なぜ面白いのか

見たもの触れたものを保存しておく場所。映画、ドラマ、ゲーム、書籍の感想や考察。

ダブリンのウイスキー蒸留所&博物館を3か所梯子した話

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アイルランドにはたくさんの名物があるが、その中のひとつにウイスキーがある。アイリッシュウイスキーというやつだ。

わたしはビールやワイン、日本酒は好きだが、普段ウイスキーを飲むことはあまりない。しかしせっかくダブリンまで行く機会があったのだから、本場でウイスキーへの造詣を深めてもよいのではないかと考えた(なお当然ながらギネスストアハウスにも行った)。

ひょんなことからダブリンにある3つの博物館、蒸留所(ティーリング蒸留所、ジェイムソン蒸留所、アイリッシュウイスキー博物館)すべてを梯子することになったので、せっかくなので比較しつつレポしてみる。日本語だとひとりで全部回ったレポはなかなか出てこないので、これから行く人の参考になればという感じだ。

ちなみにひょんなこととは、ローマ教皇のダブリン訪問の影響である。その日わたしはダブリン城を観光してからウイスキー蒸留所のどれかに行こうと考えていたのだが、教皇の訪問のためダブリン城が閉鎖されてしまい、ほかの場所に向かうことを余儀なくされたのである。つまり1日で3か所全部回ってウイスキーを試飲しまくったということで、我ながら無茶したなあと思うばかりである。まさか教皇猊下も、自分の訪問の影響で善良な観光客がひとりウィスキーツアーを敢行することになったとは思うまい。

ローマ教皇がダブリンを訪問したのは2018年8月のことであり、つまりわたしがダブリンを訪れたのもそのときのことである。レポをしたいしたいと思いながら1年半がたってしまったが、当時の写真を眺めつつ、ゆるく書いてみたい。

 

 

 

ティーリングウイスキー蒸留所 Teeling Whiskey Distillery

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この日はいい天気でした

最初に、つまり素面で訪問したのはここ、ティーリング蒸留所。

この日は教皇訪問ということで主要道路が封鎖され市内公共交通機関もほとんど使えない状態だったので、テンプルバーの近くに泊まっていたわたしは1キロほど歩いてここまで来た。テンプルバーやギネスストアハウスから徒歩で来られるし道もわかりやすいので、そのあたりを訪れるついでに足をのばすにはアクセスのよい場所だ。

ティーリング蒸留所は、今世紀に入ってから稼働を始めた新興蒸留所だ。観光客を入れるようになったのは2015年以来らしいから、かなり新しい。もちろん設備はきれいだし、展示も洗練されている。

ここはダブリンパスが有効なので、入口でパスを見せるとすんなり次のツアーに入れてもらえることになった。パスで入れるのは、基本の15ユーロのコース。追加料金で20ユーロ、30ユーロのコースにも参加できる。値段の違いは、最後の試飲で出てくるウイスキーの種類と数。1軒目でべろべろになるわけにはいかないので、おとなしく15ユーロのコースにする。

観光客は蒸留所スタッフさんの案内ツアーと一緒に団体で施設内を見学することになる。ツアーはだいたい30分に1回くらいのペースだったかな? ツアー開始時間までしばし待つことになるが、待機スペースにも充実の展示があり飽きることはない(わたしは英語読むの遅いしな!)。

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見よ、このスタイリッシュな展示!

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アイリッシュウイスキーの歴史は、そのままこの国の歴史でもある。展示を眺めながら、歴史に思いを馳せる。

時間になったらツアー開始。若い女性スタッフの軽快な解説で蒸留所内を見て回る。わたしが参加したのは午前中だったこともあり、参加者は十数人程度と小規模。

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おそらく設立当初から中に観光客を入れることを想定していたであろうこの蒸留所は、実際にウイスキーを作っている現場もスタイリッシュ! この蒸留窯(?)はイタリアで作ってもらったのだとか。

説明は主に製法に関して。実際に目の前でウイスキーが作られている中で話を聞くのはわくわくする。あとダブリン訛り、かわええな!

