「サイバーパンク2077」クリアしたーーー!!!
シナリオにかかわってくるサブキャラたちのクエストは大体見たかな、というところでひとまず一度クリアしてみることにした。
Point of no return がゲーム中で示されるのは親切設計で、ここのセーブデータを残しておけばエンディング分岐をやりなおせるんだな! とわかる(ただエンディング後のデータをロードするとそのポイントに帰ってこられるので残しておかなくても大丈夫。親切)。
わたしのようなアクション下手のためにクリア難易度について書いておくと、知力特化型で育てると中盤以降は完全に無双できた(難易度イージーでの話)。おそらくどの武器を主体にしても、特化型で育てると最終的に無双できるようになるのではないだろうか。
知力特化ハッカーVくん、クイックハック「化学汚染」で、敵のひとりが視界に入っただけで周辺の敵が軒並み全滅するようになり、最終決戦で大量のミリテク兵に襲われたときもこちらに近づいてくる前に全員倒れてしまった。歯ごたえのないやつらめ!
さてわたしが選んだのは星エンド。ほかのエンディングはまだ見ていない状態で、まずは現時点での感想を書き残してみる。
当然ながらネタバレ注意!
ここまでのVくん
さてまずうちのVくんがここまでどういう選択をしてエンディングに向かったのか、その前提の部分が人によって違うはずなので書いておく。
パナムと恋愛関係
メインクエストの途中で出会ったパナム。彼女がとても好感の持てるキャラだった。Vくんは最初は友達として付き合っていたが、ソウル救出のクエストをきっかけに関係が少しずつ縮まっていった。
コーポVくんにとって彼女はきっと「自由」と「信頼」の象徴だった。彼のこれまでの人生には、そのどちらもなかったはず。その彼がパナムにひかれていったのは、ジョニーの影響だろう。ジョニーの存在は、Vくんに「壁を破る」力を与えてくれた。
そんなわけで、うちのVくんはラストダンジョン攻略のパートナーにパナムを選んだ。この流れならこれがいちばん自然かな、と。最後の攻略の場でジョニーが全然出てこないのは寂しかったけど、遮断薬を飲んでしまったから仕方ないか。
ケリーとも関係をもってしまった?
ジョニーのバンド <Samurai> にいたケリー。彼にまつわる一連のクエストもいいドラマだった。
ケリーはきっとジョニーのことが好きだったんだな。彼が亡くなったあとも、ずっと。彼のそばに居続ければ、ケリーはずっと影のまま。自分に光が当たることはなく、自分の音楽を追求することもできない。でもジョニーの才や魅力からは離れがたいという二律背反。ケリーがこの問題に決着をつけられるよりも先に、ジョニーは世を去った。残されたケリーは成功を手にするも、解決されない問題はずっと彼の中に残り続ける。
ジョニーと「再会」を果たし(Vくんと会った瞬間にジョニーだとわかったのはケリーだけ。ローグでも無理だった)、彼ともう一度音楽をやることで、彼はやっと前に進むことができるようになったのだろう。もう彼に銃は要らないのだ。
そんなケリーにイベントの最後にかけたい言葉がな、「キスをする」という動作とセットのものしかなかったんだよ。「キスをする」が入ってない選択肢はなんだか突き放したような言葉ばかりでな。それでまあなりゆき上、彼にキスをすることに……パナムほんとごめん。
ケリーと一緒になってコーポのクソ野郎のボートを壊すイベントは……まあちょっとすっきりしたかな。ジョニーも安心してるみたいだった。
ジョニー自身はケリーと最後に会ったとき「自分の音楽をやれ」と言葉をかけている。だからジョニーとしては彼との関係に「決着」はついていたつもりだったんじゃないかな。ローグやオルトとの関係と違って。でもケリーの方は彼に対して言葉を返せないままだった。
この50年間、その未決着な感情がジョニーを「芸術家」にしてきたのかもしれない。でもその感情は50年間彼を蝕み続けた。自殺未遂の報道はきっと何もかも真実。
