なぜ面白いのか

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レイゼルが爆発しかけて精気を抜いて立ち上がる回「バルダーズゲート3」プレイ日記6

明日からしばし不在ゆえ、今日で今年のブログの更新はおしまい。今年もたくさんお付き合いいただきありがとうございました。来年も面白いものを求める探究は続くでしょう。Our journey will never end でございます。

 

さて今日のプレイ日記に入る前に、日本での「バルダーズゲート3」の受容について少し私見を述べておきたい。今作がGOTYを受賞したことで日本でも注目が集まったが、合う人もいれば合わない人もいて一部で議論になっている、みたいな話を目にした。

ことわっておくと、わたしは日本人のBG3プレイヤーコミュニティ的なところには足を踏み入れたこともないし(クリア前に覗くなんてとんでもない!)、ファンの意見も楽しめなかった人の意見もそんなに見たわけではない。

ただ日本で育って日本のコンピューターゲームを中心に遊んできた人が何の心構えもなく「バルダーズゲート3」を手に取った場合、挫折してしまう人が少なからずいるのは想像できる。

わたしにとって「ゼルダ」や「マリオ」が「アクションが致命的に下手」であるがゆえに「楽しむ」ところまでいかない(ストレスの方が勝ってしまうし、がんばってもどこかで詰む)のとまったく同じように、BG3の戦闘の難しさを「楽しむ」ことができない人がいるのはわかる。覚えることも多いしね。

ただ、話は難易度だけの問題でもないように思う。

そもそも「ゲームに何を求めるか」という部分が、人によって大きく違うのだ。

ゲームに成功体験「のみ」を求める人だと、明らかに失敗に見える結果も引き受けてそのまま話が進んでいく、TRPGベースのゲームに大きな抵抗があるのはよくわかる。

実際、わたしもそういう部分があって、意に反した結果になったときに何度かロードしなおしたことがある。でもそれは今作の本来の遊び方ではないのもわかっている。自分の選択と、自分ではどうしようもない部分をダイスにゆだねた結果を引き受けて、一回性の物語を自分の手でつくっていくというのがこの手のゲームの楽しみ方だ。

ゲーマーの中には「ゲームの中でくらいなんでもうまくいってほしいじゃん」な人とゲームの中でまでなんでもうまくやろうとしなくていいじゃん」な人がいる。前者はゲームにおける偶然性の要素を好まず、後者は偶然性をこそ楽しむ。「バルダーズゲート3」は明らかに後者向けのゲームである。前者しか楽しめない人にはとんでもない苦行になりかねない。なにしろうまくいくことの方が少ないので。

でも、両者ともに現実とは異なる自分を「ロールプレイ」したいと望んでいるという意味では本質的に同じなのだ。どちらが上とか下とかいう話ではない。どちらもあった方が、ゲーム市場は発展するはず。あとどちらも楽しめるタイプはお得である(でもわたしはガチめのアクションとホラーとステルスは楽しめない)。

我々は定命の者なのだから、有限の生の中で自分にとって面白いと感じるものに出会いやすくなるために、自分が「面白い」と感じるものに対して「なぜ面白いのか」を日頃からもっと考えてみようぜ、とわたしは思うのだけど、「なぜ面白いのか」を考えるのが息をするのと同じ(止めると死んでしまう的な意味で)という人は世間一般からするとまあまあ変わり者なのだろうなという自覚もある。

 

では以下、本日のネタバレ感想。

初回記事はこちらから。

ssayu.hatenablog.com

 

 

 

ねんがんのレイゼルとのロマンス

 

 

ゲイルの救済と自爆作戦

新しいマップに足を踏み入れた寄生虫同盟一行。山道を進んだ先で出会ったのは、非常にわかりやすい格好をした魔法使いだった。

なんか聞いたことがあるお名前のような……? と思ってぐぐったら、D&D映画「アウトローたちの誇り」に出てきたハーフエルフのサイモンくんのご先祖ではないか。えっ、まだ現役なの!!? えっ、1300年生きてる!!?!? ヒューマンってそんなに寿命をのばせるの?

そんなすごい魔法使いが徒歩ではるばるゲイルに会いにきた用件とは、端的に言えば、世界の危機を救うためにゲイルに自爆しろという話だった。

ゲイルの中にあるという「オーブ」、今までレアアイテムを食ってきたそれは、燃料をちゃんと与えていたとしても耐用年数がすぎれば爆発するらしい。その爆発は都市を消し飛ばすレベル。その爆発を利用して、アブソリュートの心臓を破壊しろと、女神ミストラが言ってきたらしい。

元カノとのこじれ方がすごすぎない???

