なぜ面白いのか

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七つの大罪プラス1「オクトパストラベラー2」5章感想

8人分のエンディングにたどり着いた!!!!

よっしゃ、ここからが本番だな!!!!

ひとまずまだ攻略情報などは見ずに、未クリアのサブクエストやクロスストーリー、未踏破のダンジョンなどに突撃しつつレベリングしてみようかな!

それでは以下、パルテティオ→アグネア→ヒカリ→オズバルドの最終章のネタバレ感想!

 

 

 

 

熱唱パルテティオ

 

札束で殴る快感

端数の下7桁がもともとの持ち金です

まさか自分の人生に「札束で殴る」というイベントが発生するとは思わなかったぜ。いいもんだな……。

商人が主人公ならではの展開だし、ゲームのシステムをうまく使った演出だし、何よりもこんなことをやっておいてパルテティオに全然悪徳商人感がないのがすごいよね。もちろん悪徳商人スキル全振りのロックと、大貴族アルロンドのキャラでバランスをとっているところもあるのだけど、これだけ爽やかなお話になるとは。

この展開でラスボスとのバトルはないのかな? と思っていたのだが、きっちり用意されていた。

そうはならんやろ

わたしは現実世界における歴史を知っているので、産業革命が資本家と労働者の格差をもたらしたり、公害で人々を苦しめたり、新技術が新兵器となって人をたくさん殺したりすることをすぐに想像してしまう。人は盛大に失敗しない限り学んだりしないのだということも知っている(むしろ盛大に失敗して学べる人はまだいい方だと思う)。

しかしまあ、この世界はファンタジー。パルテティオが目を光らせているうちは、技術は人を幸せにするために使われるってことでいいんじゃないかな。

人と人を繋ぐのが商売の基本という彼のスタンスはとても面白かった。

「旅」とは異質なものとの出会いだ。

その旅を通じて、まだ出会ったことのない人と人、人と物が出会う。

異質なものとの出会いが新しいものを生み、新しい価値を生み、新しい商品を生み、新しい商売を生む。人類の歴史はそんなイノベーションの繰り返しだ。異質なものとの出会いに心を揺らすことのできる教養と感性、それがイノベーションを生む。

パルテティオにはその両方が備わっていた。おそらく彼の教養はロックから、感性は父親からもらったものだと思われる。新時代を切り開くのにふさわしい人材に育っていたのであるなあ。

産業革命とマスメディアの誕生を重ねて描いたのも面白いところ。でも大量印刷が可能になったのって蒸気機関以前に活版印刷術のおかげでは?

で、この話は暗黒の件とどう関係してくるんだろ? 暗黒の力で蒸気機関をパワーアップさせました! みたいな話でもなさそうだったし。

 

 

白熱のダンスバトル

なつかれてますやん

やってきた大舞踏祭、アグネアはついに舞台上でドルシネアとスターの座を争って対決する!

そうもならんやろ

まさかこの展開で舞台上でラスボス戦をやることになるとはな……。ドルシネアは結構強くてこっちはバタバタと死人も出たのだけど、観客ドン引きしてない? あの戦闘はあくまでああいう演出で、実際には白熱のダンスバトルだったってことかな?

あと戦闘前にオズバルド先生とこんな会話があったのだが。

実際に魔法をバンバン使いまくったので会場も観客も被害が出まくったのではないか。生存者はいるのかと疑いたくなるレベル。まあアグネア親衛隊のみなさま方が無事だったのでたぶん大丈夫なのだろう。

 

さて前回の記事で、ドルシネアのやっていることについてわたしはこう書いた。

これって見ようによっては貧しい出身地に私財を投じて開発してくれる人なわけで、必ずしも悪役ムーブではない気もするんだけどな。もちろん立ち退きに協力してもらった人にはそれなりの保障は必要だし、その開発は地域の持続的な発展につながるものでなければならないけど。そのへんの専門知識のある人にサポートしてもらったらいいのでは。

己を信じ、貫け「オクトパストラベラー2」4章感想・1 - なぜ面白いのか

 

彼女の手記を見ると、ドルシネアには実際にそういう意図があったのではないかと思わせてくれる。

このへんもうちょっとつっこんで描写してあったら彼女の印象はだいぶ変わるような気がするのだけど、もしかして「その後」クエストが用意されていたりするだろうか。行ってみなければ。

いろんな町に「その後」クエストがあるのがすごく楽しい。やることが多い……!

しかしこの話も暗黒の件とのつながりがわからない。パルテティオとアグネアは割と明るいストーリーだろうと思っていたので、お口直しというかお楽しみのデザートに、このあとの重い二人を残しておいた。

 

 

最強のラスボス、ムゲン

ヒカリくんのシナリオはもう最初からムゲンと対決することが明らかで、そのムゲンがめちゃくちゃ強そうだったので、キャラが十分に育ってから挑むつもりであった。実際、わたしがヒカリくんの最終章に挑戦したのはレベル50を過ぎてからであった。しかしそれでもムゲンは強敵であった。これまでのどのボスよりもワイプを覚悟した。まあ、ダメージ限界突破を付け忘れるといううっかりセルフ縛りプレイをしていたせいでもあるのだが。でもその分ストーリーの熱さが増してよかったな。あの連戦はめちゃくちゃきつかったけども。

 

ヒカリくんの最終章に向かう直前、アグネアとヒカリとのパーティチャットでこんなやりとりがあった。

わたしのスクショアルバムには、そのすぐ直後にこの画像が残っている。

ヒカリくんはリツのこの言葉を知らなかったと思うけど、まったくヒカリくんの言うとおりの結末だよ。

リツはヒカリくんを裏切り上官も裏切って、ミッカにいい暮らしをさせることはできたけれど、自身の幸せを感じることはできなかったんじゃないかな。ミッカもそれがわかっていたから幸せにはなれず、戦後もあの様子で下を向いて暮らしていた。

だが、そうだとしても、奪われ続けた幼少期よりはなんぼかマシだというところがこの国、ひいては身分制度のクソっぷりを表している。

 

やはりク家の呪いというのは暗黒絡みであった。お話がここまで進んでいる以上、それ以外にないよなという筋書きではあるが、一方でヒカリくんの母親は「暗黒」から世界を救った「光の血」を継いでいたらしい。え、オズバルドの妻とヒカリくんの母親ってご親戚??? 墓参りに行くべき???

