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行き先はきっと同じ「ホットラインマイアミ」キャラ語り02

今日もマイアミキャラ語りいってみよう!

ビアード中心にゴーストウルヴズのみなさんとか。

1と2両方のネタバレがあるぞ! 気をつけろ!

 

 

 

ビアード

↑にも貼った2のメインビジュアル(vitaではこれがゲームアイコン)が、核で焼かれるサンフランシスコの場面なのだとわかってから、この絵を見るたびに胸が痛む。

ただ彼の表情には苦しみも絶望もなく、「こういう終わり方か」と受け入れているように見えるのが救いといえば救いだろうか。手には武器も持っていないし、抵抗できるような状況ではない。心残りといえば、ジャケットくんにお願いした写真のことくらいか。

 

マイアミ2はしばしば「よくできた後付け」だと語られるが、少なくともジャケットくんとビアードの関係性についてはある程度1の時点で考えられていたように思う。

つまり昏睡状態のジャケットくんを癒すために、ビアードの姿と声が必要だったというところまでくらいは。でなければ、1のビアードの謎すぎる立ち位置は説明がつかない。あとはあの写真はビアードと撮ったものだというところも、1の時点で考えられていたのではないかと想像する。

 

倒れた敵にナイフでとどめをさすときのモーションがジャケットくんと同じなのがとても好きだ。

ジャケットくんはビアードのやり方を見て覚えたのかとか、それともビアードとジャケットくんは同じ人にナイフの使い方を習ったのかとか想像が膨らむ。

 

ビアードの章は特に音楽がわたし好みだが、"The Way Home"発電所制圧のときの曲)が特に切なくて好きだ。そしてプレイ後にタイトルを知って泣いた。みんな家に帰りたかったんだよ……。ダニエルズもバーンズも、大佐だって。

それから "Rust" (ミッションの合間の休憩中に流れる曲)も大好きだ。曲調が "Daisuke" (1でビアードが登場するときに流れる曲)を思い起こさせる。どちらも同じアーティスト(El Huervo)によるものだ。しかもこの曲を作った人が、ビアードのモデルになっているらしい。

初めて "Rust" を聴いたときは、ビアードを動かしてジャケットくん(煙草吸ってる)のまわりをくるくる回ったものである。

 

英語版だとビアードがジャケットくんに "kid" と呼びかけるのがとても好きだ。気に入ってかわいがっていた後輩だったんだろうというのがよくわかる。

怪我をしたジャケットくんを安心させるために "kid" と声をかけるのもたまらない。

"No need to thank me, kid. It’s on the house." (礼ならいいよ、キッド。こっちのおごりだ)

このときのセリフが、昏睡状態のジャケットくんの中でリフレインされていると思うと泣ける。ジャケットくんにとって最も治癒効果の高い言葉だったということだろうか。

 

ついでに、ジャケットくんの煙草について。

1985年にはかなりのヘビースモーカーだったジャケットくんだが、1989年には最後に一本吸っただけだった。

いつ死ぬともわからないハワイでは、ビアードも彼の煙草を止めるようなことは言わなかったのだろう。だがもしかすると入院中の、あるいは退院した後のジャケットくんに、「せっかく生きのびたんだから煙草は少し控えたらどうだ」的なことを言われたのかもしれない。

ジャケットくんは胸を怪我していたから、ひょっとしたら肺も損傷していたかもしれない。だとしたら余計に。

ビアードの言葉で煙草をやめたジャケットくんが、彼の仇を討った(と思えた)ときに一服したのだと思うととてもいい。

「これが終わったら最後の一服をしよう」と決めて、殴り込みの前に煙草を用意しているジャケットくんもとてもいい。

 

ジャケットくんは怪我から回復した後、一度はサンフランシスコまでビアードに会いに行ったのではないかと想像している。もしくはハワイから搬送されたジャケットくんの入院先がサンフランシスコだったとか。

だから妄想世界の中で、あれだけ正確にビアードのコンビニを再現できたのではないかと。

 

彼とジャケットくんの電話のやりとりは、最初の印象だと再就職に失敗し続けるジャケットくんを慰めているのだと感じた。もしくは再就職先でトラブルを起こしてクビになったジャケットくんを慰めているのかと。

