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アクション下手による「HADES」攻略記録

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そこからさらにひと肌脱いだらだいぶ布がなくならない?

去年各所で話題だった「HADES」が日本語ローカライズされるというのでさっそくやってみた。

わたしが入手したのはSwitch版。携帯機とめちゃくちゃ相性がいいので、Switchで買ってよかったと思っている。ふとんの中でちょっと遊ぶのにちょうどいい。

わたしはアクションの才能がないことにかけては絶大な自信があり、またローグライクというジャンルにもこれまであまり魅力を感じてこなかった。何度かやろうとした作品はあるのだが、ほぼクリアに至らなかったのである。わたしは「キャラクターの育成」に楽しみを見出すタイプのゲーマーのため、ゲームオーバーになるたびに最初からやりなおしになるローグライクとは極端に相性が悪いのだと思われる。

そんなわけなので「ローグライクアクションゲーム」なんて買ってもクリアできるだろうか? というのが最大の懸念事項だったのだが、いろいろ調べてみたところ、

・キャラクターの永続強化要素もいろいろある

・死んで戻ることによって会話バリエーションが増える

・メインシナリオが面白く、キャラクターも魅力的らしい

という情報を得て、それならわたしでも楽しめるかも? と思って手を出すことに決めた。

結果として、この作品はわたしにとって初めてはまったローグライクゲームとなった。

現在、最初の目標である「一度目の地上脱出」を成し遂げたので、ここまでやったうえでの感想を書いてみる。

 

第一に、わたしは物語の摂取を目的としてゲームをしているので、牽引力のあるシナリオがあれば先を楽しみにプレイすることができる。

最初に提示される謎は「主人公ザグレウスはなぜ冥界を脱出しようとしているのか?」という動機の部分。父親(主人公の父親がハデスである)があれだけクソならそりゃ家出のひとつもしたくなるよ、という話だけかと思っていたらそうではなかった。

動機が判明した後は、ザグレウスの出生の秘密、冥王ハデスの抱えた秘密などに話がシフトしていく。このへんはさらに地上脱出を繰り返すことによって少しずつ明らかになると思われるので、一度クリアしただけでは終われない。というか、初回クリアまでがチュートリアルみたいなものだなこれは。

 

またキャラクターの永続強化はかなりの項目があり、プレイしながらザグレウスがどんどん強くなっていくのを実感できる。鍛えていくほどザグレウスに愛着もわく。装備できる武器もどんどん増え、こちらも強化可能なのでまだまだ楽しめそう。

操作感はサクサクで、わたしのようなアクション下手でもなんとなくボタンをガチャガチャやっていればスタイリッシュに技を決めてくれる。オートターゲット機能がめちゃくちゃありがたい。

使用する武器、拾った強化アイテム(後述)の組み合わせで、同じボタンを押しても全然違う攻撃になる。ダンジョンに潜るたびに全然違うことをやっている感じ。

そしてローグライクゲームとしてはここが最も画期的だと思うのだが(前述のようにわたしはローグライクに手を出したことがほとんどないため適当に言っている)、ダンジョンで拾える強化アイテム(いわゆるperk)にそれぞれ人格があり、強化アイテムの組み合わせによって会話が増え、人間関係が広がっていく楽しみがある。

「オリュンポスの神々が主人公に功徳を授ける」という形のperkゆえである。神々と主人公の間には好感度が設定されているし、神々同士のやりとりも面白い。そして神々は実に気まぐれで、奔放で、手を貸してくれたと思えば突然ブチ切れて攻撃してきたり、けろっと忘れて機嫌をなおしたり、貫禄のギリシャ神話ぶり。

ローグライクゲームで物語を提供するシステムとして本当によくできている。ローグライクでランダムに出会える登場人物と交友を深めるゲーム、この先流行するのではないか。無限の可能性を感じる。

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ガン切れで攻撃してきたあと機嫌をなおしたディオニュソスです

わたしは↑のディオニュソスがお気に入り。彼が降臨するたびに聞こえる楽しげな笑い声がとても好きだ。

 

それからこれは事前に知っていたらもっと迷わず買えたな~と思ったのは、ゴッドモードという名のイージーモードがある点。昨今のストーリー重視のアクションゲームはこれがあるから、わたしのようなアクション下手でも「楽しい」と思える範囲でストーリーを追える!! ありがたい!