というかジゴ王もなんでそんな相性の悪そうな人を側室に迎えたかな。血統を知ってたんだろうか。ジゴ王が知っていたにしろ知らなかったにしろ、光と闇が備わり最強に見える血の持ち主が誕生してしまったわけだが。

というかこの先、8人の旅人の血統が問題になったりするのだろうか。「クロード」の血を引くソローネとか(もしかしてキャスティも?)、光の血を引くオズバルドの娘とか、聖火みたいなのが出てきたオーシュット(欲深い人間がダーケストによって獣人に変えられた云々)とか、「血」関係の問題なんだろうなという話がちらほら出ている。

そうなるとあれだね、パルテティオとアグネアは母親を亡くしているが、出自をたどることはできそう。オズバルドの親の話は出てきていない。テメノスは捨て子だったという話だが、彼の出自にも何か秘密があったりするのだろうか。そのへんを考えだすと「教皇に拾われた」話も意味深な気がしてくる。

ここの展開は熱かったな! BPが毎ターン積まれるやつ! やっぱりゲームシステムとがっつりかみあった演出は盛り上がる。ヒカリくんがねこみみ半裸だったのがやや申し訳なかったが……。

 

この「オボロの手記」は何だったんだろう。

どうやらトルーソーと同じように夜の儀式実行委員会に勧誘されたようだが、この人はヒカリくんの本編には出てこなかったよね? どこかにいたんだろうか。これから出てくるのかな?

 

 

おいしいものは最後にとっておく

最高に悪い子安

オズバルドの4章でハーヴェイのヴィランっぷりに感銘を受けたわたし、こいつは絶対に最後にとっておこうと決めていた。テメノスがメインディッシュで、オズバルドがデザートだ。

ハーヴェイは概ね、わたしの期待に応えてくれた。大変良いヴィランであった。

でも彼がオズバルドに向けた「嫉妬」の感情を明言したのは、ちょっと拍子抜けだった。意外と普通の人だったんだな、みたいな。

オズバルドのことは普通に研究者として同僚として敬愛していて、彼との議論は楽しくて、できればこれからも仲良くしたかったけど、彼の妻子が自分の実験に必要だとわかったなら犠牲にするのは当然、みたいなキャラの方がわたし好みだけども、それは完全にわたしの好みの話だ。

で、そんな個人的な好みがきっかけで、逆にハーヴェイは「嫉妬」のキャラでないといけなかったんじゃないかという説を思いついた。

つまり、「オクトパストラベラー2」に登場するヴィランズは、七つの大罪をモチーフにしているのでは? という話。

たった今思いついたので思いついた順に適当に並べるけども、

・「嫉妬」:ハーヴェイ

・「色欲」:クロード

・「強欲」:ロック

・「傲慢」:ドルシネア

・「憤怒」:カルディナ

・「暴食」:ムゲン(領土拡大への貪欲さを比喩的に)

・「怠惰」:トルーソー(本来の薬師としてのお仕事をやらなくなったので)

こんな感じ。どうかなー、まあまああてはまりそうに思うのだが。

今作はさまざまなヴィランをお出ししてくれてヴィラン愛好家的にはウハウハだったのだが、多様なヴィランをキャラかぶりせずうまく配置するために、そういうモチーフを使った可能性もあったりするのかもしれない。

で、そこにプラス1されたのがオーシュットのシナリオ。彼女の話だけ、やっぱりちょっと異質だよね。オーシュットは「欲がない」獣人の中でもなんだか特別な存在らしい。彼女にとってのラスボスは闇堕ちしたキツネくんだったわけだけど、あのキツネがなぜオーシュットと対立することになったのかまだわからない。でもほかのラスボスたちと違って「欲」が動機にはなってない気がする。

これは「その後」のクエストなのだが、コハゼのこのセリフが結構的を射ている気がする。ここでも「欲」という言葉が使われているし、なんかこう、わたしの中で聖書的なものと結びつけたくなる何かがあるんだよな。

この先のストーリーを分析する上でも、聖書モチーフはヒントになるかもしれないし、少し気にとめておくことにしよう。

 

暗黒に対抗する力は愛!!!

なるほどね。ヒカリくんも友への思いでカゲくんを克服したしな。

オズバルド先生をラストにもってきたことで、いい感じに今後の道筋が見えるエンディングになった。

 

現在、「その後」クエストをウキウキで進めているところ。暗黒とのつながりが見えるストーリーもあったりして、キャラごとのシナリオの隙間がうまっていくのをわくわくしながら楽しんでいる。

あとアルロンドとミシャの主従っていいですね。

 

 

本日の闇深案件

クロックバンクにこれ以上の闇が盛られるとは思ってなかったわ!!!!!

たしかメリーヒルズの近くにも異邦の暗殺者がいたよね?? 頼むから国に帰ってくれ。これ以上ソリスティアの治安を悪化させる気かよ。

 

 

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