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樹海で生命倫理について考える「ファイナルファンタジー14」プレイ日記64

昨夜は「レベル95IDまでのネタバレ注意!」と予告しておきながら95IDまで書かずに終了するやらかしがあったわけだが、今日こそ95IDの話まで書きたい。

そして早くこの話の続きを見たい。まだこのエリアのサブクエストを全部終わらせていないのだけど、ひとまず今見たところまでの感想を書いておく。

今日こそ、レベル95IDまでのネタバレ注意!!

 

 

 

 

もうおしめえだあ

 

ヤクテル樹海 マムージャ編

前回ヤクテル樹海の北側でシュバラール族の食の試練をクリアしたウクラマトご一行。

今回は樹海の南側のマムージャ族の集落、マムークに向かう。

樹海は北部と南部の間に大きな段差があり、物理的に分断されている。通行可能なのはトンネルだけ。

南部にはあちこちに発光する隕石が落ちていて、その隕石が発するエーテルの影響で、植物が青く染まっている。

隕石が落ちてきたのは「大昔」という話で、それも真偽が定かではないようだ。これって既に滅んだ別の星から降ってきたものだったりするのかな。コヨコヨの星とかマンダヴィリアンの星とかからもアーテリスに来ているし、ほかから何かが来ていてもおかしくないな。ファンフェスで公開された「ソリューション・ナイン」というエリアは、この隕石絡みの星だったりするのか。

で、どうやらこのエーテルの影響もあり、あと日差しがほとんど入ってこない樹海的環境のせいもあり、樹海南部ではあまり食糧が栽培できないらしい。さらに有用な資源も採れないらしい。

非常に面白いのが、ギャザラーとしてヤクテル樹海のマップから採れる素材もほとんどが北部に集中していること。南部ではバナナと材木と繭しか採れないんだよね。材木と繭は有用な資源だと思うけど、鉱石が出ないのはたしかに痛い。

黄金のレガシーをスタートしてすぐのときにギャザラー図鑑を開いて「なんかヤバい色のバナナがあるな!?」と驚いたものだが、ちゃんとヤバい色の理由が説明されるとはね。

そういう土地の特性が、この地に残るマムージャたちの鬱屈した感情や攻撃性を形成しているという話も、まずまず納得である。

これまでに出会ってきた種族はいずれも、少しでも良い王を選ぼうという姿勢と公平な態度があったが、マムージャは露骨に敵対的だし露骨に公平さを欠いている。マムージャを統治するのはマムージャであるべき、みたいな。

 

最後の試練は、全盛期グルージャジャの幻影を倒すこと。

最初に挑戦したゾラージャお兄ちゃんはソロ突入してあっさり敗北した上に、選者を攻撃して石を奪おうとして、継承候補者から失格になってしまった。制限解除もしてないのにソロ突入とは無謀すぎる。Gaiaなら初見さんがお手伝いを募集していたらすぐにフルパーティが集まっただろうに。

すごすごと退場してしまったゾラージャお兄ちゃんなわけだが、まさかこれで物語からも退場ということはないだろう。どうなっちゃうのかな。

この私?

クルルも引っかかっていたみたいだけど、サレージャの発言も気になる。彼がゾラージャに何事か耳打ちしたら、ゾラージャが素直に退散を認めたんだよね。サレージャ、顔のよくない小指ちゃんなんじゃないの。

そこへやってきたバクージャジャ。公平性の欠片もない発言をする選者。どうやらこの選者はバクージャジャの父親なのね。

しかしウクラマトに負けたバクージャジャはベキベキに心を折られていて、オレサマはもうダメだモードになっている。意外と根性のないやつだな。ID周回とかおつかいクエストとかやってレベリングしてきなさいよ、と思っていたら。

えーっバクージャジャも追放? この人短気すぎない? ていうか「失敗作」? やっぱり双頭って人工的に作るものなの?

話がこうなって、ウクラマトもこの場で試練を受けるのは無しにした。マムージャ族はマムージャ族で明らかに問題を抱えている空気なので、王を志す身としては彼らの問題を知るべきだという考えである。

 

そんなウクラマトに対して、バクージャジャの母らしきミーラジャが、マムージャに伝わる「双血の教え」と双頭誕生の秘密について教えてくれた。

樹海北部でも聞いた話だったけど、「双血の教え」というのは要は双頭こそがトラル大陸を導く優れた存在で、それ以外は劣等種と考える選民思想の一種らしい。それ自体はよくある話。

で、「双頭を生みだすということがどういうことか」をウクラマトたちも知るべきだという話になった。これはもうかなりえぐいR18的な想像をしたのだけど、FF14って全年齢なのよね。だからあんまりえぐい話にできなかったのかな。単に卵の孵化率が低いというだけの話で、だいぶ拍子抜けしちゃった。