作っている場所をひととおり見たら、今度は保存場所へ。ここは暗かったせいか写真なし。

最後はお楽しみの試飲! 15ユーロのコースでは、ウイスキー原酒を一杯と、ウイスキーを使ったカクテルの2杯がいただける。

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わたしが訪れたときはこの2杯。

ウイスキーってこんなにまろやかで飲みやすいんだ!? と驚いた。どうやらそれがアイリッシュウイスキーの特徴らしい。

ドライフルーツを使ったというカクテルの方も最高で、というかこのカクテルがこの旅行で飲んだ中でいちばんおいしいものだったかもしれない。もう一度飲みたいとずっと思っているのだが、「季節のカクテル」と書かれているということはまた行けたとしても別のカクテルが出てくる可能性が高い。うぐぐぐぐ。

公式ホームページによれば、お酒が飲めない人にはノンアルコールカクテルをかわりに出すということなので、付き合いで行くことになった人も安心。チケットを買うときに申告しよう。

試飲用のお酒が出てきたところで各自自由解散。試飲場所の隣がお土産屋さんとバーカウンターになっている。試飲で飲んだウイスキー以外も、ここのバーでお金を払って飲むことができる。今度行ったらここでもう何種類かカクテルを試してみたいところ。

お土産屋さんではウイスキー入りのチョコを買ったが、これもまろやかでおいしかった!

90秒でわかるティーリング蒸留所ツアー動画を公式が用意してくれている。これを見るとだいたいの雰囲気がわかるはず。小規模ながら洗練された施設でそんなに混雑もしていないし、アクセス的な意味でもおすすめ。

www.youtube.com

さてツアーは1時間ほどで、まだお昼だというのにもうほろよいである。次なる目的地へゴー。

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街並みを撮ろうとしたら「僕を撮ってよ!」と声をかけてきたおじさん。元気にしてるかな

 

酔い覚ましにギネスを飲む

さて、次なる目的地オールドジェイムソン蒸留所へは徒歩20分。

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歩ける歩ける! ていうか歩きながら酔いを覚ませばいいよね! 天気もいいし! とウキウキで歩き始めたわたし。

途中で見かけたものすごくかわいらしいパブでギネスとアイリッシュシチューという昼食をとり(酔い覚ましとは……)、再出発。

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Arthurs Pub のアイリッシュシチューもまた行ったらぜひ食べたい

 

エイダン・ギレン主演ショートフィルム The Note ロケ地

さてここからしばしエイダン・ギレンファン向けの話。

エイダン・ギレンはダブリンを舞台にしたショートフィルム The Note で主演している。作品は YouTube でも公開されており、日本からも見ることができる。

www.youtube.com

性的虐待を受けて育った男性の絶望と再生のストーリーで、台詞はほとんどなくエイダン・ギレンの表情で語る演技が光る。

感想はこちらで書いたので参考までに。

ssayu.hatenablog.com

で、この映画のロケ地がこのふたつの蒸留所の中間地点なのですな。

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このジェームズ・ジョイス橋というのが、作中に登場した特徴的な橋。

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これはこの前日、夕方に訪れたときの写真なのでちょっと暗い

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この橋の周辺を歩くと、映画に登場した見覚えのある景色がたくさんある。

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ラースくんが乗っていた路面電車

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これはティーリング蒸留所近く。ラースくん宅に似た雰囲気がある

このブログを訪れる方の何割かはエイダン・ギレンファンだと思うのだが、これからダブリンを訪れる際はぜひこのあたりまで足をのばしてみては。

 

ジェイムソン蒸留所 Jameson Distillery

脱線が長引いたが、2軒目にいってみよう。

ジェイムソン蒸留所はティーリング蒸留所とは反対に、歴史ある蒸留所……だった場所で、今は蒸留所としては稼働していない。旧蒸留所跡地を見学用に改装し、観光客向けにアイリッシュウイスキーの歴史や製法、味を紹介する施設になっている。

わたしはここの入口がわからず(すでに酔っぱらっていたせいもある)、周辺をだいぶうろうろしてしまったが、幸いにもこの日は教皇猊下ご訪問の影響で町に警官が多数配備されていた教皇が実際にその道を通るまであと数時間、暇そうにしているポリスメンに道を尋ねると丁寧に教えてくれた。ありがとうアイルランド警察。

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パトカーもたくさん

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施設前には間違えようのないモニュメントがあるのだが、これが見えてくるのは表通りから中に入った後なんだな。

 

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中はこれまたスタイリッシュ! ウイスキーのボトルで作られたシャンデリアがかっこいい。中に入ったところはバーになっていて、ウイスキーウイスキーカクテルを飲むことができる。

ここでも見学はガイドツアーのみ。ツアーは20分おきに行われており、ダブリンパスを見せるとすんなり次のツアーに入れてもらえた。ティーリング蒸留所よりも規模が大きく、観光客も多い。ここではツアー待ち時間中に先に土産物屋を物色できるので、ほしいものの目星をつけておくのもよい。わたしはここでもチョコレートを買った。これもおいしかったな! ド直球においしいウイスキーボンボンです! という感じで。

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さてツアー開始。これはウイスキーの広告ポスター集。おしゃれだ!