ゴッドモードは最初から使うことはできず、数回死んでスタート地点に戻る必要がある。その後、死んで戻るたびにダメージ耐性が2%ずつ上がっていく(ゴッドモードをオンにした時点でダメージ耐性20%)。死ねば死ぬほど強くなるシステム! でも最終的に無敵にならないか? と思ったが、調べてみたところ上限は80%らしい。なるほどね。

ちなみにわたしの場合、ダメージ耐性が50%を超えたくらいから格段に進みやすくなり、1度目のクリアはダメージ耐性62%のときだった(ちょうど試行回数30回目)。これがなければわたしは永遠にクリアできそうにない。

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初クリア時の状態。1プレイは長くても1時間弱程度

 

それから「死んだら最初からやりなおし」というローグライクのシステムが、「死者の国から脱して地上へ向かおうとする者の挑戦」という物語と抜群に相性が良い。死んだら冥界に戻されるのは当然だよなあ!

ゲームシステムとシナリオががっちりかみ合った作品は傑作と相場が決まっている。

 

これだけアクション下手かつローグライク苦手という、およそHADESというゲームの反対属性の極致にいるようなわたしでも楽しくはまれるのだから、相当である。

ローグライクが好きな人、アクションゲームが好きな人、魅力的なキャラクター同士のかけあいが見たい人、ギリシャ神話をモチーフにした物語に興味がある人にはきっとたまらない作品だ。

 

以下、アクション下手のわたしが1回目クリアに至るまでの記録を書いてみる。すでに攻略サイトは各種あるようだが、ゴッドモードを使わなくてもクリアできるような人の攻略情報は、アクション下手にはあまり参考にならないのだ。

もしかしたら同じくらいアクションが苦手な方の参考になる部分があるかもしれない。

 

 

 

アクション下手による HADES 攻略記録

1. まず数回死ぬ

最初からゴッドモードを使うことはできない。特に何かを意図しなくても最初の数部屋で普通に死ぬので、順当に死んでいく。

 

2. ゴッドモードをオンにしてさらに数回死ぬ

ダメージ2割カット程度では、わたしのようなアクション下手は普通に死ぬ。見えている罠やダメージ床を踏み、爆発に巻き込まれ、ビームに直撃し、カオスの功徳で通常攻撃でダメージを受けるリスクを自分で選んだにもかかわらずうっかり通常攻撃をしてしまう。

まともに攻略を目指すのはダメージがある程度カットされるようになってからと割り切って死にまくった。ヒュプノスアキレウスの死に戻り専用セリフはとても多いので、セリフ回収がはかどった。やったね。

それと並行して、攻略の準備を進めた。

 

3. 永続強化と迷宮改造を進める

ゴッドモード強化を進めながら、ダンジョンでは闇の結晶や鍵、宝珠といった永続強化や武器能力施設開放のためのアイテムを集めるのを優先した。

迷宮改造では各ダンジョンへの泉設置と、お金の入った壺配置は真っ先にやった。お金は、当初思っていた以上に大事。お金があればカロンのお店で功徳を複数買える場合もあるし。光る壺を見たら割っていくべし。お金を見つけたときのザグレウスの一言もかわいい。

闇の結晶は死神騙し、魔弾回数増加、体力増強(鍵で解放)を最優先に。死神騙しが3回になったところがわたしにとって真のスタートラインだ。

またこの間にネクタルを各神々に配ってまわる。

わたしは真っ先にケルベロスにネクタルをあげたところHP増加の賜物をくれて、しばらくはそれを使っていた。

その後スケリーからもらった「幸運の歯」に乗り換えた。死神騙しが実質1回増えるやつ。装備して戦闘を繰り返すとアイテムがレベルアップして、生き返ったときの体力が増える。

闇の結晶で死神騙しの回数を最大にする頃には幸運の歯のレベルも最大になっているはず。

 

4. 予言書をうめる

武器使用や強化、功徳の予言書が全部うまるまではチュートリアルだと思っている。

とにかく一通り触ってみないと何が得意だとか使いやすいとかわからないので。

わたしの場合、遠隔武器を使おうが近接武器を使おうが結局被弾するので、何のこだわりもなく毎回闇の結晶+25%になる武器に持ち替えている。いろいろ使った方が楽しいしね。