ケリーはジョニーに「自分の音楽」を認めてもらうことができれば、それで満足だったのだろう。コーポのクソ野郎との関係が切れれば、誰にも音楽を聴いてもらうことができなくなってしまうと言っていた彼が、結局は「ナイトシティのルール」を破る。彼もまた「反逆者」になれた。ほかの誰にも聴かれなくても、ジョニーが認めてくれたのならそれでいいのだと思えた、そういうことだと思う。
ただ <Us Cracks> と良好な関係になったから、そっちつながりで再ブレイクはありえそう。そんな内容のチップを拾った気がする。ケリー、<Us Cracks> と一緒に東京でライブやりなよ。
ケリーのイベントを経てわかったのは、生前のジョニーを深く知る人物たちから見ても、「ジョニーのコンストラクト」は「生前のジョニー」をかなり正確に再現できているということ。これは結構大事。
「ジョニーのコンストラクト」にはそれを作った人の意思が入り込んでいて、ジョニーの本質とは異なるものだという可能性を少しだけ疑っていたのだが、どうやらそれはなさそうだ。
ローグとジョニー
このふたりの関係は若干尻切れトンボ感。
たぶんエンディング分岐でジョニーに体を譲り、ローグの手を借りることを選ぶとあの話の続きが見られるのかな。この記事を書き終えたら見てみるつもり。
このせりふがちょっと気になってるんだよね。まだ何か隠していることがあるのか。ジョニーの前にいるときのローグは50年前の自分を演じているようだし。
リバー刑事
リバー刑事、マジでナイトシティの良心。
最初はまたヤバそうなキャラが出たと思ったのに、どんどんいい人ゲージをのばしていった。
作中で最も「洋ドラらしい」シナリオが詰まっていた一連のクエスト。出会いの事件は The Wire か!? と思ったし、その後の誘拐事件は True Detective みたいな薄気味悪さを感じた。あの誘拐事件も考えれば考えるほど闇深案件。
あの犯人の幼少期の環境にいた「女性」、あるいは「母性を感じる相手」が雌牛のみだったことから、自分が「母性」の表象として少年たち(=過去の自分の象徴)を救うにあたり「雌牛」になりきる必要があった、とかかなあ。
間違いなくあの犯人は雌牛に性的興奮を覚えていたと思うんだけど、その雌牛は彼にとって「搾取」の象徴でもあったわけで、うーん、その手の専門家に詳しい分析をお願いしてみたいところ。
ペラレスの事件
リバー刑事との出会いのきっかけをくれた事件。
近々市長選があるということは序盤からニュースなどで刷り込まれていた。クエストとしてVの前にこの問題が現れたときの「あ~知ってる知ってる。選挙あるんだよね」感は、ナイトシティでしばらく生きてきた実感そのものだ。
ここだけ急に The Wire だな!? と思っていたら、最終的にとんでもないオチが待っていた。こわっ!! ナイトシティこわっ!!! でもコーポがこれだけの技術を独占しているなら、政治家の脳を乗っ取って操るくらやってても全然不思議じゃないよね。
これは絶対続きがありますわ! という終わり方だったので連絡を待っていたのだが、一向に続きが発生しない。本当にあれで終わりなのか? と思いつつとりあえずエンディングまでいったら、ジェファーソン・ペラレスがスタッフロール中にボイスメッセージで助けを求めてきた。
ほかのキャラからのメッセージがVくんを気遣う優しいものばかりだった中で、この人だけ自分の要求ばかりしゃべるから笑ってしまったが、この人にとっては笑っている場合ではない。
エリザベスもグルってマジかよ! まああり得る話だな! あの人やたらジェファーソンに教えるなって言ってきたし、ふたりと会うときに会話の主導権を握るのはいつもエリザベスの方だったしな。
……と納得しかけたが、ちょっと待ってくれ、本当にそうか?