それから、ガールフレンドと別れてしまったジャケットくんを慰めているシチュエーションも思いついた。そのときのやりとりが、1で最初にビアードと出会ったときの「ガールフレンドをなくして落ち込んでいた」発言につながるのかと。

"Things like that are never easy." (そういうことってなかなかうまくいかないよな)

 "Time heals all wounds" (時間が傷を癒してくれるものだよ)

というのがビアードのかけた言葉の原文だ。どちらのシチュエーションでも成り立ちそうな言葉である。

いずれにしても、あの無口なジャケットくんが年上の誰かに弱音を吐き、慰められているという状況にはとても萌えてしまう。そしてどうしてその時間が長く続かなかったのかと切なくなる。

確かに時間は傷を癒してくれるものかもしれない。だが、ビアードを失ったジャケットくんの傷は三年では癒えなかった。それどころか傷はどんどん悪化していった。

ビアードが願ったとおりにならなかったことがとても悲しい。

 

リチャードがビアードに「こんなことを望んでいたんじゃないってわかってる」と言わなければならないことになったのも悲しい。本当はジャケットくん自身が言いたかっただろうに。

あのセリフから、やはりリチャードとジャケットくんは今もどこかで繋がっている存在であってほしいと思うようになった。あのセリフだけは「リチャード」ではなく「ジャケット」のものだと思うのだ。

ビアードはきっと、ジャケットくんにも「人を殺さなくていい仕事」についてほしいと思っていたのだろう。ジャケットくん自身もそれを知っていたのだろう。

だから1986年のあの日から三年間は一人で孤独に耐えていたのだと思う。ハワイでもらっていたのとそっくりな「指令」が届くまでは。

そして「指令」に従いながらも「ビアードはこんなことを望んでいない」という気持ちもどこかにあったのだろう。その気持ちがラスムスに「お前はいい奴じゃない」と言わせたのかもしれない。

 

戦場で敵をたくさん殺したビアードは、やはりたくさん殺したバーンズやダニエルズときっと同じ地獄に堕ちるのだろう。そしてきっと、ジャケットくんも。

1985年のジャケットくんのキル数が部隊リーダーのビアードには及ばなかったとしても、1989年にたくさん殺した分で追いついて、同じ地獄に行けるといいなあ、なんて。

 

ダニエルズ&バーンズ

体が大きくて顔にケフィエを巻いているのがダニエルズ、バンダナを巻いているのがバーンズ。

つっかかるのがダニエルズで、ぼやくのがバーンズ。

元教師なのがダニエルズで、元バーテンダーなのがバーンズ(この部分が1でバーテンをしているビアードにつながるものと思われる)。

先に死んでしまったのがバーンズで、おそらく彼を看取ったのがダニエルズ。

 

発電所の爆発でほとんど半身を失って瀕死のバーンズは、ダニエルズに抱えられて何かを言い残しているように見えた(ドット絵ではっきりとはわからないが、口元が動いているような)。彼はダニエルズに何を言い残したのか。「最後に見るのがお前の顔なんて」みたいないつものノリのぼやきなのか、それとも「一緒に過ごした時間、悪くなかった」みたいな別れの言葉なのか。

爆発後、ダニエルズが咄嗟に銃を投げ捨ててバーンズに駆け寄っているのに気づいて、ここでも泣きそうだった。

彼はバーンズをおいて逃げることもできた。だがビアードがジャケットくんを寝かせていた場所にダニエルズはいなかった。バーンズを看取り、そのまま爆発に巻き込まれて死んだのだろうか。

バーンズをあきらめ、せめてジャケットくんを生かそうとしたビアードの咄嗟の判断も、その場を動かなかったダニエルズの気持ちも、どちらが正解ということではなく、それが彼らの生き方だったのだと思わせてくれる。

 

ハワイのビーチで休む四人の会話はとてつもない死亡フラグに見えたが、それを差し引いても優しく悲しい会話だった。

互いにいつ死ぬかわからないことをわかっていて、それでも未来を語ることをやめられない彼ら。「あまり深く考えないようにしてる」と言いつつ、やっぱり平和な未来を思い浮かべているビアード。三人の会話を黙って聞きながらひなたぼっこをしているジャケットくん。

