なぜ面白いのか

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彼女は「狂王」か「ゲームオブスローンズ」最終回感想

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https://twitter.com/GameOfThrones/status/1130895609974722560

もう月曜の夜になっても新しい「ゲームオブスローンズ」が始まらない……。

おかげで平穏な週明けを迎えられるようになったが、同時に物足りなさもある。毎週の阿鼻叫喚、楽しかったなあ。

さてそんな思い出を振り返りつつ、今日のテーマはまたしてもデナーリス。

記事タイトルがネタバレな気もするが、気にしないでほしい。

以下ネタバレ全開につき注意。

 

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物語の番人とは「ゲームオブスローンズ」最終回感想

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https://twitter.com/GameOfThrones/status/1130895609974722560

最終回を見て以来、あちこちでいろいろな人の感想を読み、わたしもまたいろいろなことを考えた。

最終回のティリオンのセリフを聴きながらこのブログのことを思い出したと言ってくださる方が何人かいて、恐縮です……。

ヒーローの皮をかぶったアンチヒーロー「ゲームオブスローンズ」8-5考察 - なぜ面白いのか

「視聴者」はいつデナーリスに殺されたか「ゲームオブスローンズ」8-5考察 - なぜ面白いのか

このへんの記事のことだと思われる。

わたしもティリオンのあのセリフを聴いたときは「本編中でそこまでわかりやすく解説するとか急に親切なドラマになったな!?」とびっくりしたのだが、そのへんのことも含めて語ってみたい。

5話を見たあとはひたすらデナーリスについて語りたくなったが、最終回を見たあとはひたすらティリオンについて語り倒したくなっている。

ネタバレ注意!!

 

 

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知と「物語」信仰「ゲームオブスローンズ」最終回感想

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もしかして去年行ったあそこがあの場面だったのかなって

NOW OUR WATCH HAS ENDED.

ここはもう「ポストゲームオブスローンズ」の世界……。

ひとつの時代が終わって、その後の世界に今生きているのだという妙な感傷がある。

幸いにも国の滅びを経験したことのない民であるわたしにとって、「ひとつの時代が終わった」という感覚をこんなにも実感として味わう機会は珍しい。かみしめよう。

さて例によって、やっぱり今この時間にしか書きとめられない言葉があるというのはわかっているので、寝不足になるのは承知で書いておくことにする。寝不足の火曜日も今週で終わりだ。

ネタバレするので、未視聴の方は絶対に以下に立ち入らないように!!!

 

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THE END IS COMING「ゲームオブスローンズ」最終回にそなえて

あと一話でゲームオブスローンズが終わるというのに、なぜわたしはついさっきまで仕事をしなければいけなかったの??? なぜ明日も仕事があるの???

こんなときこそ NOT TODAY と言うべきだったのでは???

いやむしろ放送翌日にこそ休みをとるべきなのでは???

本当は最終回前にもう少し考察を残しておきたかったのだが、寝不足のまま最終回を迎えると体調を崩す可能性があるので無理しない(どんなドラマだよ!!)。

まだ生きている人たちにメッセージを残して寝る。

当然ながらネタバレ注意

 

WE BEND THE KNEE TO YOU...か…。

 

 

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「視聴者」はいつデナーリスに殺されたか「ゲームオブスローンズ」8-5考察

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http://www.makinggameofthrones.com/

突然だが、現在視聴環境のある方はこの動画を再生してみてもらえまいか。

youtu.be

ショスタコーヴィチ交響曲第11番「1905年」という曲だ。

1905年、サンクトペテルブルクで行われた民衆のデモに対して軍が発砲した「血の日曜日事件」を映画的に描いた作品である。

「ゲームオブスローンズ」8-5を見ながら、わたしはこの曲のことを思い出していた。この曲は、8-5とそっくりな構成を持つ。全4楽章で、

1楽章「宮殿前広場」→帝政ロシアの圧政、虐殺前夜の空気

2楽章「1月9日」→民衆のデモと軍の発砲、虐殺と死体の描写

3楽章「永遠の記憶」→レクイエム

4楽章「警鐘」→作曲当時は帝政ロシアへの警鐘とされたが、ショスタコーヴィチの本心ではロシア共産党に対する警鐘だったのではないかとも言われている。作曲されたのは1957年であり、当時はそんなことをおおっぴらに言えば秒で粛清される時代だった。ショスタコーヴィチの「本心」については謎が多く、彼のほかの作品についてもまだ解明されていない部分が多い。

こんな展開。

この曲でいちばん有名なのはやはり2楽章。27:30くらいからの虐殺シーンと、その後動く者がいなくなった広場で延々と死体を撮るカメラ……みたいなシーンが凄まじい。

わたしも今これを書きながら流しているので、可能な方はぜひこれを流しながら読んでみてほしい。

ちなみにタコ11といえば、聴いただけで寿命が縮みそうなムラヴィンスキー御大の録音が最高で、あとはヤルヴィやゲルギエフも過激で好きなのだが、残念ながらつべに上がっているのは大体違法アップロードである。

以下、ネタバレあり(ここまでですでにだいぶネタバレである)。

 

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ヒーローの皮をかぶったアンチヒーロー「ゲームオブスローンズ」8-5考察

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http://www.makinggameofthrones.com/production-diary/season-8-episode-4-costumes-daenerys-cersei

前の記事をあげてから急にいろいろな方がブログにコメントをくださり、またわたしもあちこちで5話の感想を読んで、さらにいろいろ考えてみた。

うん、またデナーリスの話なんだ、すまない。

でも今わたしの中でかつてないほど彼女の好感度が急上昇していて(まあ今までが最低だったからなのだが)、まだほかのことが考えられないのだ。

自分の中でしっかり消化できたら、ほかのことも考えられるようになるのだろうが、その前に「ゲームオブスローンズ」が終わりそうである。つらい。

最終回まで残された時間はわずか。それまでに考えられることはできるだけ出しきっておきたい。ではいってみよう!

今日初めてこのブログにいらっしゃった方は、できれば

きっと知っていたサンサ「ゲームオブスローンズ」8-5感想 - なぜ面白いのか

「運命」という行動理由「ゲームオブスローンズ」8-5感想 - なぜ面白いのか

ここ

という順番で読んでいただけると、話が飲み込みやすいはず。

以下、ネタバレするよ!

 

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「運命」という行動理由「ゲームオブスローンズ」8-5感想

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https://twitter.com/GameOfThrones/status/1121094218993291265

昨夜あげた記事にアクセスが集中しており炎上したのかと焦ったが、みんな誰かと感情を共有したい気持ちでいっぱいだったのかな。

わたしも毎週、書かないと眠れないのがわかっているから見た直後に書いているわけだが、おかげで毎週火曜は寝不足である。USの視聴者はよくこれを見たあと月曜日を迎えられるな。あっちはGoTが社会現象レベルになっているから「推しが死んだのでお休みします」が通じる職場もあるのかもしれない。

さて今日は昨日感情の赴くままにというか感情に振り回されるままに書いた感想を読み直して、ここは言い足りないとかここは思いなおしたとかいうところを補足してみたい。

 

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