エリザベスの方も脳をいじられてるんだよな。「元からグル」だとしたら脳をいじる必要はなくない? この画像自体が、計画を見破られたとき用の偽物という可能性もあるけど……。わたしとしては、ジェファーソンが「エリザベスがグルだった」という方向に疑いを向けるように、また脳をいじられたのではないかという疑いを抱いている。記憶改変がありならもう何を信じていいか全然わからない。
ジュディ
かつてはマイコと付き合っていて、最近はエヴリンと付き合っていたのかな。それでエヴリンを失い、復讐のために立ち上がる、と。
初登場時にめちゃくちゃ強キャラ感を醸し出していたエヴリンがあんなことになったのはショックだった。というかこのゲーム、序盤に登場したキャラはほとんど死んでるんだよな。紺碧ホテル前に出会ったキャラでまだ生きている主要キャラってジュディとローグくらいじゃないか。
ヒロミの家に殴り込むクエストでは、何度選択をやりなおしてもVくんがタイガークロウズ幹部もヒロミもマイコも黄金のバットで殴り倒してしまい、やりなおそうとしてロードしてもロードするデータを間違えて殴りかかる瞬間からのやりなおしになること2回、合計7回くらいやりなおしてやっと、ヒロミのみ始末する結末に至った。
ただこの結末が本当によかったのかわからない。結局トムは死んでしまったみたいだし。やはりマイコも殴り倒しておくべきだったか。
ともかくジュディはこれで過去への気持ちを一段落させ、ナイトシティを出る決意をした。
最後に一緒に彼女の故郷を訪れたのは、Vくんとの思い出作りでもあり、彼女ひとりであの水の底に沈んだ故郷を訪れる勇気は出なかったからでもあるのだろう。
旅だった先でもジュディは元気にしているようだし、彼女に関しては一応のハッピーエンドかな。
審判のカード
前置きが長すぎるわ!! もう4000字もかかってしまったぞ! ここからはエンディングについて。
VくんはVくんとして生きて死ぬ、まずはその選択をさせてあげたくてこの道を選んだ。パナムとロマンス中だったから最後は彼女に協力してもらう流れも自然だった。
ジョニーと分離してVくんは無事Vくんとして生きていく人生に戻りました! と簡単にはいかないだろうなと思っていたけど、そうか、結局余命半年か。肉体のことを考えてなかったと言いだすオルトがあまりにもAIらしくて笑ってしまった。「このセリフがすごい!2077」だわ。
でもこの終わりについて、Vくんは最終的に納得できたみたいだった。
うちのVくんはコーポ出身なので、ずっと星のほとんど見えない世界で暮らしていた。子供の頃はわずかに見える星を数えてたとタケムラさんに語った(そういえば、わたしはタケムラさんを見殺しにしてしまったらしい。悲しい)。
その彼が、陰謀と裏切りの渦巻く世界から離れて信頼できる「家族」を手に入れ、「星」の見える世界を死に場所に選ぶことができたのはハッピーエンドなのかもしれない。星エンドだけに。
少なくともこれは「自分」が選んだ結末だってことには納得できていたはず。
エンディング後、Vくんがどれくらい生きたのかについては解釈が分かれるところだ。スタッフロール直前にVくんのいつもの「ああクソ!」という声が聞こえたから、わたしとしてはあのときに死んでしまったのかなと思っている。
ただミスティの占いを引用すると、この結末は「審判」のカードが象徴するものだと思われる。おそらくハナコの誘いに乗ってアラサカに行くと「悪魔(=内に秘めたる欲望、生き延びようとする意志、偽りの世界の象徴、引き寄せる罠)」の結末になり、それ以外が「審判」ということなのではないか。つまりジョニーに体を明け渡して肉体の延命を図る(そっちはまだ見てないけどあの感じだとVくんの体は延命できるのかな)か、Vくんとして死ぬ結末が両方とも「審判」だということに。
で、「審判」が意味するのは「贖罪、変遷、覚醒、時代の終わり、復活、新たな始まり」である。「復活、新たな始まり」を言葉通りに捉えると、Vくんになんらかの奇跡が起こって(ブラックウォールの向こうからの何かとか?)延命できたという解釈もできなくはない。
最後にかかってくるボイスメッセージ、あれはVくんが死んだ直後に、そうとは知らないみんなからかかってきたものなのかな。パナムのメッセージの中に出てきたミッチの声とミッチのメッセージは別の時に撮られたものだろうから、一部は「生前」のものかもしれないけども。
この優しいメッセージをVくんが聴くことなく、ひとりで逝ってしまったのかなと思うと、エンディング中にすごく泣けてきた。みんなが「またね」「体に気をつけてね」って声をかけてくれてるのに、Vくんはそれを耳にすることなく亡くなってしまうのがエモい。
でも、それがすごくVくんらしい終わりのような気もする。死に際をみとらせない、猫みたいな。同時にそれが、作中でも(おそらくコーポ時代にも)散々殺しまくったVくんへの罰なのかなとも思ったり。
猫、最後に2匹いたよね、あの屋上で、ネックレスを拾うとき。
もともとあの場所にいたっけ……? それとも猫がいるのはあのときだけ?