ゲイルも、自分に残された時間はもともと少ないのだし、それでミストラへの償いになるのなら……とその話を受け入れようとしている。

何かほかの方法はないの? 普通に囲んでボコるという方法は使えないの?

あとやっぱりゲイルはミストラへの未練がありすぎでしょ。まあ相手が女神である以上、別れた後は忘れましょうというわけにはいかないのかもしれないけど。

うん、やはり元カノのために死ぬ覚悟を決めた相手とロマンスするのはキツいな。

そんなこと言うなよ……。

パーティの良心はこういう意見。ウィルとゲイルはやっぱりタイプが違うなあ。

わかりやすい要約

カーラックの楽観的なせりふがつらい。

お前もいいやつだな……。

 

ちなみにエルミンスターだが、レベル20でHPは129だった。

このゲームのレベル上限は12らしいことをふまえると、エルミンスターはだいぶチートなキャラだということがわかる。

 

 

アスタリオンとカザドール

出会ってからなかなか自分の情報を開示してくれなかったアスタリオン、先日神殿を探索中に突然自分がヴァンパイアスポーンだと言い始めた。

で、今度はギスヤンキのおえらいさんと揉めた直後に唐突に過去を語りだした。いったい何がフラグになって話し始めるんだろう?

わたしはずっと、ヴァンパイアスポーンとヴァンパイアの主従関係は何によって規定されるのか気になっていた。たとえばヴァンパイアによって何らかのパワーが定期的に分け与えられないと、スポーンは死んでしまうから逆らえないのかな? みたいなことを想像していたのだけど、思ったよりも直球で逆らえないやつだった。

そういう主従関係で主人が加虐趣味って最悪だな!

なるほどそういう過去があったから、彼は寄生虫にとりつかれることで得た「自由」を歓迎しているわけか。

アスタリオンが力を求めるような発言をするのは、いつかカザドールに対抗したいと思っているからかと思っていたのだけど、本人は「カザドールに勝つとか、そんなことができたらいいですね(棒)」みたいな態度だった。寄生虫パワーがあってもできるとは思えないのかな。そのうち対決しそうな気はしているのだが。

 

 

乗り込め! ロージーモーン修道院

さて山道を西側に進んでいくと、地下への入口があった。もしかしてこれ、結局ムーンライズタワーに行くためにはアンダーダークを通らないといけないのか? すべての道はアンダーダークに通ずなのか!? 景観の良い道を行くことはあきらめないといけないのか。

そういうことなら、先に山道に残るレイゼルのクエストを進めることにして、マップの北東を目指した。

途中、レイゼルの目の前で「ギスヤンキの卵を売ってくれ」とかいう命知らずがいたけど、さすがにレイゼルと一緒にいるのに卵を渡すなんてできないよ。スルーだスルー。

そんなことよりギスヤンキが卵生だったことにびっくりだよ。

 

修道院へはここから乗り込んだ。中に不可視状態の獣がいて焦ったけど、こういう地形こそトゲ作戦が生きる。壁の穴一帯をトゲにして一網打尽よ。

 

中はだいぶ複雑で、迷子に。

ここの光る扉はダイス30でとても普通に開けられそうになかった。おそらくギミック攻略のためには武器をそろえてこのステンドグラスの示すとおりに置けばいいのだろうけれど、肝心の武器が揃っていないので保留。

 

修道院の地下はギスヤンキの部隊に完全に支配されていた。「クレシュ」というのは人名かと思っていたのだが、どうやら施設のことなのか。「巣」とか「拠点」みたいな意味なのかな。

中には子供のギスヤンキの教育も行われていた。だいぶスパルタである。やはり全員がレイゼルのような戦闘民族というわけではないみたい。殴られている子をかばったら、ちょっと心を開いてくれた。

この若者は「思いやりと優しさのある真の王子オルフェウス」について話してくれた。でもこの王子について話すのはタブーらしい。なんだろう、ギスヤンキの文化とは相いれないだろうなというのはわかるのだが。

だが詳しく知りたくて「本がほしい」と言ってみたら、ののしられた。

ペテンはなかなか成功しないリュヒテュちゃんである。

 

その後、オルフェウスの印が肖像画に落書きされているのを発見した。

 

さてこのクレシュには寄生虫の治療法を探しにきたのだった。レイゼルはギスヤンキの設備に絶対の信頼をおいているが、わたしは疑いの目で見ている。そんな簡単に治療できるようなものじゃないでしょ。

とはいえ、試せることは試しておきたい。

治療してくださいな!

ギスヤンキの技術は多次元世界イチィィィィ!

えっ

無理だろうとは思ったけどクリティカル失敗て

こんな局面でクリティカル失敗が連続するとかある!?