三人がジャケットくんには話をふらないのがとてもいい。

ジャケットくんは語りたがらないだろうことをわかっているのだろう。そして黙っていても、彼らのそばにいることでリラックスできていたジャケットくんの心境はあの一コマで十分伝わってきた。

あのとき海を見ながら、ジャケットくんは何を思っていたのか。

自分の未来を想像していただろうか。マイアミで彼を待つ人はいたのだろうか。いたのだとしてもきっと、1989年にはもういない。

 

しかしゴーストウルヴズの四人はせっかくそれぞれキャラが立っていて愛着がわくようになっているのだから、発電所制圧ミッションのときだけでも四人全員を使って攻略してみたかった。ザ・ファンズ勢ぞろいの "Death Wish" の章もあれだけ盛り上がったのだから、ああいう感じで。そしてやはり "Death Wish" 並に、高揚感から叩き落されてみたかった。

せめてダニエルズとバーンズとジャケットくんの活躍をちらっとでも見せてくれていたらな!

 

ビアードのミッションはどれも難しかったが、わたしにとってはこのラインが「難しいけど楽しい!」というギリギリのラインだったように思う。リヒターのミッションになると「む、む、難しい……」という感じでへこたれそうだった。なんで素人のリヒターの方が過酷なミッションやらされてるの……。

 

大佐

顔が怖いということ以外は、良い上司だったんだよ……。部下を大事にするし、部下を使い捨てにしたくなくて足掻こうとしていたし。

ビアードも彼を信頼していたように見えた。あの「大丈夫ですか?」は笑った。

 

しかしアレは本当に「大丈夫ですか?」案件である。急にゲームのジャンルがかわったのかと思った。

一瞬もしかしてリチャードがこの時代に登場!? と驚いたのだが、もちろんそんなことはなかったぜ。リチャードが現れるのは、ジャケットくんの「犯行」を周囲の人間が観測した後のはずだから。

あのとき大佐(もう中将に昇進済みか)は50の祝福を着想したのだろう。大事な部下を、罠だとわかっていて死地に送らなければならない前日に。将官ならではの苦しみと葛藤を、彼も抱えていたはずなのだ。

しかし、だとしたらどうして50の祝福はあんな、構成員を簡単に使い捨てる機関になってしまったのだろう。大佐にとって大事なはずの、アメリカを愛しアメリカのために戦えるような人たちを、どうしてあんなふうに使い捨てにしてしまったのだろう。

たまたまマイアミ支部を担当したジャニターたちが、実験を「ゲーム」感覚で始めてしまったから? ほかの支部ではもっと違うやり方をしていた可能性もある? そうだとしても我々にはわからない。

 

結局彼は自国の大統領(ついでにソ連の大統領も)を暗殺するというクーデターを起こしたようだ。

多くの兵を失うだけ失って、ソ連にやられっぱなしで講和する(おそらく実質降伏状態)ことが許せなかったのかもしれない。

そのことがアメリカの破滅(ひょっとしたら消滅)を招いたのだから、本当にどこにも救いがない。

 

このゲームは本当に、「悪い奴」が出てこないのだ。いやジャケットくんをはじめとして、登場人物の大半は大量殺人に手を染めている。だが「憎むべきキャラ」は一人もいないように思う。それがまたやりきれない。

あの世界そのものが間違っていた、としか思えない。

世界があんなふうでなかったら、大佐は(中将までの出世は望めなかったかもしれないが)部下思いのいい上官のままでいられたのではないだろうか。

ゴーストウルヴズの四人は従軍して出会ったとしても、それぞれ無事に地元に帰って平和な生活ができたのではないだろうか。

悲しい。

 

ここのところwikiaでキャラクターやステージの設定やトリビアを少しずつ読み進めているのだが、新しいことを知るたびに泣きそうになって、大変情緒不安定である。特にダニエルズとバーンズのページは泣きながら読んだ。

hotlinemiami.wikia.com

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どのキャラのことを語っても悲しい結論しか導けず本当に悲しい限りなのだが、まだいろいろと語りたいことはあるのでもう少し続く予定。

 

ssayu.hatenablog.com

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