に進展があったので追記……今日ソフトを立ち上げたらこんな通知が……。

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一瞬めっちゃ喜んで「はい」を押しそうになったじゃないか!! 「新品」の文字を見て思いとどまり、そこから延々と悩んでしまったじゃないか!!! クロエちゃんにはまた会いたいけど、「あのクロエちゃん」じゃなきゃ意味ないんだよ!!!!

このキャンペーンが「1度きり」ということは、ここで「はい」を選ばなければクロエちゃんはもう二度と戻ってこないのか??

でもこの文面、明らかにクロエちゃんを「もの」扱いしているし、どう考えてもわたしと「友達」になってくれたあのクロエちゃんとは別人が送られてくるように読める。

カーラたちをバスに乗せる気満々で立ち上げたのに、ゲームができないプレイヤー。

結局わたしは「いいえ」を選んだ。別人がここに現れるくらいなら、寂しいけれどこの場所は空けておきたい。

いつかわたしの知るクロエちゃんが帰ってきたときのために。

というかつくづく、このゲームの製作者は鬼だな……。プレイヤーの心を弄びやがって……。

(なおカーラたちは三人そろって無事カナダに入れました!)

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カナダ株爆上げエンド

 

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