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なぜ面白いのか

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S1死亡キャラを振り返る「ゲームオブスローンズ」キャラ語り02

↑このデナーリス絵はかなり好き

 

本日もゲームオブスローンズ、好き放題キャラ語り。

ドラマ中心。S4までのネタバレあり。原作1巻ネタも少しあり。

「ブレイキングバッド」の内容にも少し触れているので注意。

 

【ゲームオブスローンズ記事の目次はこちらから】

ネタバレの存在しない歴史ドラマ「ゲームオブスローンズ」(S3前半まで)感想 - なぜ面白いのか

 

 

 

ヴィセーリス・ターガリエン

お前からかよ! とまたしても自分でつっこんでから。

 

ジョフリーと並んで「美形の類だけど見てるだけでなぜか腹が立つキャラ」。

役者さんの表情の作り方のせい? それとも細かい仕草や立ち居振る舞いのせい?

 

彼はもう少し長生きするものと思っていた。

中盤までのどこかで、決定的に自分の立場を思い知らされる出来事があって、そこから這い上がって真の意味で王を志した頃にウェスタロスに上陸し……みたいなストーリーを、ごく序盤のうちは想像していた。

ところがまさかの緊急戴冠式

 

不穏な気配は醸し出していたものの、こんな序盤で退場とは思っておらず、驚かされた。

だが「このドラマではこんな感じでさくっと人が死にますよ」「無知の報いはこんな感じですよ」という良いイントロダクションになった。

 

原作では割とわかりやすく「決定的に自分の立場を思い知らされるクラスの出来事」が起こったのだが、彼はそれでも思い知る様子がなかった。

本編中で無知の報いを受けた第一号である。

 

物語開始時点でのヴィセーリスは、強いて比較するならS2以降のアリアに近い。

貴族としての生活を自覚していた状態からそれを奪われ、流浪の身となったところが。

また「自分(たち)を追い落とした連中に必ず復讐する」という意思を持っているところが。

アリアとヴィセーリスが違うのは、現在の自分の立場を自覚していないという点と、協力者を道具としてしか見ていないという点だろうか。

この物語では成長を見せないキャラはさくさく死んでいくので、これを改めない時点で死亡フラグだった。

 

 

ロバート・バラシオン

この人もなんだかんだで「無知の報い」を受けて死んだ人だった。

政治を知ろうとせず、国を知ろうとせず、妻も息子も知ろうとせず、人を知ろうとしなかった。

もちろん彼のまわりを固めていた人物たちがろくでなしばかりだった(実際あの環境はいくら王でもきつい)のは同情できるが、だからといって王としてそれらに興味を払わずにすませているようでは、失望されても仕方がない。

せめて自分の浮気相手とその子供に対して少しでも興味を示していれば、ジョン・アリン死亡前にいろいろな芽を摘めたように思うのだが。

また自分の信用したエダートの言うことくらいはもう少し真摯に聞いていれば。

 

結局、彼は「敵」ではなく妻サーセイによって間接的に殺されてしまった。

(考えてみると「敵」ではない人に殺されるパターンは多い。ヴィセーリスもそうだし)

リトルフィンガーは、ジョン・アリン殺害計画時にここまで想定していただろうか?

 

ジョン・アリン死亡

→エダードが「王の手」に就任

→エダードがジョン・アリン毒殺事件について調べる

(エダードが調べるきっかけになったのはライサからキャトリンに届いた手紙で、その手紙を書かせたのはリトルフィンガー)

→王の子供たちの真相に気づく

 

少なくともここまでは想定していただろう。

この先をどう動かしていくかについては、キングスランディングでのエダートのふるまいを直接見て判断しようと考えていたと思われる。

結局、リトルフィンガーにとってはエダートよりもサーセイの方が利用価値が高い(=より混沌をもたらしてくれそう)と判断されたわけだが。

混沌を望む彼は、サーセイがやらなくてもおそらくどこかでロバートの死も画策しただろう。

 

しかしバラシオン家、うっかりするとお家断絶しそうである。

現在生き残っているのはスタニスとその娘、あとジェンドリー(生きてる?)だけ?

玉座を獲った家が一代にして断絶の危機とは。

 

 

エダード・スターク(ネッド)

彼の死には普通にショックを受けて茫然とした。

もちろんネッドが最終回まで生き残るキャラだとは思っていなかった。

彼はいわゆる「父性」を象徴したキャラであり、いずれは子供たちによって乗り越えられるべき存在であろうと見なしていたからだ。

 

直前に見ていた「ブレイキングバッド」における乗り越えられるべき父性の象徴といえばハンクとガスで、彼らとウォルターの対決はかなり終盤、ウォルター/ハイゼンベルクという人格の完成に大きく貢献したものだった。

このパターンの物語は少なくないため(それこそ「スターウォーズ」とか)、「ゲームオブスローンズ」もこのパターンかなと思ったりした。

子供たちとともに挫折や苦境を味わいつつ彼らの成長を助け、父の死(これは比喩的な意味でも可)をもって子供は大人になる――的な。

 

全然違った。

いや、ある意味でスタークの子供たちはネッドの死とともに子供時代に別れを告げることになり、強制的に大人にならざるをえなくなったわけだが、そういう展開は想像してなかった。

 

ネッドはネッドで無知である。

宮廷の人々に、彼らの考え方に、また歴史というものに。

彼は賢くあるよりも高潔であろうとしたわけだが、その報いが斬首+一家離散である。

しかも最期には家族を守るために高潔さを捨てようとしたが、遅かった。

まったく、文字通り報われない人だ。

しかしネッドの報われなさこそが「ゲームオブスローンズ」を引っ張る大きな原動力となっていることは間違いない。

 

ネッドの死に対してリトルフィンガーは胸がすっとしただろうか?

愛する人を奪った男の首が落ちる瞬間を、彼はどう受け止めただろう。

当初の計画ではネッドを壁送りにして出来上がった状態でキャトリンに近づいて、という目論見だったかもしれない。

「でも、まあ、それならそれで……」

ピーターならそんなふうに言ってにこっと笑って計画を修正するだけ、といったところか。

 

ネッドに関してはもう一つ、ジョン・スノウの出生の秘密が語られるのであれば、そのときに再びクローズアップされそうだ。

むしろロバート、エダート、タイウィン中心の親世代スピンオフが作られればいいのにと密かに思っている。

 

ssayu.hatenablog.com