こちらのツアーでは、さすがに老舗蒸留所なだけあってウイスキーの歴史にフォーカスした内容。蒸留所の歴史や伝統的な蒸留方法について紹介された。実際にウイスキーを作っている場所ではない分、展示に工夫が凝らされているのがジェイムソンの特徴。ウイスキーの原材料や蒸留に使う道具、発酵や蒸留の過程などが視覚的にわかりやすくなっている。英語がよくわからなくてもかなり理解できるのではなかろうか。

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最後はムーディな空間で試飲。左からスコッチ、ジェイムソンのウイスキー、バーボン(アメリカの)。チェイサーのお水が用意されているのも嬉しい。

こうして比べるとね……いやジェイムソンが自前のウイスキーだけいいやつを出してたのかもしれないけど、アイリッシュウイスキーはまろやかで好きですわ。スコッチは結構ガツンとくるのだがそれがほとんどない。ガツンとくるのが好きな人もいるだろうからそこはきっと好き好きなのだろうが。

 

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さてツアーの後はさらにもう一杯おまけがついてくる。入口にあったバーで入場チケットを見せると、好きなドリンクを一杯飲めるのだ。

ここでは何種類かから選べた気がするが、わたしはウイスキーのジンジャー&ライム割りをチョイス。この日は結構暑かったから、キリっと冷えたカクテルがたまらなくおいしかった記憶がある。

www.jamesonwhiskey.com

レシピも公開されている。

 

アイリッシュウイスキー博物館 Irish Whiskey Museum

ここまでで何杯飲んだかもう数える気もしなくなっているが、いい感じに酔っぱらって判断力の落ちたわたしは、ここまで来たならもう一軒回っておくことにした。

アイリッシュウイスキー博物館はトリニティカレッジの目の前、ダブリンの中心地にある。アクセスは3つの中で最高。ここはアイルランドの複数のウイスキー蒸留所が協力して作った博物館らしい。

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やあジェイムソンくん1時間ぶりだね!

ここではダブリンパスが使えないのでお金を払って入場。いい感じに酔っぱらって判断力の落ちたわたしは、ここで大胆にも通常コースに3ユーロプラスして、最後の試飲で1杯多く飲めるコースにした。振り返りながら改めて思ったが、どんだけ飲むんだよわたしは。いや教皇猊下がね、教皇猊下がおこしになってダブリン城が閉鎖されちゃったから。かわりの思い出を作りたかったの。

ウイスキー博物館は蒸留所ではなく、その名のとおりのこじんまりした博物館。アイルランドウイスキーが発明された話から始まって、ウイスキーの歴史を紐解いていく構成。

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錬金術師のお部屋

かつては薬として使われていたウイスキー。それが次第に広まって、やがて嗜好品となる。参加者はさまざまな時代を模した小部屋を回りながら歴史をたどっていくことになる。

30秒でツアーの雰囲気がわかる公式動画もどうぞ。

www.youtube.com

最後は恒例の試飲タイム。

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ちゃんと4杯ある

これは協力している蒸留所から1杯ずつ提供されているのだったかな? 確かに、4番目の年代物ウイスキーはなんだか深みのある味がしたのは覚えている。こんなふうに比べながら飲むと味の違いもわかって楽しい。

ここでは水とスポイトが一緒に出てきて、水を数滴ずつ加えながら味の変化を楽しむこともできた。水をほんの少し加えるとふわーっと香りが立って、少し甘みが出る。いわゆる「水割り」ではなく本当に少ししか入れてないのに香りがぱっと変わるのが不思議。面白い!

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そんなわけでダメ押しに4杯もウイスキーを飲んだわたしは、見事に酔っぱらってその夜は……ええと、その日の夜の写真を見ると、またビール飲んでるな……。

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まあ無事に宿に帰りついたことは間違いないので、よかったことにしよう。

この記事がこれからダブリンに行く人の旅行計画の参考になれば幸いだ。

なおウイスキー蒸留所&博物館以外で飲み食いしたものについては、別記事でレポしているのでそちらもあわせてどうぞ。

 

ssayu.hatenablog.com