卵生生物ってもともとたくさん卵を産んで、そのうちの数%が孵化するというものでしょ? ウミガメとかすごくたくさん卵を産むけど、ひとつも孵らないなんてこともある。

対照実験的なものが用意されていないから、いまいち双頭の悲劇性が伝わらないのだ。「双頭以外の孵化率がx%であるのに対して、双頭の孵化率はy%である」と示してくれたら多少は伝わるのだけど。しかも比較対象が提示されていたとしても、卵の孵化率って結局自然現象であって、「悲劇」というよりは「自然の厳しさ」みたいに受けとめてしまうんだよな。

「1匹を孵化させるために数百の卵を人為的に破壊してエーテルを吸わせる」みたいな話だったら、「悲劇」とか「罪」とか言われるのもわかるんだけどね。

人間だってひとりを誕生させるために何個もの精子卵子が無為に死んでるでしょ? 精子卵子の話だけじゃなくて、iPS細胞の発見によって、どの細胞からも生殖細胞が作れる可能性が示された以上、皮膚とか髪とかの細胞だって生命のもとになりうることになり、どの細胞は死なせてよくてどの細胞は死なせたらだめみたいな境界線もなくなりつつあって、生命倫理分野は目下大変革中だったりするでしょ? これって「どこまでを生命と見なすか」という議論に持っていきたい話??

むしろ流産のケースに近いのかなとも思ったりした。でも流産はもちろん「悲劇」ではあるのだけど、人為的なものでなければそれは誰かの「罪」ではないしなあ。流産のリスクがほかより高い人が、子供がほしくて妊娠することだって全然「罪」じゃないでしょ。

さらに言えば、双血の教えとは関係なく自由恋愛によって異種族が婚姻して、孵らない卵を産んでしまった場合、これはその人たちの「罪」になるの??? それって責められるようなことなのか??

なんかそういう方向で延々と考えてしまって、結局この話が悲劇なのか、誰かの罪と言えるものなのかどうか、よくわからなくなってしまった。

もっと単純に、不同意性交がものすごい件数発生しているとか(生殖行為を前提としたカルトグループなんだから絶対あるはず)、双頭を身ごもると産卵時に母体に強い負担がかかって母体死亡率が高いとかの話の方が、悲劇性も彼らの抱える罪悪感も伝わりやすかったと思うのだけど、そこまでの話にしたくなかったのかな。ヒカセンの中にもサバイバーがいるかもしれないし、そういう話を目にしたくない人もいるだろうしね。

そういうわけで、バクージャジャが「孵化しなかった卵」のことをそこまで気に病んでいるのを見てだいぶ釈然としなかった。いやそういう感性自体は理解できるのだけど、「孵化しなかった卵」を「自分を生みだすための犠牲」と捉える感性を持つ人が、利害の敵対する相手とはいえ実の親を人質にとって脅迫したりするか? みたいなちぐはぐ感があるというか。急にキャラ変わりすぎじゃね? みたいな。

ここまでくると、たぶん相当ぼかされているだけで、実際には上で書いたようなR18的な事情もあったのだろうと思えてきた。【お察しください】ってことなんだろうな、きっと。

 

 

双血の教えを終わらせる

わたしの困惑とは裏腹に、ラマチは「この悲劇を終わらせる!」と張り切りだした。

そもそもマムージャたちが強い双頭を求めるのは、この地に資源が足りておらず、ほかの資源豊かな土地を求めて侵略しないと生きていけないと考えられているから。

なので、このエーテル環境でも育つ作物を探して育てれば、新しい産業を興せるし、侵略の必要性もなくなるという話。

うーん……。

ちょっとうーんだな、これは。

生態系への影響とか(アルフィノがちょっと言及していたけど)、新しい作物がこの地に適応して新しい産業が興せるまでいくのに何年かかるのかとか(コザマル・カの葦が一瞬で育ったから意外とすぐなのかもしれないけど)考慮されていないし。

なんといっても、この地が豊かになったら次に必ず起こるのは人口爆発である。限られた土地では増えた人口を支えきれなくなり、結局ほかの地域を侵略することになる。現役世代の問題は解決できたとしても、数世代先に問題を先送りしただけでは。

その数世代の間に商取引を活発にして文化的な交流も増やし、他地域への一方的な侵略をよしとしない価値観を育てるしかないな。平和維持・治安維持に最も大切なのはやはり、教育水準の向上である。

 

 

グルージャジャとの対決(2回目)

プレイヤー的にはいまいち納得できない解決法だったが、マムージャたちは概ね納得したらしい。その流れで、ウクラマトは試練を受けることになった。

ここまでライバル関係にあったコーナくんが、試練の共闘を申し出た。しかも「候補者同士の共闘は認めない」と言われたものだから、候補者からおりると言いだした。ここまでの試練で、王になるべきはラマチだと悟ったのだという。これで、コーナくんチームからサンクレッドとウリエンジェも参戦してインスタンスバトルへ。