ご、ごめん……

ば、爆発した……。

だいぶ派手に失敗したな……。

レイゼルはあの医者が裏切者だと考えているようだが、うーん……我々が特異体質なのであって、医者は正しいギスヤンキ式処置をしたのでは。

でもこんなに同族から邪険にされても(というか死にかけたのに)、レイゼルはなかなか自分の世界観から脱却できない。とにかく審問官に会いに行くことに。そのためなら上官をも斬る!(そのへんは柔軟なんだよな)

戦闘後はだいたいトゲまみれになる

 

レイゼルとのロマンス

修道院に突入してからここまでに数回戦闘を挟んだので、緊張の局面だが大休憩をすることに。

そして今日こそレイゼルとのロマンスを楽しむことに! 今日こそ守護者の夢をみることなく、レイゼルが誘ってきた。

暗転した!

舌まで

抜群だそうです

はえー、結構ロマンティックというか、ちゃんといちゃいちゃするシーンがあるんだな。局部に葉っぱがついてるのを見て笑ってしまったが。

とにかくレイゼルは楽しんだようだった。彼女はもっとスポーツ的にセックスを楽しむ人なのかと思っていたが、意外と情緒的なのか……?

レイゼル、リュヒテュちゃんといると安心するのか???

なお翌朝のアスタリオンのセリフがこれ。

さくやは おたのしみ でしたね

なんでこのキャンプってすべてが筒抜けなの!? まあキャンプだし、密室でやってたわけではなさそうだし、仕方ないのか……。

 

 

立ち上がれレイゼル

リュヒテュちゃんから「精気を完全に抜いた」らしいレイゼル(いったい暗転してる間に何があったんだよ)、一夜明けていよいよ審問官と会うことに。

しかしここでも例のゲーミングダイスを出せと求められてしまう。ギスヤンキはあの多面体のことを「武器」と呼んでいる。あれってもともとギスヤンキのものだったのかな? それをあのノーチロイドの中でシャドウハートが拾って、リュヒテュちゃんの手に渡った? 

あの黒くて光るゲーミングダイスが何なのかはまだ全然わからないけども、ダイス自体は彼らの手に渡りたくないらしい。あと守護者くんも渡したらダメだと言っている。

レイゼルと今にも対立しそうだったが、ここはリュヒテュちゃんの言葉に耳を貸してくれた。もうベッドをともにした仲だからな

全員一致したの初めてでは

この展開は熱かったなあ!

レイゼルにとっては価値観の大転換を迫られる決断だったはず。

自分の使命とか、これまで自分を支えてきたものとか、今となりにいる仲間たちのこととか、信じていたものが破綻してしまったこととか、いろいろなことを比較検討して出した決断だったはず。

でも彼女にとって、あるいはギスにとって、同族を斬るということはそんなに抵抗のあることではない。使命の妨げになる弱いギスは斬り捨てるのが、彼らの価値観ではむしろ正しい。だからここでのレイゼルは、目の前の審問官を斬るのが「正しい」と思ったのかもしれない。それでもそれも大きな決断だっただろうけど。

審問官は体力が多かったけど、リュヒテュちゃんから精気を吸って元気いっぱいのレイゼルが「武器落とし」攻撃を成功させ、怒涛の攻撃でボコボコにしたので大して苦労せず削りきることができた。

でもギスヤンキは大ジャンプができるので、トゲ作戦があまり意味をなさないのが残念なところ。

彼らを倒すと、今度はギスヤンキの大ボス(?)、ヴラーキスが現れた。

なぜここの連中は揃いも揃って「武器」を渡せとしか言わないのか。

いまいちヴラーキスの言うこともわからなかったのだが、アストラル・プリズムというのがあのゲーミングダイスの正式名称なのかな。

「腐敗」というのは、そのダイスに守護者くんがとりついてるみたいな意味なのだろうか。前回の記事

こんなふうに現状をまとめたのだが、さらにギスヤンキ勢と守護者も対立しているということかな。守護者がマインドフレイヤーの力を利用しているのなら、マインドフレイヤー全否定のギスヤンキから見れば敵ということになるのか。

もしかして守護者はマインドフレイヤーの力を利用するために、マインドフレイヤーによるイリシッド帝国復活を援助していたりするのかな。だったらギスヤンキと対立するものわかるのだけど。

何が起こっているのかいまいちわからないまま、この先へ行け! とヴラーキスに言われてしまった。これはもう行かないと話が進みそうにないので、次回はここに飛び込むところからかな。

さらわれた大公爵はもう死んでるかもしれないけど、とにかく行ってみよう。また来年な!!

 

 

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