〈神輿〉に接続した次の瞬間、エレベーターに乗っていて、着いた先がここだった。あれはいったいどういう意味だったんだろう。あそこで拾ったネックレスは実体のあるものだったんだろうか。エンディングの中でVくんが持っていたのが「三人称視点で」見えていたからたぶん実体があるのだろうけど、いったいいつどこで拾ったんだろう。
おそらくあの場所こそがVくんの目指すべき場所で、あのときにVくんとジョニーの分離は完了した。その後のオルトとジョニーとの対話は分離がすんだ後だと言っていたし。
あの場所こそ、最後のアルカナ「世界」の在処だった。
だが〈神輿〉接続後にあの場所に行ったとき、そこに「世界」のカードは見えなかった。
タロットカードは <Relic> が見せていたものらしいから、この時点でVくんから <Relic> は抜け落ちていると考えるべきだろう。
タロットカードについてはもっとじっくり時間をかけて考えてみたい。もう一度全部の場所を回って、意味を考えなくちゃ。わたしがたどってきた選択の結果、現状では意味のわからないものもあるかもしれないけど。
ちなみに「星」のカードのある場所は、最後にパナムと州境を突破するときの合流地点の近くだったはず。
「悪魔」か「審判」かという選択はあまり迷わなかったが、Vくんを生かすかジョニーを生かすかの選択は少し迷った。これがVくんの物語なのかそれともジョニーの物語なのかというプレイヤーへの問いだったのかな。
わたしはVくんの物語だと思ったからこっちを選んだし、プレイヤーとしてその選択に納得している。でもジョニーの物語としての終わりも見ておきたいな。
星エンド後、ソフト立ち上げ時のニュースがあの「株価上昇気分上々(だっけ?)」になっていたのには笑ってしまった。アラサカ株が17%下落ってヤバい。
ハナコ様はヨリノブに粛正されたみたいだし、アラサカはあの後どうなるんだろうな。
「審判」のカードは「ひとつの時代の終わり」を意味するらしいから、アラサカはもう終わりかもしれない。株の値下がりは当分続く見込みで、番組司会者も「売れるうちに売る一択」だと言っていたし。
ただアラサカが終わったとしても、次のコーポがナイトシティを牛耳ることには変わりない気がする。Vくんは「メジャーリーガー」になれたかもしれないが、メジャーリーガーが世界を変えられるわけではない。「この物語」はそういうことではなく、Vくんがどう生きてどう死ぬかを決める物語だったから。
「世界と戦う物語」があり得るとすれば、それはジョニーの方だ。エンディング後、オルトとジョニーが壁の向こうから何かをしてくれるのかもしれない。しかし彼らもデラマンみたいに人間界からは離れてしまうかもしれない。どちらもあり得ると思う。
最後に、エンディングの演出について。
今まで徹底して一人称視点で進んできた物語が、最後にVくんの視点から抜けて彼を外から見ることになったとき、これで「この物語」は終わりなんだと強く感じた。
Vくんから最初に <Relic> が出ていき、そして「プレイヤー」が出ていくときに物語は終わるのだ。この先のVくんの人生にプレイヤーがかかわることはできず、彼の生死すらもうわからない。
こう、一見希望のある終わり方なのがな……。
でもたぶんコーポVくんにとって、心からこんな感情を抱けたのは初めてのことで、ここから半年で死んでしまうとしてもやっぱりハッピーエンドなのではないだろうか。
最後に、Vくんのたどってきた道が第三者たちから語られる演出も好きだ。エンディングは徹底して「三人称」なんだな。
ボイスメッセージの最初はヴィクター、最後がミスティだった。「世界」とはあの屋上のことなのか、それともこのふたりのどちらかのことなのか。このふたりが同じ建物で商売しているということにも何かの意味がありそうだ。
あとはうーん、パナムの運転で州境に向かう途中、助手席から景色を眺めつついい雰囲気で会話していたら突然対向車が前方にいるミッチの車にぶつかり、続けてパナムとVくんの乗る車にもぶつかり(ちゃんとコントローラーも振動した)、そのまま横転炎上した。しかし誰も何も気にせずそのままイベントが進行したので、あれは本当にランダム配置のモブ車があのタイミングで事故るという奇跡だったのではないかと思われる。かわいそうなモブ。
それから最終決戦直前にズボンが表示されないバグが発生してパンツ一丁で決戦にのぞむことになってしまい(PS4版なのでモロだしではない)、自分の下半身が映るたびに(戦車に乗り込むときとか)笑ってしまった。エンディングで三人称視点になったときはズボンをはいていたのでセーフ。
そんな感じでVくんの物語はひとまずこれでおしまい。
二周目は女性のVで、諸々のアップデートが終わってからやりこんでいく予定。
冬休み突入前にクリアしてしまったのだが、全力で引きこもる予定の年末年始、何をして過ごそうか?