このバトルは楽しかったな~! 一度グルージャジャ本人とソロ対戦してるから、見覚えのあるギミックもあるし。白でいったものだから、グルージャジャの履行技に対してラマチがLBして、ククルカくんがアビリティをフルでつぎ込んで回復しまくって耐えきったところにものすごく熱いドラマを感じた。

というわけで、無事勝利! コーナくんもこんな熱いバトルに勝利したら、やりきった感があるんじゃないか。

サンクレッドとウリエンジェにこの笑顔。やっぱりリーンとちょっと重なるところがあるんだよな。後方腕組父親面のおふたりもこの結末に満足だろう。

ただサンクレッドが「依頼主を無事に王都に送り届けるまで仕事は終わらない」とか言っているのを見て、「王都に着く前にコーナくんが暗殺されるのでは」と嫌な予感がした。変なフラグを立てるのはやめてくれ!

この地で生存していたケテンラムのヒントを得て、一行は黄金郷を探すべく天深きソラーテへ向かうのだった。

樹海北部の戦場跡地でウケブとの会話と盗み聞きしていたのがケテンラムさんってことだよね? あのときククルカくんが超える力で視た宴の記憶は、ケテンラムさんのものってことか。

 

 

天深きソラーテ

「天深き」って面白い表現だ。英語だと SKYDEEP なのね。

ここもボス戦のギミックがよくわからず、1ボスと3ボスで何回か死んでしまった。このへんから装備のILが神曲装備を上回るから、周回して練習しないと。

入口の方はヨカフイ族の作った遺跡ベースっぽい雰囲気だったのだが、奥に行くと明らかに雰囲気が変わり、近未来的な人工物が並ぶようになってきた。またアラグか!? と思ったが(アリゼーとシンクロしてワロタ)、どう見てもアラグ的な意匠ではない。

いやデザインや色使いから「別の文化圏のもの」だと感じさせてくれるの、スクエニ第三開発事業部のデザイナーさんたちがここまでどれだけ素晴らしい仕事をしているかって話だよ。すごいよね。

やはりアラグとは別物

これが黄金郷……?

たしかに「黄金」っぽい色ではあるが、「郷」かと言われると謎である。以前わたしは「黄金郷」の説明を聞いてこんな感想を書いていた。

諸々考えると、黄金郷とは何らかのファンタジーな理由で存在しているファンタジーな空間で、誰でも出入りできるわけではなく、むしろ立入禁止にするべき空間で、その空間からの物品持出も不可能みたいな印象である。でもエメトセルクは見たんだよね??

トライヨラに上陸「ファイナルファンタジー14」プレイ日記58 - なぜ面白いのか

 

この光景は割と、そのイメージと合っている。

入口の封印はシャーレアン式で、試練でもらった石を埋めた石板をはめこむと開いた。この封印機構を作ったのはガラフだったりするのだろうか。

この封印を開いたところで継承の儀は終了のようである。まだレベル95なのに儀式が終わっただと!? 

どこからついてきていたのか不明だが、グルージャジャが登場した。

継承式の後でラマチには全部話すと言って、なんとこれにて全員でトライヨラへ帰還!

えっ!!?!!?!!!?!!?!

この奥は見せてもらえないの!!?!? なんで帰っちゃうの!? ククルカくんもよく同意したな!? 絶対見たかっただろうに。

グルージャジャ、継承式で死んだりしない?

「後ですべてを話す」と言ったキャラは話す前に死ぬというのは、「この戦争が終わったら結婚するんだ」と同じくらいのお約束では!? 推理小説とゲームオブスローンズの見過ぎ!?

コーナもグルージャジャもフラグを積み上げているように見えてしまって、わたしは怯えている。考えすぎか?

 

そういうわけで帰ってきたトライヨラでしばし呆然としてしまった。樹海の風脈が解放されたし、サブクエストをやりに行くかと思ったら、トライヨラにもサブクエストが増えている。受注しに行って絶句してしまった。

アカーーーーーーーン

トラル大陸はもうおしめえだ!!!

絶対に入れてはダメな外来種が入り込んでる!!!!!!!!!

その教授が目の前のビーバーなんだろ

暁月のときにシャーレアンに入り込んでいたもんなあ。遅かれ早かれこうなっていたよなあ。

数年後、エオルゼアのどこかの港に、乗組員が誰もおらずビーバーしか乗っていない船が漂着するんだろうなあ。

ポカーン

ククルカくんも黙って見送ってないで止めなさいよ!!

いや、出会ってしまった時点でもうどうすることもできず、事態を見守ることしかできないのかもしれない。何も見なかったことにして忘れよう。すまんな、ラマチ……この国はもう終わりかもしれん……。

 

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