わたしの場合、初クリア時は弓だった。が、2回目のクリア時はパンチだったので結局のところ拾える功徳と強化次第な気がする。

 

5. 自分と相性のいい功徳を見極める

功徳に関してはプレイヤーとの相性が第一なので人による部分が大きいと思うが、わたしのプレイスタイルは「ダッシュで敵の攻撃をかわしつつ、オートターゲットが何とかしてくれることを祈りながら適当に攻撃ボタンを押す」なので、ある程度相性のいい功徳はわかる。

まずダッシュでダメージ範囲を作れる功徳。アレスやポセイドンが持っているはず。

それから攻撃範囲が広がるタイプ、エリア攻撃になるタイプ、攻撃が反射するタイプの功徳。闇雲に攻撃するだけでもなんとかなるようになる。

アテネのリフレクトは何につけても優秀。

「祈り」で召喚できる神はとても強いし、敵の近くにいるだけで攻撃が命中するし、ゴッドゲージ最大で呼ぶとカットインが入ってテンション上がる。キャーディオニュソス様ー信仰させてー!

もうちょっと賢いプレイができる人は全然別の功徳がお宝だったりすると思うのだが、当面のわたしはこのスタイルだ。

 

6. 奥まで進むための賜物ローテを考える

ダメージカットが50%になる頃には、安定してエリュシオンまで到達できるようになっていた。このへんから、賜物は同じものを装備し続けるよりも途中で交換しながら進む方がいいのでは? ということに気づいた。

序盤は本当に気を抜いても抜かなくても即死だったため、最初から幸運の歯を持ち歩いていたのだが、死神騙しが2回もあればエリュシオンまでは幸運の歯の出番はない(幸運の歯よりも死神騙しの消費の方が優先されるということに、エリュシオンまで来てようやく気付いた)。

というわけで、

タルタロス→カオスの賜物を装備してノーダメージでカオス世界へ

タルタロスならカオスの課したリスクがあっても死ぬことなくクリアできる。その後の恩恵も長引く。

アスポデロス→アテナやアレスなどほしい功徳の神に対応した賜物

目当ての功徳を引けるとは限らないのだが。

エリュシオン→カロンの賜物で現ナマ補充

後半になると本当にお金がありがたいので。

スティクス→幸運の歯で死神騙し1アップ

ラスボス戦開始時点で合計4回蘇生できるようになっているのが理想。それでも返り討ちにあったりするからな!

 

現状はこんな感じ。

ただ、予言書に全部の賜物を装備して出撃するとかいう項目があったので、今はいろいろな賜物をとっかえひっかえ試している。

 

次なる目標

さて次なる目標は、安定して地上脱出ができるようになること。まだ時々ラスボスに返り討ちにされてしまう。

何度もクリアするのが前提っぽい作りなのに、この話だと地上に脱出したら終わりでは? と思っていたのだが、そこはちゃんとストーリー上で納得できる理由が示されている。ここでもゲームシステムとシナリオが結びついていて素晴らしい。

わたしの関心事はザグレウスの過去についてだけではなくほかの神々にも向いているので好感度をもっと上げたいのだが、とにかくネクタルが出ない。

そして金剛石やティタンの血も、最初の数個はボスを倒すたびにドロップしていたのがぱったり出なくなってしまった。

もしかしてわたしのプレイの仕方が何か間違ってる???

それともほかの入手方法があるのにわたしが気づいていないだけ?

 

【20211227追記】

最近アクセスが増えているのでこちらにも改めて追記。

金剛石とティタンの血は、各エリアを各武器で初回踏破したときの報酬。

それ以上手に入れるには、最終層のカロンの店で買う必要がある。やっぱりお金大事!!

【追記ここまで】

 

何度かダンジョンを進むうちに、復讐の女神三姉妹、ヒュプノスタナトスの双子、オルフェウスとエウリュディケの関係など、ザグレウスとハデスの親子関係以外の部分にも気になるサブストーリーが見えてきた。このへんもこの先どう進展するのか楽しみだ。

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あるある(ねーよ)

 

そんな感じで、わたしの HADES はまだまだ途上。先に待つ物語を楽しみに、今日も家出に勤しむのであった。

 

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